法月綸太郎の冒険 (講談社文庫) [Kindle]

  • 講談社 (1995年11月15日発売)
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みんなの感想まとめ

短編集として構成されたこの作品は、各話が独特のテーマを持ち、読者を引き込む力があります。特に初めの二作は、身勝手な動機や犯人の今後を考えさせられ、心に残る印象を与えます。また、シリーズ全体にわたって、...

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。最初の二作の動機にびっくり。
    最初のは身勝手な気がするし、二作目は
    犯人の今後を考えると心が痛い。
    手紙も渡らなかったし。
    緑の扉は欲しいなあと思った。
    図書館シリーズは自分にはあわない。

  • 図書館探偵シリーズが好きかも

  • 法月倫太郎シリーズ、第1短編集■「死刑囚パズル」これがベスト!芝居がかっているのは親子ともで、のりのり。デウス・エクス・マキーナ「黒衣の家」直球過ぎて「カニバリズム小論」オチ乙、タイトルを見て食事時を避けて正解■図書館シリーズ穂波さん四連作➡「切り裂き魔」図書館の自由は周知だと…あとがきでフォローが入り良かった「緑の扉は危険」良作、幽霊話「土曜日の本」フェル博士とH・M卿は間違えるものだし、クリムゾンのBook of Saturdayは良い曲。偶然に頼りすぎかな「過ぎにし薔薇は……」どんより(1992年)

  • 法月綸太郎『法月綸太郎の冒険』読了。

    〈ルーツ・オブ・法月綸太郎〉といえるらしく、バリエーションに富んだ作者の多彩な一面が見えた。好みが分かれるだろうが、個人的には圧倒的に前半3作が面白く、教養と技術の深さを感じる。

    まず意外にも法月単著は初読だった。
    他の新本格黎明期の作家は少なくとも数冊は読んでいる気がするが、何故か法月作品からは遠のいていた。
    アンソロでつまみ食いしたり、解説で文章を読んだり、親しみはあったので友達がいつもめちゃくちゃ話題に出す会ったことないのにやたらエピソードは知っている人に遂に会ったという感じがする。

    「死刑囚パズル」
    死刑執行直前の囚人が殺されるという極めて強い謎が牽引する物語で非常にスマートなロジックが展開される傑作。単に論理に無駄がないだけでなく徹底している。論理の厳密さが意外性に結びついており、それが背景にある物語にしっかり接続している点が素晴らしい。様々な観点からの深い教養が見え隠れし、屈指の出来と言える。本格ミステリのバランス感という点ではこの短編集の白眉であるだろう。

    「黒衣の家」
    今となってはとある理由で陳腐化してしまった部分はあるが、終始貫かれたどこか薄暗く沈鬱で切実な何かが空気を圧迫しているような雰囲気作りが見事。真相に至るまでの流れはある意味で最もシンプルな論理に拠るものだが、人間はそう単純にロジックだけに頼ることはない。その視差を上手く用いている。


    「カニバリズム小論」
    シンプルにカニバリズム講義の面白さがある。前二作同様にホワイダニットに特化している。「死刑囚パズル」がフーダニットとのバランスを取っていたのに対してこちらはほとんどホワイ一本の短編となっている。


    後半四作は正直なところあまり感想がない。面白いは面白いので日常の謎が好きな人には良いかもしれない。

    「切り裂き魔」
    これはかなりシンプルが極まりすぎていて真相まで一直線。図書館シリーズの説明くらいの感じだろうか。

    「緑の扉は危険」
    雰囲気作りとキャラクター造形は見事。舞台に対して謎は弱い。

    「土曜日の本」
    ほぼ身内ネタ。分かる人にはくすりとくるタイプのネタ短編。

    「過ぎにし薔薇は……」
    これが後半では最も面白い。結末に向けてのある種の憐憫と恐怖の間のような感傷深さは前半の作品に通底するか。なるほどと思わせる納得の作品。

