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- / ISBN・EAN: 4988013432482
感想・レビュー・書評
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言語学者が認知症になり毎日何かを忘れていく…最後に言語学者はどんな言葉を心に残すのか…
病気を理解することも大切。理解して安心だけでは当事者は報われない。サポート体制をしっかりしないと生活ができない。知って区分することは福祉ではないよね〜 その人にどこまで寄り添えるか…皆深く考えないといけないんだな〜 誰だって病気になりたくないし自分は違うと思い込んでいるだけ。その日がきてからでは遅いから今、福祉を考えないと大変だよ。
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言葉を忘れていく、その当事者が言語学で功績のある教授だというのが、何とも人間の悲哀を表しているかのよう。
家族性というのがさらに辛い。
だけれどこの家族の温かさが救い。良い家族だ。
全体的に一本調子な感があるというか、起承転結でいえば『転』の盛り上がりに欠ける気がしなくもないが、
認知症当事者としてスピーチの壇上にあがるシーンは印象的で、名スピーチ。 -
学者であり、3児の母であるアリスは、50歳の若さでアルツハイマーを発症してしまう。
進行していく病気に、彼女は症状が悪化しているであろう未来の自分に向けてビデオメッセージを作成する。
そのシーンが最も切なく感じられた。
自分の症状が悪化し、いずれは色々なことを忘れてしまうでろう病気を理解するというのは想像を絶する。
ましてや50歳という若さで。
アリスの「癌の方が良かった」というようなセリフには、少し同調してしまった。
勿論、癌のように痛みはないし、つらい治療もないかもしれない。それでも、記憶を失くしていくことは肉体的な痛みと比較できないものだろう。
次女のリディアがとても優しい子で、救いになった。
切ないけれど、愛があればよい方向に向くのかもしれない。
色々と考えさせられる内容だった。 -
地位も名誉も財産も能力も家族も冥土には持って行けなくて、死ぬときには我が身一つで行くしかない。
仏教の経典「修証義」にそんな一節がある。
生きていると色々なものが増えていって、自然とたくさんのものを背負ってしまうけど、はたして生きるってそういうことなのか?
そんなことを考えました。
著名な言語学者が若年性アルツハイマーになる話。
知識と知性をアイデンティティとして生きてきて、
自分のキャリアに自信と情熱と愛を持っていて、
人生のすべてを賭けてきたものが、徐々に消えていく。
言語学者なのに言葉が出てこないのは苦しい。
プライドも何も無くなってしまう。
仕事もプライドも自信もやりがいも無くして、
唯一残る財産は家族だけになったところで、
遺伝性であることを知らされて、
子供たちに謝るところは辛かった。
「ガンのほうがましだった」
余命だけじゃない。
自尊心はどこまで傷つけられるのか、
それにいつまで耐えなくちゃいけないのか、
耐えなくていいぐらい病気が進行するのはいつなのか、
家族に不名誉な姿をどれだけ晒すのか、
家族は何回失望したら終わりが来るのか。
今のままでも、先へ進んでも希望が無くて
とにかくずっと、本当にずっと苦しかった。
これでもかっていうほどの悲劇。
なのに全編にわたって穏やかな空気が流れているのはなぜなんだろう。
家族の愛情、夫婦の愛情、主人公の希望、そんなのじゃないと思う。
家族や夫婦だって耐えきれなくなるところはあるし、永遠かつ無尽蔵な愛情なんて無い。
主人公だって希望を持ち続けることなんて出来ないし、いずれ希望か失望かすら分からなくなる。
それでも穏やかで暖かい空気があった。
「いずれ忘れる。それでも思い出を作りたい。今日のこの時を大切にしたい。」
私たちは何を求めて生きていくんだろう。
死ぬときには何の価値も無くなるものを
たくさん生み出し背負うために生きているのか。
未来も一歩先もどうなるか分からないけど、
ただ目の前の一歩を丁寧に踏みしめたいと思う。 -
-「癌のほうが良かった」っていうのは本当にそうなんだろうな。アルツハイマーほど進行していくことによってできなくなることの表面化が分かりやすい病気はないのかもしれない。
-アリスを見ながら次は何を忘れてしまうのだろうと、見ながらドキドキしてたってのが感覚として近い。毎シーン何かができなくなる度に周りの家族と同じように悲しい気持ちになる。
-最近は結構身近になってきている病気だし、見たことある人も多いからか、それが若年性で起きたらっていう設定は「自分だったらどうするんだろう」というふうに考えずにはいられないんだろうな。
-遺伝するから子供に検査するよう頼んで長男は陰性、長女は陽性、次女は検査しなかったというあのシーンは何気に結構ぐさっとくる。結婚して幸せの絶頂だった長女とかはどう思ったんだろう。そして何より一番近くに寄り添ってくれていた次女が舞台のステージから降りてきた時、娘だと認識できなくなってしまったシーンは悲しくて仕方ない。 -
人ごとではないのです
人格が変わるというか
違う人になるというのか
本能的になるのか
感情はどうなんだろう
喜怒哀楽に消えてゆく順番はあるのか
接する側は成す術はないのか
もっと… もっと知りたい
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自分が主人公だったとしたら、きっと彼女のような希望を持っただろうと思います。自分が築き上げてきたキャリア、家族をどんどんと忘れていってしまう。耐えられないです。そして、周りの家族の気持ちが、どんなものなのかも考えさせられました。同居している高齢の母が、日々衰えていく姿を日々見ている感じている私ですので、本当に考えさせられます。
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「なくす技」を習得していく日々。
診断がきちんと下る前、不安な気持ちが溢れて声を上げ泣くアリスが印象に残りました。