- 早川書房 (2015年12月25日発売)
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みんなの感想まとめ
独特な文明を背景にした壮大な物語が展開される本作は、異星の登場人物たちが織り成すドラマを通じて、科学と人間の存在について深く考えさせられます。主人公の女性ヤルダは、特殊な環境の中で物理学者としての道を...
感想・レビュー・書評
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全2段組で500ページを超える本書が第1部、全体で3部作の大長編物語であることは、購入してから知った。(--;) 人間ではなくどこかの惑星にある文明での登場人物によって展開されるので、目が前後に2組あるとか、手脚は必要に応じて生やすことができるとか、呼吸の必要はないが、体が熱くなると死の危険があるため、空気を必要とするといった違いがある。しかし登場する動植物はなぜか地球と同じであったり、科学技術に人類が持っているもの(電子など)が欠落しているもののそれを補う科学があるといったどっちつかずの環境が用意されている。最大の違いは、「女性は子供を産むと死ぬ」ということだろう。意志を持って産むこともできれば、本人が希望せずとも子供が授かってしまう(単為生殖する)こともある。主人公の女性ヤルダは、単為生殖を免れるための薬を飲みながら物理学者(天文学者?)の道を進む。やがて彼女は直交星群を発見し、これらが恒星の爆発による破片であることを知る。現在目にしているのは、その先陣であり、やがて大きな塊が彼女の惑星を襲うことに気づく。しかし彼らに為す術はなかった。それほどの科学技術がなかったからだ。そこで考えたのが亜光速で飛ぶロケットに多数の人を乗せ、この危機を乗り越えることができる科学技術が誕生するまで彼方まで飛び続けるということだった。膨大な時間が必要とされるが、ロケットのなかでは惑星と同じように時間が進むので、後世にその役割を託すことになる。しかしロケットはいつかその向きを変え、同じく亜光速で母星を目指せば、母星の時間はわずか数年しか経っていないことになるため、ロケット出発時に取り残された先祖(!)を救う可能性があるというものだ。
全3巻だから物語が壮大であるのはともかく、相対性理論の理解がおぼつかなく、結局その辺の説明を端折って読み進めた。それなりに面白いが、完全な理解があればさらに深い味わいがあるのかもしれない。
本編は主人公ヤルダが子孫を残すことを決意するところで終了するが、先々に課題を残していることを読者が共有化できる(追体験できる)という点で筆者の力量を感じることができた。詳細をみるコメント0件をすべて表示
著者プロフィール
グレッグ・イーガンの作品
