具体と抽象 [Kindle]

著者 :
  • dZERO(インプレス)
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感想・レビュー・書評

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  • 具体と抽象という2つの概念をわかりやすく解説してくれる本。とても面白い

    ・抽象化とは、枝葉を切り捨てて幹を見ること。
    ・要点を押さえようとするだけで抽象化の一歩になる
    ・共通点を探して抽象化すれば様々な事象に転用できる
    ・意見の対立の原因は視点の違いのケースがある
    ・抽象的な質の上流と、具体的な量の下流

  • 抽象化についてはなんとなく頭では理解していたけど、言語化されてることで頭の中で整理することができた。

    特にコミュニケーションの齟齬は、抽象化のレベルで変わってくるんだなと思った。
    話す相手の抽象化レベルによって、抽象度の上げ下げが出来るようになりたい。

    経験や本、映画を見るなどは、視野を広げて抽象度を上げる練習にもなるということで、もっと積極的にやっていきたい。

  • 日頃頭の中でなんと無くやっていた、物事の具体化と、抽象化を本書を読む事でそのやり方と、各々の特性の違いに気づけた。
    人と話しが噛み合わない時、今迄どうすれば良いか思考錯誤してきたが、抽象化レベルを合わせるという視点がとても勉強になりました。
    あらゆる物事の考え方の基本を学べる良書でした。

  • 抽象と具体をいったり来たりするのが苦手な気がして読んでみた。あまり考えたことがないトピックだったのでとても刺激になった。抽象化することで、ひとつの事象で得た学びを他にも活かせる、というのができるようになりたい。

  •  世の中、「わかりやすい」ことが美徳とされ書店を席巻する中で、社会が成熟期に入った現在に「不連続な変化を起こすために必要な知的能力」(P.3)として必要な『抽象概念』を扱っている本である。「具体と抽象の行き来を意識することで、間違いなく世界が変わって見えて」(P.15)くる という主張の下、抽象的に考えることの良さと、それをどう扱えばよいかを議論している。

     抽象化とは、「さまざまな特徴や属性を持つ現実の事象のなかから、他のものと共通の特徴を抜き出して、ひとまとめにして扱う」ことである。「どんな特徴を抜き出すかは、そのときの目的や方向性によって変わって」くる(P.26)。
     その時々に何が具体で何が抽象かは「相対的な関係」(P.45)で、「手段と目的の関係も、すべて相対的」(P.47)である。

     抽象の良いことは、「解釈の自由度が高く、人によって解釈が大きく異なる場合があ」り、「解釈の自由度が高いということは、応用が利く」(P.16)ということである。また、議論がかみ合わないのは、「「抽象度のレベル」が合ってていない状態で議論している(ことに両者が気づいていない)ために」(P.52)発生する。

     「「抽象度」や「自由度」という視点で仕事を考えられる人なのかどうか、それを頼む側と頼まれる側の双方で十分認識して仕事の依頼をしているかどうかで仕事の成否が決まる」(P.63)。具体的には、「上流の仕事(抽象レベル)から下流の仕事(具体レベル)へ移行していくにともない、仕事をスムーズに進めるために必要な観点が変わっていく」(P.65)のであり、「上流の仕事は個人(さらにいえば、最上流は一人)の作業から始まって、次第に参加者が増えていき」、「上流で重要なのは個人の創造性で、下流で必要なのは、多数の人数が組織的に動くための効率性や秩序であり、そのための組織のマネジメントやチームワークといったものの重要性が相対的に上がって」いく。そして「上流では個性が重要視され、「いかにとがらせるか?」が重要なため、多数決による意思決定はなじ」まない。「逆に下流の仕事は、大勢の人にわかりやすいように体系化・標準化され、また、どんな人が担当してもスムーズにいくように、各分野の専門家を含む多数の人が目を通す(管理する)必要が生じてくる」(P.67)のである。
     
     抽象化の主要な応用先はアナロジーである。「アナロジーとは類推のことで、異なる世界と世界のあいだに類似点を見つけて理解したり、新しいアイデアを発送したりするための思考法」であり、「創造的に新しいアイデアを生み出すためにも用いることができ」(P.87)る。

     「最も理想的なのは、具体レベルと抽象レベルを階層化させ、「つながった目標」になっていること」(P.103)である。

  • このひと言葉がおかしい

  • 具体と抽象の関係性、構造、、、なるほど祭りですんごい感動した…と同時に、読みながら自分のレベルや視座の低さも痛感した。

    まだつかみきれてない所はあるが、自分の抽象度も上げたいし、具体と抽象を行き来したり、考え方身につけたいなぁ、と思う。

    思考レベルが上がった時や、また読み直したときには違う気づきがありそう。要再読。

    ゆるい猫の絵もあって可愛い。三角形が好きになった。9章の自由度とかめっちゃ好き。

    ---めも---
    ・具体↔抽象の関係はどこまでも続く
    →Aさんにとって抽象だとしても、Bさんにとって具体かもしれない。
    →上の人から「いや、論点そこじゃないんよな」みたいな言われるのって、これかもしれない。自分の視座の低さ
    ・抽象レベルの視点、具体レベルの視点
    →会話が噛み合わないのは見てる視点が違うから。
    ・目的は常に、さらに抽象度の高い上位目的が存在する

    ・哲学/理念/コンセプト→個々だとバラバラに見える具体レベルの事象に統一感や方向性を与えること、ベクトル
    (→今までこの必要性は分かってるのに、哲学にあたる部分がまとまってなかったから、ずっとモヤモヤしてた!)
    ・哲学/理念/コンセプトがあると無駄が無くなる。判断もしやすく効率的。

    ・マジックミラー的な感じで、上から下は見えるけど、下から上は見れない
    →自分の抽象度を高めるしかない

    ・起業家が失敗でへこたれない理由
    起業は最上流の仕事

    ・抽象と具体、共通と相違
    抽象度の高い共通点を考える

  • 会話が噛み合わない、ということがよくある。その原因のひとつとしてあるのが、お互いに話している抽象度が異なる、という点があげられる。会話において、抽象度を意識することで、その噛み合わない原因が理解できる。抽象的であることと、具体的であることを、意識使い分けられるようになると、いいと思う。ビジョンのようなものは、より抽象的に、達成させたい目標は、より具体的に。そういったことに気づかせてくれた。
    audibleで聞く。

  • 確かに、話が合わないというのはこの本が示すような具体派と抽象派のギャップかも、と思いました。かなり説得力があります。しかし、ギャップを色々な面から説明する本書を読んで、「結局、具体的には何が言いたいの?」と読了後に思ってしまった。

  • 思考術の本は山のようにあるけど、声を出して笑ったものは初めてかも。抽象的思考とはなにか、という概念(抽象)を町長と部下の猫との会話、しかも漫画で具体的に説明する。面白かった。抽象度の高い話ができる人、基本的には好き。でも、過ぎると観念的過ぎたり、行動が伴ってなかったりして、イライラもする。大切なのは、自由に具体と抽象を行き来することだと思う。これは、心理臨床でも大事。具体ばかりを話す発達特性の強い人たちの臨床では特に。

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著者プロフィール

細谷功(ほそや・いさお):1964年生まれ。ビジネスコンサルタント、著述家。問題発見・解決や思考力に関する講演や研修を国内外で実施。『仕事に生かす地頭力』(ちくま文庫)、『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(共に東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『思考力の地図』(KADOKAWA)等著書多数。

「2023年 『やわらかい頭の作り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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