シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書) [Kindle]

制作 : 堀茂樹 
  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  •  国の衰退は多様性を失う形で表面化する。この本は文章が難しすぎるのでもっと簡単な表現に置き換えるべきだと思うが、書かれている事実はとても重要。
     失業率の高さ、特に若年層における失業率の高さは、一方で単に平等を求めつつ、他方でイスラム教への恐怖症というねじれた形を生み出してしまう。イスラム教というか、厳密には本来の宗教とは関係のないISはたまたま起こった外部からの要因であり、昔の自由なフランスであれば、移民を受け入れる形で、つまり多様性を守る形で対応したはずである。
     今、それができないのは、フランスという国が高齢者層と若年層、高所得者層と低所得者層で分断してしまっており、何か声をひとつにする好機として、イスラム教、移民への対立を示すしかないからである。
     アメリカも同じ。抱えている問題の本質としては日本も同じ。

  •  フランスを実証的に読み解く。しかし読書中に日本の政治問題を同時に想像せずにはいられない。
     もちろん日本においての実証データが十分そろっているとは言い難いため、断定には慎重でありたい。それでも、なお似ていると思わせる。また物事を多面的に観よと教えられているようでもあった。
     日本でも社会運動において叫ばれる「我々」とは誰か? 分断しているものは何か?
     真に連帯するためには階層上位の者がその責務に目覚めなければならないだろう。でなければ、海外のものを取り込むことが得意な日本が、今度は過ちを輸入することになりかねない。
     

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プロフィール

1951年生。歴史人口学者・家族人類学者。フランス国立人口統計学研究所(INED)に所属。76年、『最後の転落』で、弱冠25歳にして旧ソ連の崩壊を予見し、フランス・アカデミズム界に衝撃を与える。その後、歴史人口学の手法で「家族構造」と「社会構造」の連関を示し、全く新しい歴史観と世界像を提唱してきた。主要な著作として『世界の多様性――家族構造と近代性』(99年)『新ヨーロッパ大全』(90年)『移民の運命』(94年)『経済幻想』(98年)『帝国以後――アメリカ・システムの崩壊』(02年)『文明の接近――「イスラームvs西洋」の虚構』(07年)『デモクラシー以後』(08年)(以上、邦訳藤原書店)などがあり、近年は大著『家族システムの起源』を出版。

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