花のさくら通り ユニバーサル広告社シリーズ (集英社文庫) [Kindle]

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  • 萩原浩・ユニバーサル広告社シリーズ第三弾。
    前回、ヤクザ(がクライアント)仕事をなんとか振り切っ
    た零細広告制作プロダクションのユニバーサル広告社だが、
    秋葉原に事務所を維持することが困難となり、一応都内だ
    けど過疎化すら感じられる“さくら通り商店街”に都落ち。
    家賃は安いが、条件はなんと「住み込み」。引っ越しまで
    余儀なくされたコピーライターの杉山だが、ひょんなこと
    から大家の和菓子店3代目から“さくら祭り”のチラシ製作
    を依頼される。クライアントは同商店会だが、そこは一癖
    も二癖もある頑固な爺たちが仕切る閉ざされまくった世界。
    これをなんとか打破しよう、と、ユニバーサルの個性豊か
    な面々が意地で奮闘する・・・という感じ。

    いやぁ、いいわ、コレ。
    これまで読んだシリーズ3作の中では、とにかくピカイチ
    の内容。登場人物の悪役→善玉転向への流れ、いわゆる
    ベビーターンの連続が妙に心地よい。加えて「商店街の
    シャッター通り化」という問題は都下に限らずどの地方
    でも悩ましい議題であるが故に、何故だか他人事だと思
    えない。おかげでリアリティは非常に高く、感じたまま
    を言うのなら“手に汗握る”展開。クライマックスの会議
    が決する場面では、思わず快哉を叫んでしまった。

    そして、この作品の舞台とやたら系統の似ている街で、
    これまた似たような仕事(レベルは更に数段低いけど^^;)
    に従事する僕としては、個人的な共感度が半端ない高さ。
    途中から応援団(^^;)になってたかもしれない。

    もちろん最後はハッピーエンド。同じような世界で仕事
    をしている僕からすると、この部分にリアリティは一切
    感じない(^^;)のだが、まぁ、ソレはソレで良いのかも。
    非常に清涼感に溢れたお仕事物語だと思います。

    年末にこのシリーズを読めて本当に良かった、と心から。
    来年は頑張るぞ、オレも!

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著者プロフィール

1956年埼玉県生まれ。広告制作会社勤務を経て、コピーライターとして独立。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞、14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、16年『海の見える理髪店』で直木賞を受賞。『砂の王国』『花のさくら通り』『ストロベリーライフ』『海馬の尻尾』『極小農園日記』など著作多数。

「2018年 『金魚姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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