未来警察殺人課[完全版] (創元SF文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 殺人がなくなった未来社会で、殺意を持つものを殺すのが警察の殺人課、という設定はおもしろいし、地球外の惑星に地球の地名をつけて人類がすんでいるというのも、なかなか楽しい。ちょっと読むと、エロチックな要素も含めてわりあい安っぽいネオハードボイルド的な肌合いが強いけれど、一皮むけたなかなか骨っぽいSFである。

    SFミステリというのは、SF寄りとミステリ寄りにざくっと分かれる感じがするけれど、この作品は、作者に対する先入観に誤解していたけれど、ミステリの衣をまとったSFなんだと読んでいく家に気がつく。書かれた年代を考えると、なかなかすごいなって思う。

    ただ、おもしろかったかどうかといわれれば微妙。短編がこれでもかというほど並ぶのだが、いくつかとてもおもしろいものがあった反面、設定の中で登場人物が動くのを追いかけているだけという感じで、なんとなく読み終わってしまった作品もかなりあった。何せ、たくさんあるので、玉石混淆という感じは否めない。やっぱりこの作者には、本格的なミステリを求めてしまうこっちが悪いのかもしれないけれど。

  • 前半は面白かったが、だんだんとつまらなくなり、結局、中断

  • 設定は面白い。

    未来。人類は宇宙の惑星を第2の地球化していた。
    惑星が違うけど、地名は地球と同じものを利用している。
    まず、そこがなかなか面白い。

    そして、肝は、未来は殺人自体が原則起こらない、起こる前に起こしそうな人は病院送り、それもできない緊急の場合に、この本の主人公が所属する殺人課がでばって、殺人が起こる前に起こす人を殺してしまう。

    世界観としてはマイノリティレポートとか、アニメのサイコパスに近い。

    短編集なので、そこそこ楽しめたが、最後は単調な気がして、ちょっと飽きた。

    短編集でも、テーマがあって大きなストーリーが流れていくものもあるが、それがなかったのが飽きた理由だと思う。

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著者プロフィール

1929年東京都生まれ。10代の頃から小説を発表。推理小説の翻訳にも携わり、早川書房で「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」の編集長を務め、「ハヤカワ・SF・シリーズ」の創刊に尽力。61年『やぶにらみの時計』を発表。以後、評論やエッセイでも活躍。2001年に『推理作家の出来るまで』で第54回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)を受賞。02年に第6回日本ミステリー文学大賞を受賞。03年逝去。

「2022年 『誘拐作戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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