アリスのままで [DVD]

監督 : リチャード・グラッツァー  ウォッシュ・ウェストモアランド 
出演 : ジュリアン・ムーア  アレック・ボールドウィン  クリステン・スチュワート  ケイト・ボスワース  ハンター・パリッシュ 
  • ポニーキャニオン
3.53
  • (11)
  • (60)
  • (57)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 286
感想 : 66
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013432482

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 言語学者が認知症になり毎日何かを忘れていく…最後に言語学者はどんな言葉を心に残すのか…
    病気を理解することも大切。理解して安心だけでは当事者は報われない。サポート体制をしっかりしないと生活ができない。知って区分することは福祉ではないよね〜 その人にどこまで寄り添えるか…皆深く考えないといけないんだな〜 誰だって病気になりたくないし自分は違うと思い込んでいるだけ。その日がきてからでは遅いから今、福祉を考えないと大変だよ。

    ぜひ〜

  • 言葉を忘れていく、その当事者が言語学で功績のある教授だというのが、何とも人間の悲哀を表しているかのよう。
    家族性というのがさらに辛い。
    だけれどこの家族の温かさが救い。良い家族だ。
    全体的に一本調子な感があるというか、起承転結でいえば『転』の盛り上がりに欠ける気がしなくもないが、
    認知症当事者としてスピーチの壇上にあがるシーンは印象的で、名スピーチ。

  • 学者であり、3児の母であるアリスは、50歳の若さでアルツハイマーを発症してしまう。
    進行していく病気に、彼女は症状が悪化しているであろう未来の自分に向けてビデオメッセージを作成する。
    そのシーンが最も切なく感じられた。
    自分の症状が悪化し、いずれは色々なことを忘れてしまうでろう病気を理解するというのは想像を絶する。
    ましてや50歳という若さで。

    アリスの「癌の方が良かった」というようなセリフには、少し同調してしまった。
    勿論、癌のように痛みはないし、つらい治療もないかもしれない。それでも、記憶を失くしていくことは肉体的な痛みと比較できないものだろう。

    次女のリディアがとても優しい子で、救いになった。
    切ないけれど、愛があればよい方向に向くのかもしれない。

    色々と考えさせられる内容だった。

  • 地位も名誉も財産も能力も家族も冥土には持って行けなくて、死ぬときには我が身一つで行くしかない。
    仏教の経典「修証義」にそんな一節がある。
    生きていると色々なものが増えていって、自然とたくさんのものを背負ってしまうけど、はたして生きるってそういうことなのか?
    そんなことを考えました。

    著名な言語学者が若年性アルツハイマーになる話。
    知識と知性をアイデンティティとして生きてきて、
    自分のキャリアに自信と情熱と愛を持っていて、
    人生のすべてを賭けてきたものが、徐々に消えていく。
    言語学者なのに言葉が出てこないのは苦しい。
    プライドも何も無くなってしまう。

    仕事もプライドも自信もやりがいも無くして、
    唯一残る財産は家族だけになったところで、
    遺伝性であることを知らされて、
    子供たちに謝るところは辛かった。

    「ガンのほうがましだった」
    余命だけじゃない。
    自尊心はどこまで傷つけられるのか、
    それにいつまで耐えなくちゃいけないのか、
    耐えなくていいぐらい病気が進行するのはいつなのか、
    家族に不名誉な姿をどれだけ晒すのか、
    家族は何回失望したら終わりが来るのか。
    今のままでも、先へ進んでも希望が無くて
    とにかくずっと、本当にずっと苦しかった。

    これでもかっていうほどの悲劇。
    なのに全編にわたって穏やかな空気が流れているのはなぜなんだろう。
    家族の愛情、夫婦の愛情、主人公の希望、そんなのじゃないと思う。
    家族や夫婦だって耐えきれなくなるところはあるし、永遠かつ無尽蔵な愛情なんて無い。
    主人公だって希望を持ち続けることなんて出来ないし、いずれ希望か失望かすら分からなくなる。
    それでも穏やかで暖かい空気があった。

    「いずれ忘れる。それでも思い出を作りたい。今日のこの時を大切にしたい。」
    私たちは何を求めて生きていくんだろう。
    死ぬときには何の価値も無くなるものを
    たくさん生み出し背負うために生きているのか。
    未来も一歩先もどうなるか分からないけど、
    ただ目の前の一歩を丁寧に踏みしめたいと思う。

  • -「癌のほうが良かった」っていうのは本当にそうなんだろうな。アルツハイマーほど進行していくことによってできなくなることの表面化が分かりやすい病気はないのかもしれない。
    -アリスを見ながら次は何を忘れてしまうのだろうと、見ながらドキドキしてたってのが感覚として近い。毎シーン何かができなくなる度に周りの家族と同じように悲しい気持ちになる。
    -最近は結構身近になってきている病気だし、見たことある人も多いからか、それが若年性で起きたらっていう設定は「自分だったらどうするんだろう」というふうに考えずにはいられないんだろうな。
    -遺伝するから子供に検査するよう頼んで長男は陰性、長女は陽性、次女は検査しなかったというあのシーンは何気に結構ぐさっとくる。結婚して幸せの絶頂だった長女とかはどう思ったんだろう。そして何より一番近くに寄り添ってくれていた次女が舞台のステージから降りてきた時、娘だと認識できなくなってしまったシーンは悲しくて仕方ない。

