意味がなければスイングはない (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (198ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 「意味がなければスイングはない」(村上春樹)[電子書籍版]を読んだ。ものすごくのびのびと自由闊達に音楽について語っている(ように思われる)せいか、読む側としてもものすごく楽しい読書時間を過ごすことができる。そこいらへんにあるただの薀蓄本とは違い、書き手の熱き想いが売りの作品だな。

  • 季刊オーディオ専門誌『ステレオサウンド』の
    2003 年春号から連載されたものをまとめた音楽評論エッセイ。
    ひとつのテーマについて、
    かなり深いところまで手間暇をかけて書いておられる。
    音楽について感じたことを文章のかたちに変えるのは、
    簡単なことではないとご本人もおっしゃっているが、
    本書の誠実な語りを読んで、村上さんのおっしゃる音楽的共感を得られたと思う。
    ぜひ続編を書いていただきたい。

  • 音楽が聴きたくなるエッセイ。
    印象的な言葉がたくさんありました。

    "シダー・ウォルトン「人の心に届く音や言葉は、その物理的な大きさで計量できるものではないのだ。」(Kindle位置No.76)"

    "スタン・ゲッツ「精神的にも、身体的にも、力が入った状態では、ろくなものは生み出せない。集中力が役に立つのは会計士のような仕事について言えることだ。我々にはもっと里ラックした心的状態が必要なんだ」(Kindle位置No.981)"

    特に印象に残ったのはウィントン・マルサリスの章。
    すばらしいテクニックのマルサリスの音楽が時に退屈なのに対し、技術が不足していても人の心を打つ音楽について。

    "マイルズは演奏家としての自分の限界をはっきりと認め、テクニックの不足を精神性=魂の動きで埋めていったわけだが、それとは対照的に、卓越したテクニックを身につけ、「やろうと思えばなんだってできる」ウィントンは、逆に自分自身の本来あるべき姿、立つべき位置をうまく見いだすことができないようだ。 (Kindle位置No.2125)"


    そして、ブライアン・ウィルソン(ビーチボーイズ)の項に、一言ジェイク・シマブクロが言及されているのが、ウクレレ弾きとしてはにやっとしてしまうポイント。

    "元気いっぱいのウクレレ奏者、ジェイク・シマブクロのバンドによる前座が終わり、ふと空を見上げると、どことなく重たげな色合いをした夜の闇が、夕暮れどきの淡い青みを山際あたりまで押しやっていた。(Kindle位置No.318)"

  • 音楽への深い洞察と、小説家ならではの言葉選びや人物へのスポットの当て方が堪能できる一冊。

    決して有名なアーティスト・盤が取り上げられているわけではないので読みづらい部分はあるかもしれないが、著者の愛に溢れた文章を堪能できるのでよい。

  • タイトルはジャズの名曲に由来しているし、著者がビル・クロウの「さよならバードランド」を訳していたんでてっきりジャズの話かと思ったらクラシックやロックの話もあって盛りだくさん・・というかジャズの話を期待すると少し肩すかしでした。いやー、村上さん、博学ですね。名文なんでついいつもは聴かないクラシックも聴いてみようかという気持ちにさせてくれます。

  • いろんな音楽聴いてみたくなります。趣味が合うとは言えないですが。

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プロフィール

1949年京都府生まれ、早稲田大学第一文学部演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーターキャット」を国分寺に開店していた。
1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴があるが、芥川賞は候補に留まっただけで受賞しておらず、賞に対する批判材料となっている。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年の発表時期は日本国内でニュースになっている。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。
翻訳家としての仕事も高い評価を受け、フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけてきた。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、いまなお作家として成長を続けている。
代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。

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