- Amazon.co.jp ・電子書籍 (245ページ)
感想・レビュー・書評
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何がキッカケだったか、苦手と思い込んでしまった村上春樹。
ファンが多いからなんとなくヤ!というような天邪鬼な感情もあったかもしれないけれど。
そんな思い込みを払拭してくれたエッセイ。自然に見えるくせに鋭くて気付かされるコト満載の、軽やかな文体に、ゲンキンなものであっさり、すっかりファンになってしまった。
彼の凄さはとても多くの人がとても多くの言葉で論じていると思うので、今更、ここでとやかく言うのも憚られるけれども…
ああ、そうだよなぁ(行ったことないけど)、多分こうなんだろうなぁ、と思わされるアメリカの描写に何度も感嘆。
あーだよ、こーだよ、と客観的風に論じた文章は多いけれど、彼の目の付け所や語り口は意外と素直に「僕」目線。「僕にとってはこうなんだ、でも押し付ける気はないからよろしくね」とでも言いそうな雰囲気。「ドント・テイク・イット・パーソナル」なんてわざわざ書いてあるのに思わず笑ってしまう。
無理のない自然体に見えるその「僕」目線につい共感したり、納得させられたりするところがきっと、隠れたワザとか凄さとか、で、それが人気のヒミツ、だったりするのかもしれない。
思わず「そうそう!」と頷いてしまった箇所は多々あるけれど、私が一番、共感したのは
『10人のうち8,9人が「まあ悪くない」と思うより、大部分の人が気に入らなくても10人のうち1人か2人が本当に気に入ってくれる方が却って良い結果をもたらすこともある』
という意味のことが書いてある箇所。
つい、八方美人を目指してしまう。
つい、臆病風に吹かれて多勢に阿りそうになる。
しかも、その方が実際、無難なことも多かったりして…
「そんなのは、ケシカラン!」調ではない筆致がイイな、と思う。
却って良い結果をもたらすこと「も」ある。
あくまでも「僕」の場合。
もたらさないことだってあるよねぇ、、、
貫いてしまった結果、誰にも評価されないかもしれないし。
でもゼロはないんだな、と、ふとそんなことに気付かされたりする。
少なくとも自分自身は気に入ってあげられる。
できそうでできてない、イチバン大事なこと。
やりたいことしかやらない、思ったことしか言わない、というのは存外、難しいもの。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この方の文章はいつも自然体ですごく親しみを感じる。いくつになっても「男の子」でいたい。その3要件がまた可愛い!なんと、スニーカー、床屋、言い訳をしないことなんだそう。米国プリンストン大のあるケンブリッジでの自然な生活がこの著者には非常に似合う。そこで出会った日本人エリートたちの日本の出身大学、所属役職、そして何と入試偏差値の話が出てくるという姿には同じ日本人として恥ずかしささえ覚えた。米国人学生たちが、庄野潤三「静物」、安岡章太郎「悪い仲間」「海辺の光景」、吉行淳之介「木々は緑か」を読んで日本語のレポートを書く!脱帽である。この吉行の文を英語訳で読み、それを再び日本語に訳しなおして、原文との読み比べが出てくる。そこから出てくる日本文の特徴が面白かった。
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著者の外国(アメリカ)での生活が綴られている。
日本との文化や考え方の違いが興味深い。私の勝手に持ってるアメリカの大衆的なイメージに合うもの、合わないものあり。
ちょっと頭の変な人がホラー映画の監督に自分のアイデアを盗作したと訴えている話は、今の日本に通じるところがあった。ほどほどの人間関係、ほどほどのご近所付き合いが肝要である。
外国のマラソン大会は前日まで申込みが可能らしい。 -
作者の海外を放浪する感覚が自分の求めているものと合っていたので結構好きだった。
感覚的な部分をよく言語化してくれていた。 -
特に「ロールキャベツを遠く離れて」がめちゃくちゃ良かった。
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エッセイも愉快でいいです。
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村上春樹さんがほんとに好き、、!
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村上春樹云々より、シンプルに異国で生活することに憧れる。