WIRED VOL.20 (GQ JAPAN 2016年1月号増刊)/特集 A.I.(人工知能)

  • コンデナスト・ジャパン
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  • Amazon.co.jp ・雑誌 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 4910153120165

感想・レビュー・書評

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  • AIのパートしか読んでないが。。。幅広い視点から、今のAIを知ることができる、良い雑誌!!

    P.11
    ・近代都市が目指したような画一的な「効率化」は図られないのではないか?個人にあわせてカスタマイズされ、待ちの様々な資産はUBER化、Airbnb化されていくだろう。

    P.18~
    ・それまで知性をもたなかったものが気のきいた動きをするようになる。

    ・現在の速度でAIテクノロジーが進化していけば、いま生まれたばかりの子どもが大人になることには、病気の診断のために医者にかかるということはほとんどなくなる。

    ・彼らはゲームの「遊び方」をAIに教えるのではなく、「遊び方の習得方法」を教えた。
    「Bを押せばジャンプ、Aを押せばパンチだよ」ではなく、「とりあえず手当たり次第ボタンを押しながら失敗し、うまくいくとき・いかないときの知見をためて、成長していこう」と教えた。

    ・化学にAIを食えわえてやると、科学者はバーチャルで実験ができるようになる。
    →でもこれまでの組み合わせをしたことがない、その中から生まれるような新しい発見はできないのではないか?

    ・利用者の行動で音楽が変化する。AIが各プレイヤー用に何百時間もの自分用の音楽を作曲してくれる。

    ・どんな知的な機能にも教育が必要だ。人間の脳は物事を分解するのに優れているが、子どもが犬と猫を見分けられるようになるためには、何十もの実例を見なくてはならない。同じことを人工的な知能でもさらに必要な話になる。チェスを指すよくできたコンピュータプログラムでも、上手に指せるようになるにはまず最低1000試合はこなす必要がある。

    ・完全にAIだけのエンジンが42勝したが、ケンタウロス(AI+人間)は53勝した。」

    ・非人間的な知性は、バグというよりも作品だ。考えるマシンを知るために最も必要なことは、それらが人間とは違う発想をするということなのだ。

    ・何もかも接続された世界では、異なる考え方をすることはイノベーションや富の源泉になる。

    ・最も重要な機械的なマシンは、人間の方が上手にできる仕事用ではなく、人間がまるでできないことのためのもの。最も重要な考えるマシンは、人間の方がより早く、よりよく考えられるようなものを扱うのではなく、人間が考えもつかないことを扱うもの。

    ・AIはわれわれに、われわれの役割、信条、目標、アイデンティティーなどの再評価を迫ることになる。人間は何のために存在しているのか?われわれの最初の答えはきっと、「われわれは生物学的な進化では獲得できない、新しい種類の知性を発明するために存在している」ということになる。

    ・われわれだけができるなどと考えていた1つ1つを放棄しすることは、苦痛に満ちた悲劇だ。これからの30年間、もしくは次の世代まで、人間は一体何のために存在するのかと、われわれのアイデンティティーは常に危機にさらされることになるかもしれない。

    ・アメリカの労働者の10人中7人が明日にでも解雇されるようになったら、いったいどういう事態になるだろうか?

    ・現在ではほとんどの人が、1800年代の農民が考えもつかなかった職業で働いている。

    ・今世紀が終わるまでに、現在の70%の職業がオートメーションによって置き換えられるだろう。2050年までに、と¥ほとんどのトラック運転手は人間でなくなる。

    ・AIは疲れを知らない。多くのペーパーワークが必要な仕事はどんどんロボットに取って代わられるだろう。大量の情報を扱わないといけないような仕事は、すぐに自動化されてしまう。

    ・われわれとロボットの仕事の4つの関係
    1.人間でもできるが、ロボットの方が上手にできる仕事
    ハンドメイドの服を買う唯一の理由は、人間がつくることによる「不完全さ」を求めてということになってくる。
    われわれは間違って、コンピュータやロボットは信頼できないと信じる傾向がある。

    2.人間にはできないが、ロボットができる仕事
    動物の体にはない、制度や制御、集中力などをもつオートメーションが得られる。

    3.われわれがしたいのかさえ分からない仕事
    これこそが、ロボットが代替すべき仕事。

    4.まずは人間にしかできない仕事
    ロボット、オートメーションがわれわれのほとんどの基本的な仕事をこなしてくれるようになると、食べたり着たり住んだりすることが比較的容易になってくる。するとわれわれは「人間は何のために存在しているのか?」と質問したくなる。

