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感想・レビュー・書評
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前作『東京タクシードライバー』が良かったので、同じ著者からもう一冊。本作の素材は、築地のマグロの仲卸、馬堀海岸の能面師、木更津の住職、羽田の老漁師など、東京湾岸で働く男たち。
前作で証明済みである人間ドラマの書き手としての著者の卓越した技量は、本作でさらに磨きがかかっている。絶妙な距離の取り方で男たちにぽろっと本音をこぼさせて、それを見事にすくい上げる。著者の書き手としての技量だけでなく、聞き手としての技量も並大抵でないことが見て取れる。
前作との大きな違いは、その取材対象。前作は、人間ドラマの対象として良質な素材であることが素人にも想像できるタクシードライバー。一方、本作は上述の通り、東京湾岸というキーワードが共通するだけで、職業はバラバラ。これだけの良質な素材を、よくぞここまで集めたものだなあと感服する。
また、前作とは少し違う切り口で、著者自身の経験談や人生のある時期の出来事が織り込まれているのだが、これがまた出色。本書で題材となっている男たちより、よほど貴方の方が畸人なのでは?とツッコミを入れたくなるレベル。この部分だけを集めて、私小説として出しても十分面白そうだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
色んな場所に色んな人が居る。
地場の有名人のお話、興味深く読めました。
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