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感想・レビュー・書評
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統合失調症のハウス加賀谷さんの病気の発症から芸人復帰までの道のりを書いたもの。
家族に統合失調症がいるので、他人事ではなく読ませていただきました。症状がどんなに重くなってもやりたい事がはっきりしているからこそ踏ん張れた、加賀谷さんの頑張りに拍手です。これからもみんなに笑いを届けてほしいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お笑いコンビ「松本ハウス」のボケであるハウス加賀谷の統合失調症闘病記。紙の書籍が発行されたのは2013年8月だが、入院のため休業していたのは1999年から2009年までの10年間。現在は復帰して、病気をネタにしたコントもやっているようだ。
入院前に出演していた「ボキャブラ天国」などは一時期ブームになっていたので、さほどお笑い好きというわけでもない私でも一応彼らのコントに覚えはある。ある程度の著名人が自分の体験を語っていることから、統合失調症という病気がどんなものか紹介する意味でも良い本だと思う。
もちろん精神病の多くは症状に個人差が大きく、彼の体験が一般的かどうかはわからない。また、本当に症状が重い状態のことは恐らく本人も文章にできないので、ある意味当たり障りのない説明になっているかもしれない。その辺りは踏まえて読むべきだろう。
本書によれば、小学生時代の彼は中学受験のためテレビも見せてもらえず、塾通いばかりの日々だったそうだ。勉強漬けの毎日の中で少しずつ病んでいった様子が描かれており、人によってはそれが病気の原因だと思うかもしれない。しかしそのような素人判断はすべきでない。
私たちが本書から読み取るべきことは、病気の人がどんな思いをしているのか、少しでも想像してみることの大切さだろう。精神病患者の言動は異様であるが、ただ異様な存在として見るのではなく、外からは見えにくい内面が存在することを忘れないようにすることだと思う。 -
これも一つの浅草キッド
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内容としては、加賀谷さんの統合失調症としての半生を綴ったもの。
「一般の方」が持ち得ないであろう認識や感覚が可能な限り言語化されていて、その症状の辛さ・苦しさを垣間見ることができたように思います。
この本から何を得るかは人それぞれかなと思いますし、そもそも手に取る目的によりけりかなと思います。
個人的には、「統合失調症」に限らず何かしら病気と診断されたかどうかの0/1の話ではなく、誰もが大なり小なり精神的な課題を抱えている/抱えうる中で、どのようにして共生していくかを考えるきっかけ・観点を与えてくれたように思います。
(本書で描かれているような症状の一部だけでも、大なり小なり誰しも少し心当たりがあるのではないかと思います。) -
統合失調症のハウス加賀谷さんの自伝的な物語です。
統合失調症の人には閉鎖病棟入院中何人も出会いました。夜中に寝ているところを起こされて「タバコ吸いに行こう。」と誘われたり、ゴミ袋に荷物を全部詰め込んで「俺、これから退院するから」と真夜中に言ったりしていました。
閉鎖病棟入院まで経験したハウス加賀谷さんがまた舞台の上で相方の松本キックさんと松本ハウスと言う名で漫才をしているというのをEテレの「バリバラ」で見て信じられない!!と思った記憶がありました。そこからこの本を読みだしました
何らかの症状で入院レベルにまでメンタル病むと、症状なのか薬の副作用なのかはわかりませんが、物覚えがガックリ悪くなるのです。それを私自身が実感していたからこそ、漫才の台本を覚えて舞台の上に立つ。という事がものすごい事だと信じられない!!と思ったのです。
幼少期や陽性症状の出始めた学生時代の話も載っていて、統合失調症を経験したことのない私にも幻聴、幻覚がリアルに伝わってきました。 -
作者の経験が自分のことの様に伝わってきて面白い。応援したくなる。良書。