    ・自分の行動のすべてを自動的に監視することが日常的に行われるようになると、自分のデータを解釈できるよう助けるプロのアナリストという職業がでてくる。

    ・われわれは「自分の仕事は自分にしかできない」という考えの誤りを認めながら進歩していくのだろう。

    P.38~
    ・究極的にはAIが脳の学習システムを解明して、脳に直接知識を組み込むようなこともできるかもしれない。

    ・ある時点で、わたしたちが食糧や衣服といったものについて悩むことはなくなり、そのために一日中働かなくてはいけないなんてことはなくなる。日々の生活を送るために必要なお金はなくなるのでは?

    ・脳にチップを組み込んでサイボーグになること、すなわち人間とコンピュータのハイブリッドシステムをつくることは可能だと思う。脳の中でGoogle検索や電卓、映画鑑賞ができるだろう。

    ・意識をもてるかどうかは、現時点で「意識とは何か」という共通認識がない分、難しい問題だ。

    ・人間の奴隷でいることを幸せに感じるようなAIをつくったとしたら、果たしてそれは倫理的か?

    ・AIがあり、衣食住に困らなくなれば、わたしたちは自らの美意識や知識欲を追い求めることができる。仕事がなくなること自体は悪いことではないんだ。

    ・「原始人の方が現代人よりも幸せだった」という意見を聴くことがある。現代人は毎日忙しく働いているけれど、原始人はきっと毎日3~4時間しか働かなくてよかったし、残りの時間はリラックスして自然を楽しんでいただろう。

    ・多くの企業は利益を最大にすることを目標にしているが、もし人々の生活に必要なものが全てフリーになってお金がなくなれば、誰が利益なんてものを気にするのだろう?まったく異なるタイプの存在意義をもったものになるはずだ。

    P.48~
    ・ディープマインドのウェブサイトには、「知性を解明すること」というシンプルな企業ミッションが掲げられている。

    ・われわれはいずれ、「人間の専門家が理解できることには限界がある」という問題に直面することになるでしょう。

    ・数十億ドルのビジネスをつくりあげることと、知性を解明すること。将来振り返ってみたときに、どちらがより幸せだったと思えるだろう?それは簡単な選択でした。

    ・マスクは以前、人工知能は「潜在的に核兵器より危険」であり、「悪魔を召還するものだと警告を発している。彼はまた、ディープマインドへの投資はお金儲けだけでなく、純粋に「人工知能分野で起きていることを監視するためだ」と説明している。

    ・人工知能の能力についてほとんど知識をもたずに、哲学的、あるいはSF的な懸念から語っているだけ。ぼくには、黒点放射について専門家ぶってメディアに語るほどの知識はありません。。

    ・Siriのようなオペと恋に落ちる映画「her」のようなことも現実に起こりうるのだろうか?「それはSFですよ」とレグは言う。「いつかはそこへ行きつくのか?そうであればいいと私も思います。dめ、ほとんどの人工知能は人間のようにはならないでしょう。言語とは極めて洗練されたものだからです。私たちはいまつくっているのは、昆虫程度のものだと考えてください」

    P.62
    ・ラジオ体操の記憶の実験ですが、手を縛ると記憶が滞りがちになる。これは、トリガーは体の方にあって、体を動かすなかで脳がリアライズして思いだすというプロセスが、身体運動におけるフローに含まれていることを意味しています。

    ・「わたしがここにある」と意識するためには、ずっと何かと触れあい、境界線を保つ必要があるのかもしれません、そう考えていくと、体をもたない知性に自我というものが生まれるのかどうか、ちょっと想像がつきません。身体性というやまにチップを張ったのは、意外といい線を言っているのではないか?と考えています。

    P.94
    ・この世界において解決しなければならない問題を自ら発見する。そして回答の選択肢の中から自分にとって最適なものを選ぶ能力は、AIの苦手とする分野です。なぜなら問題発見の必要性を感じたり決断したりするためには、人間だからこそもちうる「直観」が求められるからです。

