「子供を殺してください」という親たち(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 1章は著者が実際に体験した悲惨な事例。
    本書を原作とした漫画があるが、そちらを先に読んでいたのでものたりなく感じたのだが……2章以降、現行の制度の問題点などに入っていくと、漫画とは違った視点で大変興味深かった。
    人権の一部を取り上げられた犯罪者と異なり、精神障害者は拘束するわけにはいかない。では加害の可能性がある障害者をどう扱うのか。一時保護(3ヶ月以内)したとして、3ヶ月で治るわけではない、ではどうするか。考えさせられる。
    著者は親や家族への覚悟と責任と負担を求めるが、そこは、正直同意できなかった。
    加害の可能性がある統合失調症はともかく、幼年期からのパーソナリティ障害となると、自分の生活を犠牲にしてまで、子供や兄弟を守るべき、とは言えないと個人的には思う。
    自分なら、家を売り払って連絡がとれない場所に引っ越して逃げると思う。責任が感じられないと言うけれど、500万、1000万の大金を子供のために一生懸命稼ぐことだけでも立派だと思ってしまう。

  • 精神医療の専門家ではない著者の経験談。経験に基づいて難しい顧客と向き合って対応してきていること自体には評価するが、専門的知識がない中での対応に疑問を感じる点あり。
    精神医療のノンフィクションなどを読んだ際に問題とにてなっていた長期入院が著者の基本的な解決策なのも首を傾げるが、理想論ではなく現場の感覚ではそんなものなのかもしれない。拘束や本人の望まむ長期入院の問題に対して、精神医療者側の言葉として紹介されていた「世間が困る人間を私たちが面倒みてやってるんだ」の一つの正当性を見た。
    著者は精神疾患者を医療案件として取り扱いたいのか警察案件として取り扱いたいのか謎。著者が想定する精神疾患者が犯罪者または犯罪予備軍なだけなのかもしれない。

  • 漫画版で気になっていたので文庫版を購入して読んでみました。
    様々な知らなかった事実、状況を知ることができてとても有意義な一冊でした。
    その一方で自身が”当事者”となったら一体どうするのか、そのことを深く考えるきっかけにもなりました。

  • 最初の方に書かれている実例は興味深かったけど、後半部分から興味が無くなったので読み飛ばした。

    責任があって大変な仕事なのはわかるが、作者は少しおごっているようにも感じた。

    もちろん引きこもりや問題行動を起こす当事者が悪いのだが、いきなり見知らぬ他人が家に入ってきて、名前呼び捨てにされたら嫌だなぁと思うのは、修羅場経験してないからでしょうか?

  • 親がDQNの場合は問題外として、生まれた子供の生来持った性質が社会的に受け入れられないものだった場合、さてどうしたものなんだろう。

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