何者(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 就活したり、しなかったりする大学生たちのおはなし。
    自分が就活生だった頃を思い出して苦い気持ちになる。けど読後感はさわやか。

    想像力のある人、って対象を理解する意思と知識をきちんと持っている人のことを指すんだろうなというのと、やっぱりどんなにかっこ悪くても、やらない人と比べたらやってる人の方が何倍もすごいんだよなあっていうのを、自省をこめて心に刻む。

    光太郎との同居を決めた瞬間のシーンが好き。誰よりも空気を読むのがうまい光太郎が、同居できるほど一緒にいるのが楽なのが拓人だっていうのがじわじわくる。
    あとは終盤の理香・隆良カップルにもにこにこしてしまった。いやあ、大学生の同棲・同居っていいものですね。

  • 最近、SNSに必死になっている人たちを見てなんだか滑稽に見えてきたので、それにちなんだ本として選択。
    情報を受けるだけでなく、だれでも発信できる世の中になったことで、今まで見えなかった人々の自己顕示欲が顕著になってきたと感じています。ここに出てくる登場人物たちも、現実の自分に満足していない部分をSNS上で補完もしくは醜態を捨てることで、より高貴であり理想としての自分として表現している人たちです。
    たしかに自分の周りにもそのような人はいますし、自分もまたそのような人間の一人になっていた部分はあります。最近では極力SNSの閲覧と投稿を極力避けて、人を羨ましがったり、人の考えを踏襲するというようなことをしないように心がけています。そうすることで自分の考えを10%でも発信できればいいのですが、いざそういった環境になると自分の意見がないことに驚かされます。
    すこしSNSとはそれますが、もし自分の読んだ本の感想を聞かれたときに、自分の考えをはっきり言えるのかと悩むことがあります。もしかしたら、どこかのレビューや本の中に書かれていることをそのまま発信してしまうのではと思うほどに、自分の考えが薄まっているのを感じる今日この頃です。ただ、どんなに格好がつかなくても、あくまで時代の観察者ではなく、当事者として世間に関わっていかないと、世襲までもが同じものへと浄化されてしまうのではと懸念してしまいます。
    といいながら、ここに本の感想を書いている自分もまた切れ味鋭い観察者気取りと思われるかもしれませんが、自分の場合はただの備忘録と作文練習です。

  • 新卒一括採用である日本で、就活という半年程度の活動が人生に与える影響を背景に学生の恐れと悩みが上手くあぶり出されている。何年も前の自分の体験がリアルに思い出されて気恥ずかしすら覚えてしまった。

    余談になるが、社会人なった今だから学生に向けることができる救いとしては、所詮会社の面接官には学生の本質など見抜けないということ。

  • 面白い!なんか…朝井リョウさんはたぶんすごく頭がいい。そして頭がいいだけでなく、考えをちゃんとアウトプットして共感させることができるんだと思う。まあ、小説家だもんね。

    同世代の「あるあるネタ」が淡々と繰り広げられるのかと思いきやの!まさかのラストの巻き返し!途中の瑞月ちゃんの本音ぶちまけがハイライトかと思いきやの…。
    小説的なトリックの巧みさというか。
    ラストの裏垢ツイートオンパレード、ほんとしんどい。主人公に感情移入しきって、最後に手のひら返し食らう感じ。

    とりあえず何事も言うは易し、なんだな。
    そして大人になる、とは自分のカッコ悪さに気付く作業。

    しかしなぜ私はシューカツもっと頑張らなかったんだろ。笑

  • 2018/12/23

  • いろんな「者」がいて、人それぞれな群像劇なのかなーくらいの軽い気持ちで読み進めていったら、直木賞がそんな程度のものなわけがなく。
    何者かになろうとして、各々のプライドと戦ったり目を背けたり暴かれたり向き合わされたり。そんなもがく登場人物たちに、自分にもそんなカッコ悪いプライドを持ってる一面があるよなぁと思わされ、考えさせられる。

    そしてSNSの裏アカとか。現代感あるなぁと。自分を表現する場所がありすぎて、見てもらえる可能性も広がってる一方で隠すこともできるからこそ、より多様な自分の顔が出てくるのかなぁ。そして、出したくなかったり出すべきでない裏の顔もつい見てもらいたくなってしまうのかなぁ。自己顕示欲とか、認めてもらいたい欲求とかを出す場所がどんどん変化しているのかなぁ。

    就活という、日本で生活していたらほとんど初めて自分を見つめ直したり曝け出したりする必要が出てくる時期だからこそ、何者であるかを考える経験ってあったなぁと。
    そして結局、自分をそのまま丸ごと受け入れて、そこを起点に上っていくしかないのだなと!僕の場合は社会人になる前に気づききれずに、まだまだくすぶっているけど。

    ・・・みたいなことを書くのは、少しだけ隆良っぽいな。笑

  • 就活の懐かしさ。
    就活することの違和感やら、互いに距離を探る感じがリアル。
    後半の裏アカバレのあたりは苦しい。

  • 前半はフムフムそうなのねとまずまず面白く読んでいたのだけれど、後半はつらくなってしまった。”イタさ”に。

  • 就活とかした事ないから、こういうの楽しい。

  • ずっと読もうと思ってた直木賞受賞の小説。読む前から大体の展開は読めてたけど後半飽きずに読めた。現代の行動様式と心の闇の部分を上手く捉えた現代小説ですね。

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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