    ・例えば、現代人は疲れ果ててベッドに向かっています。なぜか?その理由は「意思決定疲れ」と言われています。

    P.102
    ・ジグソーパズルを総当たりで解くのではなく、「角から攻める」

    P.107
    ・「記憶するだけ記憶してその後どうなるの?」「その後なんてないじゃない。私たちだってそうだもの。」

    ・「かしこいからね、イルカ」「情報の伝え方っていろいろあると思わない?受け取り方もそう。色々あって当然なのよ。口がきけないだけでさ、意外と石ころだって何か考えているかもしれない」

    ・「ちりも積もれば、神になる…?」「…過ぎたるは、及ばざるがごとし」

    P.128~
    ・現在、人工知能として普及している機会の多くは、解くて気の仕事にしか使えない「特化型人工知能」あるいは「専用人工知能」と呼ばれる専用機だ。特化型人工知能は特定の専門領域ならはるかに人間を越える能力を発揮するが、それ以外のことに関しては全くといっていいほど無能。

    ・「なんでもこなせる」人間の能力を人工的に実現する機会が「汎用人工知能」。

    ・知能マシンを創るだけなら、思考や記憶をつかさどる大脳だけをまねればよいのでは?「全能」を模倣する必要は?手取り足とり指示しなければいけない機会では、使い物にならない。この自立性やモチベーションは、実は価値観から生じており、その価値観は大脳新皮質以外の脳の様々な器官が担っている。

    ・機械設計には「本質的安全設計」という考え方があり、想定街のことは必ず起こると考えて、必要以上の能力を機会に与えないようにする。

    P.136~
    ・AIは自身の知的レベルを下げなければならない。「将来的には、OSがユーザーにうまくよりそってあげられることが大切になってくる」

    ※チューリング・テスト
    ある機械が知性を有しているかどうかを判断するテスト。判定者は2つのディスプレイ越しに機会と人間の双方へ質問を投げかける。その質問の結果、判定者が最後までどちらが人間かを判定できなければ、機械は知能を有しているということになる。

  • 2015/12/08 購入。店頭にWIREDが出ていて、先月買ったばかりなのにどうなってるのかと思ったら、特別保存版ということ。ここ最近の号が見た目も中身も薄かったのは、こっちの特集に注力してたせいかなと思ったりしました。特集の前半が人工知能なので読んでみたけど、面白い記事も結構あるにしても、このボリュームに見合った深さはなかった。大昔のWIREDの先鋭的な記事が懐かしい。

  • 特集:未来都市のつくりかた・人工知能はどんな未来を夢見るか

  • A.Iについて最近勉強中なので、読み物として。

    色々歴史的経緯や分類学も学べるので、技術屋さんじゃ無くても大丈夫。

    特に「昔AIって取り沙汰されたけど、結局できなかったよね?どうせ今のブームも一過性のモノでしょ?」的なAI懐疑派は一度読んでみた方が良いかもしれない。ディープラーニングってそういうことかぁってことが何となくつかめるはず。

  • AIは自分の中ではお腹いっぱい状態なので、都市の方の話が面白かった。なぜ自分がパリに惹かれるかといえば、トップが高いというよりボトムが高いからなのかな。。。。テロによってそれがフィクションだと露呈したが。

  • AI は社会の OS として機能する(日は近い)。

  •  人工知能はどんな未来を夢見るか。未来都市のつくりかた。2つの特集。この雑誌は、他の雑誌とLevelが違う、気合いが違うので面白い。気軽に読めないところがいい。
     2045年、シンギュラリティが起こる。シンギュラリティとは、テクノロジーの進化が、人間が追いつけなくなるくらい早くなった時点のことを指す。その手前では、音声や手触りなどのマルチモーダルな認識技術、リアルタイム通訳などの技術の進歩がある。パンデミックや自然災害などへの対抗として優れているが、人類を支配し、排除するかもしれない。
     AIは優れていると言うが、限定分野におけるもの。人間には、それぞれの領域では<そこそこ>のことしかできないが、一応何でもこなすことができる。ジェネラリストAIをもっている。
     人類の進化、シンギュラリティの発生。今起こりうることを、確り感じながら日々過ごすこと。決して、油断してはいけない。

  • 前号が出て間もないけど、最近WIRED.jp主催で開催した2つのイベント、AIと建築に特化した特集号。読むとこ一杯。PEZY Computingを取り上げた記事が読めたので個人的には満足。
    それにしても、恒例の編集長の前書き(ポエム)とserverを「サーヴァー」と書いちゃう(vはヴと表記する)ルールにはいつも笑っちゃう。

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