あしながおじさん (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

制作 : 土屋 京子 
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  • 2017.12読了。

  • 「おじさまはハゲですか?」って、直球過ぎじゃね?

    ジョン・グリア孤児院で育ったジェルーシャ・アボットはその孤児院生活を描いた文章に「尋常ならざるユーモア感覚」を認めた、ある匿名の紳士の援助をうけて大学に進学することになった。援助の条件は、ジョン・スミスと名乗るその人物に宛てて月一回大学生活について報告する手紙を書くこと。ジェルーシャは驚きと興奮に満ちたその大学生活を生き生きと書き送るのだが…

    「おじさまはハゲですか?」

    一面識もない自分のパトロンで、それが条件とはいえ自分の書いた手紙に返事一つよこさぬ相手に、屈託のない笑顔でこんな直球を投げちゃうのが、ジェルーシャ改めジュディ・アボットである。

    彼女は自分の周囲の、人や起こることに対しての感度がものすごく高い。嬉しい、悲しい、頭にきた、そうした感情がストレートにくるくると現れる。それに加えてどこまでもポジティブな想像力を駆使したまっすぐちゃんぶりに笑っちゃうのである。

    ジュディの刺激に満ちた学生生活やそのシンデレラストーリーに胸を弾ませて読んだ少女の日から○十年。再読の今では、もはやジュディの手紙をもらうおじさんの気持である。
    こんなまっすぐちゃんの飽きない手紙を読んで、ニヤニヤしたり、苦笑したり、怒ったりしながらも、ジュディが可愛くならないわけがないではないか。
    たとえ自分がハゲであったとしてもである。

    ジュディの手紙がその華麗なる結末に至ったとき、想像力豊かなどこまでも真っ直ぐな素直さこそは、持たざる孤児・ジュディの唯一の財産であったのだと思う。

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