紅霞後宮物語　第二幕 (富士見L文庫) [Kindle]

著者 : 雪村花菜

• KADOKAWA (2015年10月20日発売)

感想・レビュー・書評

[有穂さんの感想 · 2015年11月23日]

１作目よりも一頁当たりの文字圧が倍増していました。
一冊にダイジェスト版を詰めた一巻とは違って本腰を入れて書きはじめた感じで、文林の人となりもとい報われないドM精神にじっくりと向き合わされて、ふふふふふという心の中の期待と悪意が沸き上がって止まりません。

事件的にはなんだかあっさりあっけなく収集されてしまった気がしますが、人物視点だから国や世界視点のような大きなものにならなかったのかな。

ことがうまく進みすぎている気もするので、そろそろ困難にぶち当たって壁を見上げる主人公たちが見たいです。
もちろんちゃんと乗り越える前提で。

外国も視野に入ってきて次巻も楽しみです。

余談ですが、誤字誤植がいくつかあったのが気になりました。人物名の鳳凰は使い間違っちゃだめだべ。校正さんー。

著者プロフィール

2014年、『生生流転』で瑞々しい人物描写と緻密かつ魅力的な世界設定が評価され、第２回ラノベ文芸賞金賞を受賞。改題及び改稿を加えた本作でデビューとなる。

「2023年 『紅霞後宮物語　第零幕 六、追憶の祝歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」