坂の途中の家 [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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感想・レビュー・書評

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  • リアルだな、心に迫ってくる。
    「子育てする母親が抱えるもろくて、繊細で、ささいなことでも怯えてしまう心持ち」と、「人が無意識のうちに行使してしまう悪意」が裁判員裁判を通じて浮き彫りになる。
    重くて暗いテーマだが、読後にイヤな気分にはならなかった。

  • なんだか無性に角田さんの作品が読みたくなって、気になっていたコレを読んだ。相変わらず、どんなホラーよりも怖かったです。
    どこまでが取材に基づくもので、どこからが角田さんの想像なのだろう。角田さんの小説を読むたびに、ひとりの人間を描き込む描写力、それを支えているだろう想像力に圧倒される。小説の可能性ってほんと無限だなと思ってしまう。
    読んでいるうちに、自分の中に封印していた記憶がずるずると引きずりだされて、胸が苦しくなるのも、いつものこと。主人公は、補充裁判員として、乳児虐待殺人事件の裁判に通う羽目になるのだが、加害者である母親の証言が、どこまでが本人の思い込み・被害妄想かわからなくて、それを真剣に考えれば考えるほど、自分と周囲の人々との関係性まで、だんだんわからなくなってきて、容赦なく自分のダメさ加減を突きつけられてしまう。で、このわからなさは、しまいには読者である私にも伝染し、自分の生活までグラグラに揺らいでいるような気がしてくるのだ。怖い怖い。←この感覚・三重構造は今までになく新しいと思った。
    ただ、前回読んだ『笹の舟で…』は、主人公が私より年上だったため、自分の運命を呪われたような、恐ろしい予言を聞いてしまったような、とてつもないダメージを受けたけれど、これは、「幼児をもつ母親」というすでに通り過ぎてきた時代を描いているため、ダメージ自体は最小限で済んだ気がする。
    というか、ダメージ受けるとわかっていながら、読まずにはいられないって、どんだけなの……。

  • 1か月ぐらい前に読んだ角田さんの本ですが
    なんか気持ちの整理がつかなくて、プログに書けませんでした。

    角田さんらしい、繊細な女性の悩みを描写した作品ですが
    どうも男にはこの辺の機微が分かりづらい。
    子育てってこんなに難しく、悩み苦しむものなのか
    読んでいても怖さこそあれ、共感は全然できませんでした。

    ただ一番身近な自分の奥さんがここまで繊細な人じゃなくてよかった、というのが
    率直な気持ち。
    できれば周りの女性に読んでもらって感想を聞いてみたい作品ではあります。

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プロフィール

角田 光代(かくた みつよ)。
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。

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