コレットは死ぬことにした 1 (花とゆめコミックス) [Kindle]

著者 :
  • 白泉社
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感想・レビュー・書評

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  • 現在人気の長寿漫画も、最初は連載いつ打ち切られるかわからないようで、なかなか大変だなあと思う。「コレットは死ぬことにした」は逆に読み切りから長寿連載になったようなので、悪霊が文句をいう声が住居まで聞こえてくるような最初の冥府の雰囲気とちょっと変わっているけど、ほかはけっこう矛盾なく展開できていると思う。

    ギリシア神話をベースに借りているとのこと。かつてこども向きのギリシア神話を読んだ感じでは、人間の身勝手さを膨張させて詰め込んだようで、ゼウスからしてあちこち愛人をつくってこどもを産ませて、その愛人や隠し子がヘラに殺されたり呪われたりするのは放置して、まったく共感できなかったのだけど、よく少女漫画向けに改変したと感心する。

    神様は不老不死だけど、病気にはなるという設定もギリシア神話なら納得できる。愛人つくり放題のギリシア神話の神様の中でハデス様は、浮気相手はメンテーくらいしかいないし、妃のペルセポネはさらってきたけどなかなか手を出さずに丁寧に扱ってウブなところがあるし、一番共感できるキャラかも。

    全体にふわふわとして、いろいろあるけどたぶんハッピーエンドに着地できるだろうと安心して読めるファンタジー。ペルセポネは妃になってからも地上と冥界を行き来していたはずだし、どう着地するかはまだわからないけど、冥府ではザクロが育っているし、デメテル様ともいつか再開するだろうし、17巻+αまで進んだけど、今後が楽しみ。

  • パウロ・コエーリョの小説『ベロニカは死ぬことにした』をタイトルから思い出して読んでみた。

    ある小さな村で診療所を営む薬師の少女、コレットが主人公。薬の調合だけではなく、ほぼ医師として村人のために休みなく働いているなか、ある日、「もうダメ!」と燃え尽きて裏手の井戸に飛びこんでしまう。飛びこんだ先で出会ったのが、なんと冥界の王ハデス。冥界の王に会ってしまったということは、私、死んだ?と思いつつ、ハデスがある病を患っているのを見逃せず、「私が治す!」と、プロフェッショナル魂を再燃させ、治療の名目であの世とこの世をせっせと行き来することになる。

    コレットの治療活動をメインに据えてはいるが、近世ヨーロッパ風の舞台を使ってギリシャ神話「コレー(ペルセポネー)の結婚」のエピソードを意外と忠実になぞっているし、彼女の存在を知ってしまうゼウスをはじめとする神々も、「コレーに求婚する神々」という、ギリシャ神話の設定を崩さずに生かされていて地味に驚く。個人的には、勝利の女神・ニケがどんな勝負にも勝ってしまうことや、コレットに「(少女マンガ的な)勝利」のご加護を授けたりするのが当然といえば当然だけどいい。それにしても、ハデス様が中盤あたりから普通に宮廷ファンタジーのキラキラ王子様キャラと化しているけど、そこは議論の余地があるかもしれない。まあ、少女マンガだし、ギリシャ神話では実際に、ハデスには「髪の美しい」などの枕詞がつくからいいんだけど。

    努力によるスキルアップと神のご加護のおかげでコレットがあまりにも有能になってしまうので、これは「死人すら生き返らせる技術を得て神々(特にハデス)の怒りを買い、雷撃一閃で命を奪われてしまった」というアスクレーピオスのエピソード的に締められたらちょっと辛いなと思いつつ、終盤の締め方はわりと斜め上(でもギリシャ神話にはありがち)で面白く読めた。

    個人的には、冥府の川の渡し守・カロンの造形がとぼけていつつ凝っているのと、番犬・ケルベロスの頭のネーミングがそれぞれ「ケル」「ベロ」「スー」と雑なのが好き。

  • 仕事人間コレットに共感してしまう。

  •  5巻までタダ読み( ´ ▽ ` )ノ

     ハードワークに疲弊して井戸に飛び込んだ薬師コレットチャンが冥界へワープ。冥王ハデスの病気(陽光アレルギー?)を治すため、現世から冥界へ何度も往診を繰り返すうちに彼と恋仲に、っていう話。

     フランスの芸術映画っぽいタイトルからは想像もつかない、異世界お仕事まんが。
     一応医療ものなんだろうけど、「仁」なんかと違って一切がっさい異世界内で完結する話ゆえ、リアルで現代的な医術描写は一切なし。魔法こそ使わないものの、適当な薬草を何となく調合して、あとは気合と情熱と愛で患者を治しちゃうって感。
     今後の展開はまだ分かんないけど、お仕事ものというよりも恋愛ものの傾向がより強くなっていきそう。
    (以下続刊)
    2023/10/24
    #4606

  • これはお仕事マンガであり人生讃歌。
    コレットのようにフラットな感覚の社会人になりたいと思う。
    最終巻まで読むと、インパクトのあるタイトルの意味が染みてくる。

  • ファンタジーな世界観と逞しい主人公、愉快なキャラクターたちがとても愛おしい作品。
    特に最終回にかけては号泣しながら読んだ記憶…
    白泉社らしいな〜と感じる漫画です。

  • 【読了メモ】ええいきゅんとしたわー!

  • 女の子が威勢良くて物怖じしないのは
    良い漫画

  • 1巻目は可もなく不可もなく、ひっかかるところのない少女漫画。今のところフックはタイトルだけ。

  • 薬師として仕事をしていたが、忙し過ぎて逃げ出したくなり、井戸に落ちたら冥界に繋がっていて冥王の治療をすることになる。

    過労死からの復活という少女漫画らしからぬ展開だけど、お話はちゃんと少女漫画。
    結果誰も死んだりしないし。

    すごいタイトルだなーと思ってたら電子版が無料だったので読んでみました。

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