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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (202ページ)
感想・レビュー・書評
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テクノロジーの進歩が推定無罪の原則を覆す(『ユートロニカのこちら側』ネタバレ書評1/2)
http://hiah.minibird.jp/?p=2214
人工知能によるヒトの馴化が穴居人の時代を終わらせる(『ユートロニカのこちら側』ネタバレ書評2/2)
http://hiah.minibird.jp/?p=2215
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ハヤカワSFコンテスト第3回目の大賞作品。
序盤はSFの深さをあまり感じなかったが(特にUIとか)、犯罪捜査に対する考え方や、「自由」にまつわる議論はおもしろかった。一般的に言われるAIの社会的影響(人間の仕事を奪ったり、人間の機会を奪うこと)について更に一歩踏み込んで書いており、思考実験の帰結としてユートロニカ(永遠の静寂)を導いていた。
また、物語としてのシミュレーションまで落としこめていたのも評価すべき点。複数の立場の人々からの多重的な視点は、手法としてはあるものの、未来のシミュレーションとしてよく書かれていた。
物語としてもう一度読みたいとは思わないが、1つのシミュレーションとして概要を把握できてよかった。なお物語の観点では、SFや世界観、事件よりも、人物描写をしっかり描いていたと思う。ここまで深く人物を描いていたと言う点は留意すべき詳細をみるコメント0件をすべて表示
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