- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988013457188
感想・レビュー・書評
-
THE FACE OF AN ANGEL
2015年 イギリス+イタリア+スペイン 100分
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:ダニエル・ブリュール/カーラ・デルヴィーニュ/ケイト・ベッキンセール/ヴァレリオ・マスタンドレア
2011年。映画監督のトーマス・ラング(ダニエル・ブリュール)は、4年前にイタリアのシエナで起きた「英国人女子留学生殺害事件」を映画化するための取材でイタリアを訪問。事件について本を出しているジャーナリストのシモーン(ケイト・ベッキンセール)の紹介で、関係者に会ったりしていた。事件は実はまだ未解決で裁判中。メディアはスキャンダラスな報道を過熱させるばかりで、事件の真相はわからず、トーマスは脚本を書きあぐねているが…。
モチーフになった事件は2007年にイタリアで実際に起こった「ペルージャ英国人女子留学生殺害事件(アマンダ・ノックス事件)」被害者メレディス・カーチャー(この映画は彼女に捧げられている)がナイフで惨殺され、ルームメイトのアマンダ・ノックスとその彼氏、友人らが容疑者となった。映画の中同様、一度は有罪とされるも逆転無罪、さらに2015年にまた蒸し返されて有罪となるもこれもまた無罪となり、今も犯人はわかっていない。
この映画では、被害者はエリザベス(エイヴァ・エイカーズ)、ルームメイトはジェシカ(ジュヌヴィエーヴ・ゴーント)とされ、事件の場所もシエナに変更されている。ジャーナリストの間で飛び交う憶測、ジェシカ擁護派もいればジェシカ犯人説もあり、さらに真相を知っていると言い張るちょっと狂人めいた記者エドゥアルド(ヴァレリオ・マスタンドレア)がトーマスを翻弄したりもするが、この映画のテーマは、真犯人の追及ではないので、正直サスペンス風に盛り上げるのは目くらまし。
余計な演出といえば、ヤク中のトーマスは度々ドラッグによる幻覚や奇妙な夢に襲われるのだけど、そのエピソードいる?という場面がほとんどで、これまた思わせぶりなだけで、かえって作品のテーマがなんだったのかよくわからなくしてしまっていた気がする。おそらく映画監督の主人公は、監督自身の自己投影なのだろうけど。
トーマスは女優の妻キャサリンと離婚したばかりで、仕事で飛び回っていることもあり、9歳の愛娘ベアトリーチェとは、もっぱらPC画面ごしの面会しかできない。イタリアで撮影中にできた娘にベアトリーチェと名付けたトーマスは、もちろん『神曲』を愛読。迷路のような街を地獄に見立て、彼を案内してくれるシエナのベアトリーチェは、カフェで知り合った大学生のメラニー(カーラ・デルヴィーニュ)。とはいえ、ここは恋愛関係にはならず、どちらかというとトーマスはメラニーに娘の成長した未来を重ねあわせているように見える。
快活で親切なメラニーと話し、彼女にもらった『神曲』の続編『新生』を読んだりするうちに、トーマスは次第にスキャンダラスな事件の真相よりも、亡くなったエリザベスを悼む気持ち=愛を映画の中で描きたいと思うようになり…。
正直、最後まで見ても全然すっきりしない。実際の事件が未解決なので仕方ないのかもしれないけど、犯人がわからないままのモヤモヤ(マスコミはジェシカが犯人か否かばかりを焦点にしており、ジェシカが無罪なら真犯人はどこの誰なのかについては追及しない)と、取ってつけたような被害者追悼、そこに至るまでの経緯がきちんと描かれていなかったように思う。トーマスは一度もエリザベス自身について調べようとはしなかったのに、急にメモリアル映像みたいなの差し込まれても…。
カーラ・デルヴィーニュはとても可愛かった。ジェシカとエリザベスも美人なのだけど、なぜか私には二人の見分けがつかず…困惑。マイケル・ウィンターボトムの映画はCODE46ぶりなので超久々でしたが、音楽の趣味は相変わらず良かったです。イタリアでぶらっと入ったお店でジョイディビジョンのアトモスフィア流れてることがあるのかどうかは知らないけど(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映像は綺麗だったんですが、主人公が何がしたいのかよく分からず。
-
[鑑賞方法:WOWOWシネマにて]
-
実話の映画化かと思って見ると全く裏切られます。何を描こうとしたのか全てに中途半端でした。(日本映画にありがちな)自己満足に付き合わされた思いです。
-
名画座で鑑賞、本日3本立てのオマケ。
イタリアで実際に有った女子留学生殺害事件を描いているらしい。センセーショナルに煽るマスコミを批判する趣旨らしいが日本では全く聴こえてこなかった事件だから正直も一つピンと来ない。
現地の女子大生、メラニーが可愛かったな。モデルさん?