さいはての島へ ゲド戦記 (岩波少年文庫) [Kindle]

  • 岩波書店
4.35
  • (10)
  • (3)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 75
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一巻と比較して読むと、ゲドが若き日の旅路を一人で行わねばならなかったのと反対に、王子には先導がいるのが印象深い。死の国・死者に対する、聖域とも虚ろともとれる描写が素晴らしかった。

  • すごく印象的なゲドの言葉があった。死を拒絶することは、生をも拒絶することになる。と。死があるから、生があるとも言える。不老不死は人類の永遠のテーマだが、死がなくなったら、生もなくなる。それはつまり、死ぬと同じかもしれない。なんて奥深いんだ。そんな風に考えたことがなかった。
    そして、自分たちがいつか必ず死ぬということを知っているのは、人間が天から授かった宝物だとゲドは続けて言う。そうか、他の生き物は死を知らないのか。考えないのか。真実は分からないし、そっちの方が幸せなのではと思うところもあるが、死の恐怖を持つことが人間なのだとしたら、人間はこの恐怖から逃れることは出来ない。いくらたくさんのものを持っていても、全て手放す時が来る。だから、多くを持つ必要はない。本当にそう思う。生を感じる瞬間がどれだけ持てるか、が大切だ。美味しいご飯を食べたり、好きな人との時間だったり、美しい自然を見たり、きれいな水が飲める、お風呂に入れる、健康である、、、当たり前の日常が実は宝物なんだと改めて思わせてくれた。

    そして221ページの一コマにも共感。ハイタカとアレンがジェセージ島を船から見た時のセリフ。そこには見渡す限り焼けた大地が広がっていた。「木が何をしたと言うのでしょう?なぜ、自分たちが悪いことをしておきながら、植物にその罪をおっかぶせなければならないのでしょう?互いのケンカのために大地に火を放つなんて、人間とは、なんて野蛮な。」
    いま、まさに世界で起こっていることではないだろうか。地球に生きているのは人間だけではない。理想論と言われようと、いつか優しく美しい世界が来ることを願わずにはいられないのである。

    2021.06.30

  • ちょっと自分には合わなかった。2巻はすごく面白いと思ったのだけど、3巻はまた1巻の雰囲気に戻ったというか。あっちこっち逃げたり追っかけたり、という展開がそもそも嫌いなんだろうな。

全4件中 1 - 4件を表示

アーシュラ・K.ル=グウィンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×