幸せになる勇気 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「自立とは「自己中心性からの脱却」なのです。」

    嫌われる勇気の続編にあたる本。今回は、幸せになる勇気を説く。相変わらず面白い。刺激的な話が多く、批判役の青年の発言も的確だ。それに対する返答も素晴らしく、アドラー心理学の凄さがわかる。

    本書からは多くの学びを得た。
    愛されるから愛するのではなく、愛するから愛される。これはとても深い言葉だ。愛されなければ離れていくとは、まさに自己中心的な思想だ。

    褒められるのを原動力にすれば、永遠に他者に依存し続けなければならない。常に自分には能力がないと言うようなものだ。

    過去は存在しない。

  • 前作 嫌われる勇気でも感じたが、青年があまりに短気ですぐ激高し、読んでいて不愉快になり飛ばし読みをする。
    教授が話している事は至極いい事をいっているのに、だいなしにしている。勿体ない構成だなと思う。
    ・カウンセリングで使用する3角柱 ”悪いあの"
    ”可哀そうな私”思い悩んでいる人間はこの2面しか見ないが、裏の最後の1面には、”これからどうするか”と書かれている。
    ・教育とは生徒を尊敬し、信頼する事から始める。
     褒めてもいけないし、叱ってもにもいけないとアドラー
    ・”わたし”だった人生を”わたしたち”に主語を代えてみよう。新しい世界と愛が生まれてくる。
    ・第一子:力と権威の重要性を理解し権力の行使を好む
    ・第2子:常に自分の前を走る第一子がいる。既存の権力を転覆させることに力を注ぐ。

  • 愛するとは、決断すること。フロムの書籍で出てきた内容がこちらでも登場する。

    「多くの人は、恋愛に運命の人を求めている。どうして結婚相手にロマンティックな幻想を抱くのか。その理由については、アドラーはすべての候補者を排除するためだと言っています。あなたのように出会いがないと嘆く人も、実は毎日のように誰かと出会っているのです。よほど特別な事情がない限り、この1年の間誰とも出会わなかったと言う人はいません。しかし、そのささやかな出会いは、何かしらの関係に発展させるには一定の勇気が必要です。声をかけたり手紙を送ったり、そこで関係に踏み出す勇気をくじかれた人はどうするか。 運命の人と言う幻想に縋りつくのです。今のあなたがそうであるように、目の前に愛すべき人がいるのに、あれこれ理由を並べてこの人ではないと避け、もっと理想的なもっと完璧なもっと運命的な相手がいるはずだと目を伏せるこれ以上の関係に踏み込む落とせず、ありとあらゆる候補者を自らの手で排除する。そして課題のあれもしない理想を持ち出すことによって、生きた人間と関わり合いになることを回避する。これが出会いがないと嘆く人の正体だと考えてください。」

  • 嫌なあの人
    かわいそうな私
    これからどうするか!!!!(ジョジョっぽい)

  • アドラー心理学の中心概念である「課題の分離」をベースとして、そこからどのように幸せを得るかという幸福論。アドラー心理学での幸福は、他者への貢献感であ流。そのためには他者を愛し信頼することで、自己中心性から脱却し、共同体感覚を育まなければならない。

  • 前著「嫌われる勇気」も読みやすく、心が晴れやかになる本であるが、
    「幸せになる勇気」は「嫌われる勇気」よりも、今後の人生に影響を与える本であった。
    自分が生きる上で、新たな指針となりうる本であると感じた。
    「嫌われる勇気」は、「課題の分離」「今を生きよ」といった、
    自分自身の自立の仕方を書いていたが、本著では、「自立とは自己中心性からの脱却」「他者を愛することでのみ、自己中心性から解放される」「わたしではなくわたしたちで考える」といった、一段上の視点で書かれている。

    私は結婚しているが、子はいない。
    年齢的にも子を持つかどうかはギリギリのところであるし、
    不妊治療もしていないので、ほぼほぼ持たない人生を歩もうとしている。
    仕事は安定しており、多少の蓄えもあるので、2人なら、このまま生きてはいけるだろう。

    ただ、妻から「愛情を感じない。改善案がないなら、関係の解消を検討して欲しい。」と訴えられている。
    私は、愛情表現も下手でプライドによる抵抗があり、付き合ったころの情動も薄れているから、どうすれば良いのか悩んだ。

