月刊群雛 (GunSu) 2015年 10月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~ [Kindle]
- NPO法人日本独立作家同盟 (2015年9月28日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (216ページ)
感想・レビュー・書評
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これは自分自身の反省も込めてなのですが、1つの到達点にあった7月&8月号よりも先の2号はちょっと印象が薄い。成長痛の時期というところなのでしょうか?
そんな中、(僕のはさておき)掌編組のチャレンジは面白いと思った。特にハル吉さんの文章から熱が出ているのが伝わってくるし、僕もそこを目指して次の作品を生みだしていきたいと思う。
・波野發作『オルガニゼイション』
回数を重ねるごとに、ヒットの本数が増えていく。テンポが全体的に落語っぽい。不条理さも内包されている、トンチの利いたラストが秀逸。
・川瀬薫『一滴の光にも』
文章の巧拙で言えば間違いなく「巧」なのだが、どうもストーリーに抑揚が無いので・・・。無農薬野菜のサラダを食べているような感じになった。間違いなく体には良いのだけれども、僕は米や肉や魚も欲しい。
・くろま『リアリストの苦悩』
これに関しては11月号の最終回と併せてレビューを記したい。この文章を書いている段階で最終回を読んでしまった(!)のだが、この第3話は良い流れで次へ繋げていると強調しておきたい。
・幸田玲『夏のかけら』
前号から少々持ち直したか。ピュアな雰囲気を醸し出してはいるが、登場人物がやっていることはメロドラマや大映ドラマという感じもする
・宮本清久『いまどき子供マネー研究会』
新聞のコラムを読んでいるかのよう。編集長がよく「決済方法の簡素化も電子書籍普及には大事」ということを仰られていたのを思い出した。
・和良拓馬『月曜日のコントローラー』
自分の。米田氏に指摘されてしまった通りで、ちょっと難しいやり方をわざわざしてしまったのかもしれない。あと、この話が9回表とするならば、やはり9回裏を書くべきだなと最近思っている。
・ハル吉『現代音楽いかがですか?』
楽しそうに書いているだけで合格点。何気なく聞いていたゴジラのテーマや久石氏の楽曲がそれに該当するのを初めて知った。「群雛らしい」と表するのはあまり良くないかもしれないが、こういうニッチ向けのコラムは今後の掌編枠で沢山出てきて欲しいところ
・米田淳一『ああっ、香椎2尉!』
ラストは力業? SFやバトルのシーンは沢山あるけれど、やっぱり僕は米田さんの仕事の描写が好きなのである(※香椎2尉と笹沢将補のシーンとか)
・くにさきたすく『Zにやさしく』
タイトルやキャッチコピーはそういうことだったのか! ただ、個人的には後半にもう少し「毒」の要素が欲しかったかも。ショートショートは短い。でも、くにさきさんの「こだわり」をもっと読みたい
・バカエル『想像の創造』
ミステリアスな雰囲気を漂わせる。ベースが濃い紫色って、群雛の表紙にあんまり無かったイメージ。帽子の上のカボチャもかわいいね詳細をみるコメント0件をすべて表示