  • 邦題にガッカリとすることがある。例えばジャック・ニコルソン主演の「As good as It Gets」が良い例で、邦題の「恋愛小説家」にガッカリを通り越して、怒りもしたし、呆れもしてしまったのだが、「アリスのままで」は良い邦題だと思っている。ここで言う良いとは鑑賞者にとって良いという前提で話を進めると、良いタイトルの条件の一つとして多義的な解釈ができることを挙げたい。

    「アリスのままで」に込められた意味として、アリス自身にとってアリスのままということ、他者(特に家族)にとってアリスのままということ、の二点あって、一人の人間の色々な役割や、生死の対比が描かれていて興味深い。若くしてアルツハイマーになったアリスは自分が自分でなくなっていくことを怖れ、病状が悪化した未来の自分に向けて尊厳死を遂げるための方法をPCに保存する。病状が進行したある日、彼女は保存したファイルを偶然見つけるが、その病状故にファイルに記録された内容を実行しようにも、その内容を覚えることすらできない。言語学者(職業人)として輝かしいキャリアを掴んだ彼女は、その自分のまま、つまり「アリスのままで」死ぬことはできないのだ。

    彼女の病状が進行しようと、変わることなく彼女に愛を注ぎ続ける人がいる。残念ながら、家族の中にも彼女との接し方や距離感が変わっていく人もいるが、一番衝突していた次女は、かけがえのない母親のまま、つまり「アリスのまま」接し続ける。母親(家庭人)としてのアリスは、愛娘のためにも生き続けるべきなのだ。

    「21グラム」を観たときにも書いたが、生きる意味というのは、自分だけでなく、死ぬことで何らかの思いを抱く他者が決めていて、自分の命は自分だけのものではない。もっと言うと、生きているだけで意味があるということだろう。これが本作のテーマとすれば、多義的な解釈でテーマを浮かびあがらせる「アリスのままで」という邦題は、やはり良いタイトルなのだ。

  • BSプレミアム録画>てっきり実話ベースの話だと勝手に思い込んでいたので、この人の結末どうなったの?とはっきりしなかったのでモヤモヤした(^^;)。
    同名小説の映画化だったらしい。
    言語学者なんて聡明な女性だけに若年性アルツハイマー病を患うなんて余計に辛かっただろうに。。
    どんな境遇であろうと若年層~この病に冒されてしまうのは辛い。
    本人が辛いのは基より、周り(家族や近所,周辺に住む地域の人達)のサポート(介護)があってこそ…。
    老齢による認知症もそうだが、人事だと思わず、この病気に対して理解が必要。もっと周知すべきでき事だと思う。
    介護業界に僅かながらも携わった身(自分)としては、こんな事:日常のでき事は当たり前なお話で、もっと理解に苦しんだり想像もつかないようなでき事も沢山起こり得る。当事者ご本人も苦しんでいるんです。こちら:サポートする側も辛いけど、寄り添う気持ちが大切。(相手が誰かも解らなくなる=身内だと辛いが、認識できたりorできなかったりとまばらに→症状が進むと完全に失認状態に。徐々にもう誰でも良いじゃんと思うようになる^^。近くにいて面倒見てくれる人だけでもOKに◎)全く知らない他人の方が、むしろ接し易い。
    こちらは映画なだけ、割とリアル路線で綺麗目に描かれてはいるような気が(;´∀`)。。
    ここ最近はアルツハイマー病に効く(病状の進行を遅らせる)新薬も出てきてはいるよう…まだ特効薬とまではいってない?ようですが。。
    病状が進行していく病気なだけに、当人が段々とできなくなっていく事象が沢山でて来ます。(否定・批判したりせず寛容な心で)その人:当人の尊厳を尊重し、受け入れ、「その人らしい生活」を最期まで見届けていくのは大変な事です。。当人も大変でしょうけども。。
    再度、考えさせられるお話でした。

  • 人ごとではないのです
    人格が変わるというか
    違う人になるというのか
    本能的になるのか
    感情はどうなんだろう
    喜怒哀楽に消えてゆく順番はあるのか

    接する側は成す術はないのか
    もっと… もっと知りたい

  • 自分が主人公だったとしたら、きっと彼女のような希望を持っただろうと思います。自分が築き上げてきたキャリア、家族をどんどんと忘れていってしまう。耐えられないです。そして、周りの家族の気持ちが、どんなものなのかも考えさせられました。同居している高齢の母が、日々衰えていく姿を日々見ている感じている私ですので、本当に考えさせられます。

  • 「なくす技」を習得していく日々。
    診断がきちんと下る前、不安な気持ちが溢れて声を上げ泣くアリスが印象に残りました。

全66件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×