具体と抽象 [Kindle]

著者 :
  • dZERO(インプレス)
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感想・レビュー・書評

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  • audibleにて。具体と抽象の行き来をすることに苦手意識があり手に取った本。抽象を頂点に置いたピラミッドを想像すると非常にわかりやすい。
    私の場合は頭の中で整理するだけではうまく整理できないので、物理的に書いていき具体と抽象の往復の練習をするのが良さそう。
    あらゆる体験も、抽象化することで見えてくるパターンを抽出して、本質を言語化することを実践していこう。

  • 抽象と具体の思考を往復することが重要。
    複雑な事象から本質レベルで共通点を見出せる人は抽象度が高い人。
    抽象度の高い視座を持つ人と、具体レベルの視座を持つ人は、見ている世界が違うので議論が噛み合わないこと。

    抽象化能力を身につければ、異なる事象から共通のパターンを見つけることができるが、何でもそのパターンに事象を当てはめてしまう弊害もある。

    身近な人でとても抽象化能力の高い人がいて尊敬しているが、この本を読んでその人の頭の構造が少し分かった気がする(少しでも近づきたいが)。。

  • 新しい視点を得ることができた。

    議論する際に抽象レベルの高い人と具体レベルの高い人とでは、話がかみ合わない。うっすらと日常生活で感じていたモヤモヤを、この本が少し整理してくれた。

    以下引用多数。
    膨大な資料を前にしたときに、様々な抽象レベルで理解しておくことが重要。具体的にしか理解していない人は、かいつまんで話すことができない。抽象化して理解している人は、場面場面での目的に応じて物事の幹と枝葉を見分けて、要点を掴んで効率的に情報処理をすることができる。

    他人の話を聞いたとき、抽象的すぎてわからない、というのは、小金持ちが大金持ちを笑うようなもの。人間は一人残らず抽象概念の塊だが、自らの理解レベルよりも上の抽象度で語られると突然不快になるという性質を持っているようだ。

    二者択一と二項対立の違いについて。AもしくはB。北なのか南なのか。
    どちらかを選ぶのか。方向性を選択するのか。

    思考の整理をするときのツールとして使っていきたい。なるべく抽象度の高い考えを理解できるようになりたいと思う。

  • Audibleにて。
    ・抽象と具体は相対的なもので、あるものが抽象的か具体的かは文脈や立場によって変わる。
    ・抽象と具体はセット。具体的なものだけ、抽象的なものだけ考えてはいけないし、そもそもそういうことはできない。意識的に抽象と具体を行き来することが大事。
    ・二項対立と二者択一は違う。抽象的に思考できれば、対立する軸のなかから中間的な結論も得ることができる。
    ・抽象と具体の世界の境界にはマジックミラーがある。抽象からは具体も見ることができるが、具体の世界にいる人からは抽象の世界が見えない。
    ・抽象的なレベルで「見えるようになってしまった」人にとって、具体の世界にいる人の言動はもどかしく感じられる。ただ、抽象の世界も階層構造であるから、その人もさらに上のレベルの抽象の世界は見えていないのかもしれない。
    ・この人の言うことはよくわからないな、と思ったら、それは、自分がそのレベルの抽象的な理解をできていないからだ、という可能性を考える。

    他者とのやりとりをする際に、具体・抽象のレベルは人によって認識が異なるので、そのレベルのすり合わせが重要。
    たとえば具体的な事柄を列挙した後に、それらの共通点を見出すような場面では、抽象化のレベルをどうするかについて認識を一致させておくと議論が進みやすいだろうと思った。

    抽象化思考は人間だけが持つ高度な思考様式だ、といった言説が所々にあり、それはちょっと余計だなと感じた。

    著者はおそらく同様のテーマで複数冊書いているようなので、その中でもさくっと読めそうな本書を読んでみた。もう1冊くらい読んでみようと思う。

  • この本の良さを抽象的に言いますと「読み終わった後に効果を発揮する本」という所でしょうか。具体的に言いますと「四コマの猫カワイイ」です。とにかく面白かった!超オススメです!