    という状況から、「幸せになる勇気」と手に取ったわけであるが、
    今後妻とどう接していくかの指針となった。

    私は、
    「私がどう思うか、なにが好きか、何が嫌いか、何にムカつくか、それに対してイエスかノーか」、

    ということを整理するのではなく、

    「わたしたちはどのような関係性であるべきか」
    (とはいえ、相手がどのような判断や思考をするかはわからない(課題の分離))

    を、妻と話し合うべきだったのだ。
    自己中心性から脱却して、他者と「どうするか」を模索しないといけなかったのである。

    愛するとは、快楽や欲求だけではなく、意思(こちらのほうが重要)であり、「愛すること」が「幸せになること」であると本著では書かれている。

    私は幸せになりたかったが、幸せは、「好きなものが際限なく手に入る」といったものではなく、「他者との関係性で手に入る未知のもの」であるということが実感できた。

    ということで、前向きに、決意を持って歩んでいける助けになる本だと思います。

    名著「7つの習慣」に一部内容は類似しています。「7つの習慣」も読み返しましたが、良い本です。

  • 悩める青年の社会的課題を、哲人がアドラー心理学によって解決していく、シリーズ第2弾解決編。
    教育、仕事、結婚、愛など青年期にある大人が悩みがちな、共通して人間関係の問題を課題とするテーマを対話の話題としていた。
    特に、教育に関しては多く語られており、教育職のみならず、指導の機会がある人全てに、一読を薦めたい。
    結婚についての論は、あまり目にしない論法であるが、実に強く現実に即しているいい考え方だと思う。
    3時間程度で読み終わるので、上記テーマのいずれかに思うところがある方には、強くおすすめする。

  • 嫌われる勇気の続編。実践はなかなか難しいが、納得感はあり。

  • この3年間、最近一番お勧めする本は何かと言われれば「嫌われる勇気」と答えてきた。
    今回は、そのときほどは衝撃を感じなかった。
    それはきっと「嫌われる勇気」に描かれていることが自分の中で消化できてきたからなのだと思っている。

    「幸せになる勇気」というタイトルではあるが、今回のテーマは間違いなく「愛」だろう。

  • アドラー心理学大好き民です。
    嫌われる勇気もそうだが、対話形式のため凄くスラスラ読める。
    そして毎度毎度書いてある内容に心を打たれる。
    が、これを実践するのは本当に大変だと思う。
    自分ひとり知っていてもダメだと思うし、子育てに適応しようと思うと絶対に夫婦共々がアドラーの教えを理解していないと無理だと思った。

    以下、備忘録
    ・行動面の目標
     自立する事、社会と調和して暮らせること
    ・心理面の目標
     私には能力がある。という意識、人々は私の仲間である。という意識
    ・共同体感覚 → 他者への関心
     つまり、「他者の関心事」に関心を寄せる
    ・人間は過去の「原因」に動かされない。現在の「目標」に沿って生きる
     過去のトラウマなど存在しない。それを利用して自分の目的を叶えたいだけ
     → つまり、過去の出来事によって決定される存在ではなく、その出来事に対して「どのような意味を与えるか」によって自らの生を決定している。
    ・「これからどうするか」を語り合うべき。
     「悪いあの人」「かわいそうなわたし」を語る意味はない。」
    ・人生の目標は「自立」、そして幸福の本質は「貢献感」
     「~のおかげ」「いいよ」「~してからね」
     これらは「依存」や「無責任」であり「自立」を妨げる
    ・自分の人生、日々の行いは、全て自分で決定するものだと教える事が大事
     子供たちの決断を尊重し、それを援助する。(援助の用意をして見守る)
    ・「自立」 = 自分の価値を自分で決定すること
     「普通であることの勇気」をもつこと。
     「人と違うこと」に価値を持たず「わたしであること」に価値を持つ
    ・「信用」と「信頼」の違い
     信用:他者を何かの条件付きで信じる(「仕事」の関係)
     信頼:他者を一切の条件無しで信じる(「交友」の関係)
    ・自分の弱さや不幸、傷、トラウマを「武器」として他者をコントロールしない
     「自己中心性」から脱却せよ!それが「自立」である

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著者プロフィール

1956年生まれ。共著書に『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)、訳書にプラトン『ティマイオス/クリティアス』(白澤社)ほか。

「2020年 『自然と精神/出会いと決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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