学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫) [Kindle]

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  • 世界情勢を学ぶたびに、歴史の教科書に書かれてることは決して他人事では無いと思い知らされる
    何回も繰り返して読まないと覚えられなさそう

  • 国際関係の現代史を分かりやすく解説する。いつも池上さんの話は分かりやすい。

  • 読みかけであったことをすっかり忘れていた(^^;
    慌てて読了
    あいかわらず分かりやすい
    とっかかりには最適だし、このくらいは頭に入れておかなきゃなー

  • 目次
    1:東西冷戦 - 世界はなぜ2つに分かれたのか
    2:ソ連崩壊 - 社会主義の理想が「怖い国」になるまで
    3:台湾と中国 - 対立しても尖閣で一致するわけ
    4:北朝鮮 - なぜ核で「一発逆転」を狙うのか
    5:中東 - 日本にも飛び火?イスラエルやシリアの紛争
    6:キューバ危機 - 世界が核戦争寸前になった瞬間
    7:ベトナム戦争 - アメリカ最大最悪のトラウマ
    8:カンボジア - 大虐殺「ポル・ポト」という謎
    9:天安門事件 - 「反日」の原点を知っておこう
    10:中国 - 「経済成長」の代価を支払う日
    11:通過 - お金が「商品」になった
    12:エネルギー - 石油を「武器」にした人々
    13:EU - 「ひとつのヨーロッパ」という夢と挫折


    1:東西冷戦 - 世界はなぜ2つに分かれたのか
    冷戦:
    第二次世界大戦後、ドイツが占領していた欧州地域を西側を米軍が、東側をソ連軍が占領し、共産主義のソ連側は西側諸国との交渉を断ち、にらみ合いが続いた。
    元々、第二次世界大戦後の「分け前」を取り決めたヤルタ協定では、自由選挙を実施して国民を代表する政府を作る約束であったが、ソ連が隣国に敵国となりうる国を置くことを恐れ、ヤルタ協定を破り、周辺国を自国に取り込んだのが発端。
    お互い牽制するために軍事力を強化。それが核開発。その過程でインターネット技術も生まれる。

    戦後のドイツ:
    ドイツの西半分を米、英、仏で、東半分をソ連が占領。東側にある首都ベルリンは共同管理ということで、
    ベルリンの西半分を米、英、仏で、東半分をソ連が占領。
    ソ連は社会主義国家のため、紙幣を全て管理したため、西側は独自通貨を発行。
    社会主義に嫌気がさした東ベルリン市民が西ベルリンに逃げ込むので、東ドイツは「ベルリンの壁」を建設。

    北大西洋条約機構(NATO):
    巨大なソ連やその衛星国から西側諸国を守るために、集団的自衛権に基づいて組織された。(米、英、カナダなど)
    一つの国が攻撃されると、一緒になって反撃する体制。

    ワッルシャワ条約機構:
    NATOに対抗してソ連も集団防衛体制を築く。

    ベルリンの壁崩壊:
    1968年のチェロスロバキアで民主化運動を発端に、東欧のハンガリーが民主化の流れを経て、東ドイツが国境を開放。ベルリンの壁が崩壊され、ドイツは統一された。

    ソ連崩壊:
    国内でもゴルバチョフ書記長らにより民主化が進み、1991年にソ連が崩壊し、ロシアとなる。

    2:ソ連崩壊 - 社会主義の理想が「怖い国」になるまで
    ソ連が目指したもの:
    資本主義に代わる社会主義国家。

    レーニン書記長時代:
    多数の資本家を処刑し、反対派を抑えるために、言論の自由も取り上げた。

    スターリン書記長(冷戦)時代:
    スターリン書記長は疑り深い性格で、少しでも「陰謀」だと思えば、逮捕・処刑した。
    農業集団化の失敗。失敗したことを秘密にし、他国(アジア、アフリカ)に大きな傷跡を残した。

    プラハの春(1968):
    チェロスロバキアで民主化運動に対してワルシャワ条約機構軍が介入し、改革を押しつぶした。
    アラブの民主化運動を「アラブの春」と呼ぶのは、ここからなぞらえたもの。

    ゴルバチョフ書記長時代(1985):
    ペレストロイカ(立て直し)を提唱し、秘密主義を止め情報公開、外交も積極的に冷戦停止に向けて働きかけた。

    ソ連崩壊後(1991):
    ロシアのエリツィン大統領が急激に資本主義への転換を行い、その後継としてプーチン大統領が選出。
    石油価格の高騰によりロシア財政は豊かに。
    支持者も多いが、批判する者に対して、逮捕したり暗殺したりという事態も起こっている。


    3:台湾と中国 - 対立しても尖閣で一致するわけ
    尖閣問題:
    東シナ海の尖閣諸島について、日本に対して台湾と中国が「自国の領土である」と主張している。
    中国政府は尖閣諸島が台湾に属する島であるという見解を示しているが、台湾が独自の主権を主張することを嫌っている。

    日清戦争(1894〜1895):
    中国に勝った日本は「下関条約」によって台湾を割譲される。
    台湾で反抗する者に対して日本の軍隊は鎮圧(1万人を超える住民が戦闘で死亡)する。
    しかし、日本の技術移転により産業や教育が改善、出生率や死亡率も改善した。
    そのため、韓国や中国と比べ反日意識が低い。

    日本の太平洋戦争敗北後:
    日本は台湾を放棄、中華民国に渡される。
    中華民国の国民党統治がひどかった点からも、反日意識が低い理由となっている。
    国民党は共産党との内戦に敗れ、約200万人が台湾に移り住んだ。
    共産党の毛沢東の手で新たに中華人民共和国が成立を宣言し、台湾の解放のために攻め込もうとした時に、
    朝鮮戦争(1950)が始まり、北朝鮮を支援する立場となり、その間、米国が台湾を守る姿勢を取る。
    国連が中国を中華民国(台湾)ではなく、中華人民共和国を選ぶ。
    中華民国(台湾)は国際的に孤立する。

    中華人民共和国と台湾は特殊な関係で、台湾は独立を宣言しないだけで、独立したようなもの。

    4:北朝鮮 - なぜ核で「一発逆転」を狙うのか

  • 大学の一般教養レベルとしてもやや優しい内容です。自分の経験したことを歴史の一部として学ぶ感覚が新鮮でした。

  • 知っているニュースの一つ一つの点を線につなげて
    面で考えるというのはこういうことなのかと実感しました。

  • 池上さんらしくわかりやすい・・・のだが、そこまで単純化していいのかな、と思ってしまうところもあった。社会に苦手意識のある人が多い東工大生に、現代史を学ぶとっかかりとして講義をするというスタンスだから、まあその意味では十二分な内容だと思うのだが、これで「すべてを」理解したと思ってしまうとしたら、ちょっと違うと思う。池上さんの狙いは、「最低限このくらいは知っとけよ」ってことなのだと思う。他の池上さんの本でも同様だが、池上さんの解説を端緒として、自分でさらに深めていくべきであって、池上さんご自身もおっしゃっているように、批判的に読みながら、疑問に思ったことは自分で調べていくという態度がとても大事だなと再確認した。

    *登録ミスで、本当は紙の本で読みました。

  • ・7/17 読了.既に知ってることとはいえこうやって常に再確認しておかないと忘れてしまうことが多くなる.これで東工大3部作は全部読み終えたことになるね.それにしてもいつになったら世界はすべて民主国家になるんだろうね.

  • 簡単な言葉で

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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