  • タイトル通り具体と抽象についての本
    抽象の方にフォーカスを当てているが、抽象化を一辺倒に推すのではなく、短所や具体化との関係性についても述べられている

    さらっと読めるが内容はかなり良い
    オススメ

  • 名著!!とても良かった。具体と抽象という観点でこんなに広範囲の事象をきれいに整理できたのか、と感動の連続だった。

    いつもあの人と話がかみ合わないのは抽象度の尺度が違うからか、とか。あの人が文句ばかり言うのは具体で物事を捉え本質を理解していないからか、とか。

    抽象度が高いほど本質的、とか。

    大きな組織であれば、下流(具体)は大人数・効率性、上流(抽象)は個人・独創性が求められる、とか。

    アナロジーは抽象レベルの真似、とか。

    最小限にまとめられ読みやすいのもすばらしいと思った。今後の思考が楽になる本に出会え嬉しい。

  • 私の場合、抽象化が得意で、
    それを説明するのに苦労している方かも。

    具体と抽象はマジックミラーで
    具体しか見えていない人には
    抽象は見えない。

    抽象化にもレベルがあることや
    抽象化する場合の注意点など参考になった。

    具体と抽象に絞って
    丁寧に書いてあるのが良かった。
    誰が読んでもわかりやすいと思う。

  • めちゃくちゃ参考になった本でした!
    抽象と具体とは何か?から始まって、日常やビジネス上での出来事がどう抽象・具体の関係になっているのかやそれぞれの特徴を説明している。
    例えば上司とのやりとりでよく起こるコミュニケーション齟齬を抽象・具体で説明していて非常に参考になった。
    大事なのは抽象的なことを考えられるようになることではなく、抽象と具体をそれぞれの特徴に応じて使い分けること。

    なるほどなーと思ったのは以下項目。
    ・抽象とは、名詞というか、物事のみではなく関係性や構造も表現していること。反意語や部分集合という概念は、個別のものたちの関係性を抽象化させたもの。
    ・上司(や同僚)と話が噛み合わない場合、抽象度が一致していないことが多い。上司はより抽象度の高い、上位の目標を見ていて、自分は下流のものを見ている。
    ・「顧客の声を聞け」「顧客の声を聞くな」という、正反対のアドバイスがあるが、実は言いたいことは一致してる。「顧客の声を聞くな」というアドバイスも実は「顕在化していない顧客のニーズを掴む」ことをしているので、顧客の求めるものを追求すること自体はどちらも同じ。「顧客の声を聞くな」というのは抽象度の高い顧客の声を反映させている。
    ・部下に指示出しをする際は、相手が好む自由度の高さを意識する。
    ・仕事のフェーズにおいて抽象・具体の度合いの判断が必要になる。上流の仕事の場合は抽象度高く・少人数・多数決では決めない。下流の仕事の場合は具体度高く・分業可能・効率重視・多数決
    ・誰にとって?という目線によって抽象・具体の判断は変わる。
    ・抽象レベルのモノマネをすること。具体レベルのモノマネはパクリになってしまう。
    ・抽象化力を高めるには、さまざまな経験で得た情報の整理・構造化・要約を行う。かつそれをさまざまな抽象レベルで行う(1分、3分、30分で話す)
    ・ルールや理論の作られ方
    具体→抽象の順番。だが、抽象の一人歩き(ルールが絶対化してしまう)や、具体の一人歩き(下された目標数値が絶対的なものになってしまう)が起こる。
    ・計画と行動について
    長期的なものは抽象的な目標、短期的な手段や行動は具体的なレベルで策定すると良い。

  • 人の話が分からない、自分の話が伝わらないのは、物事の見え方、抽象度が異なるから。自分が相手に伝えることを苦手だと感じるのは、抽象化できていないからだと分かった。当たり前のようだけど、普段は意識していなかった視点だった。物事の見え方が変わっていきそう。何度も読み返したい。

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著者プロフィール

細谷功(ほそや・いさお):1964年生まれ。ビジネスコンサルタント、著述家。問題発見・解決や思考力に関する講演や研修を国内外で実施。『仕事に生かす地頭力』(ちくま文庫)、『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(共に東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『思考力の地図』(KADOKAWA)等著書多数。

「2023年 『やわらかい頭の作り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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