  • 『書きたい人のためのミステリ入門』紹介本。
    Why Done it 例としては参考にはなったかも。

    ただ、特に前半の作品はあまり面白くなかった。「謎」は確かに気になるのだけど、解くプロセスがあまりにテンプレ的というか、本当にパズルのためのシナリオというか。
    登場人物にも特に魅力がなかった。


    ■死刑囚パズル

    死刑執行の直前に死刑囚が毒殺される。犯人はなぜそんなことをしたのか。
    死刑囚は実は、執行官の父親であり、執行官はかつて母親が死刑囚によりレイプされてできた子供だった。息子が実の父親を殺すのを防ぐため、母親が先回りして殺した、というオチ。

    トリックがあたかも唯一解のように語られるけど、本当にそうかな、とか、変装してなんで誰も見破らないのかとか、そもそも母親の動機に共感できないとか、色々微妙だと思った。
    死刑囚が執行直前に殺される、という「謎」は確かに秀逸ではあった。
    あと死刑に関するプロセスは知らない世界の紹介としてすごく面白かった。


    ■黒衣の家

    法事で一族の関係が描かれた数日後、癖のある老婆が毒殺される。状況から殺したのは小学生の孫としか考えられないが、どうなのか。
    実際に孫が犯人で、法事の際に訪れた親戚の女の子にまた会いたくて殺した、というオチ。

    人物紹介が多くて理解するのが大変だった。これ必要だったかな。
    オチも、うーんという感じ。


    ■カニバリズム小論
    医大生が交際していた女性を殺し、食べてしまう。
    法月綸太郎は友人とカニバリズムの類型について語りつつ、結論として、医大生は自分を抑圧した女性を排泄するために食べた、という結論に至る。

    カニバリズムについての詳細な解説がおもしろさだった。
    その上で、オリジナルの移設となる動機としての「排泄」を語る、というのはなるほど。これが書きたくて作られた物語だろう。


    ■切り裂き魔
    図書館の本の扉ページが切り裂かれている。
    犯人はミステリファンで、扉の裏の登場人物紹介ページに書かれたネタバレを削除するため、というオチ。

    なるほど、という感じ。


    ■緑の扉は危険
    奇書蒐集家の人物が密室で自殺した。
    自殺した部屋の2階の蔵書の重みで「緑の扉」が開かずにいたところ、犯人(妻)の愛人運送業者が殺害の日には本を撤去し、殺したうえで、本を元に戻して再び扉を開かなくした、というオチ。

    トリックがあったとして、これを自然に見せるための舞台設定のつくり方、という観点では参考になるかも。


    ■土曜日の本
    50円玉20枚を千円に変える謎の男の正体を巡る話。
    正体は有名小説家で、主人公法月綸太郎に課された短編お題を彼もまた説こうとしていた、というオチ。

    ミステリ作家の名前がたくさん出てきていて、ファンサービス的な意味合いの強い短編だったのだろう。自分は特にミステリファンではなかったので、よくわからなかった。
    50円玉20枚は完全にマクガフィンで、別の謎でも良かったと思われる。


    ■過ぎにし薔薇は
    図書館の本の小口だけ見て複数の図書館から大量に本を借りる女の謎。
    女は装丁家で、最近愛人小説家との間の子どもを臍帯巻絡で死産していたところ、本のスピン(栞用の紐)を臍の緒に見立てて、供養のためにこれを切っていた、というオチ。

    スピン(紐)は切られてしまえばそこにあったかわからない、というのはなるほどのトリック。
    本の閉じ部分が業界では「のど」と呼ばれること、小説家を父親とすれば装丁家は言語に肉体を与える母親である、というアナロジーは素晴らしいと思った。
    出版業界人である主人公が業界のつてをたどって裏取する、という解法はどうなのかなと思ったが、動機にも納得だし、おもしろい短編だった。

  • 今度 動機

  • 『死刑囚パズル』に尽きる

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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