岸辺の旅 [DVD]

監督 : 黒沢清 
出演 : 深津絵里  浅野忠信  小松政夫  村岡希美  奥貫薫 
  • ポニーキャニオン (2016年4月20日発売)
3.07
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本棚登録 : 128
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013533585

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  • 2015年 日本 128分
    監督:黒沢清
    原作:湯本香樹実『岸辺の旅』
    出演:浅野忠信/深津絵里/蒼井優/小松政夫/柄本明/奥貫薫
    http://kishibenotabi.com/

    原作は文庫になったときに既読。原作は、死者との旅、死んだ人間がまるで生きている人間と同じようにふるまうという基本設定はとても好みだったのに、どうもヒロインの性格が苦手で共感できず、結果個人的にはイマイチという印象だったのですが、映画は深津絵里ちゃんと浅野忠信というキャスティングが魅力的だったので、もしかして原作より入り込みやすいかも、と期待。うん、やっぱり深津絵里ちゃんはいいなあ。原作ではただ未練がましく優柔不断にしか思えなかったヒロインの言動が、彼女が演じるだけで美しくて健気でひたむきで可愛いと思えて良かったです。

    ただ監督が黒沢清なので、随所でホラーっぽい演出を入れてくるのがちょっとこの作品のテイストには逆効果だった気がします。死んだ人が生きている人に混じって当たり前のように生活し、ご飯食べたり眠ったりして暮らしている不条理ワールド。その淡々とした世界観に、突然ジャーン!幽霊出ました!っていうホラー的手法使っちゃうのはどうかなあ。廃墟になった新聞配達所のシーンとか、大仰な音楽がこれでもかと流れて、切羽詰まった顔で走り回るヒロイン、わりと長尺。あれもっと、さりげなくしてほしかった。食堂のピアノのエピソードも、わかりやすく急激に明るかった部屋が暗くなってゆき、はい、幽霊出ますよフラグ。滝から突然出てきたお父さんも無駄に怖くて、何を伝えに出てきたのかわからない。生者と死者の境界のない不条理な世界観を「幽霊怖いよね。死んだ人だもん」にしちゃったらダメな気がする・・・。

    カンヌのある視点部門で監督賞を受賞したそうですが、ふと思い出したのはやはりカンヌでパルムドールとったタイ映画の「ブンミおじさんの森」。あれも死んだ人が当たり前のように帰ってきて、生きてる人と一緒に飲み食いしたり旅したりする話だったっけ。カンヌはそういうのが好きなのかな。

    キャストはみんな良かったと思います。とくに愛人役の蒼井優は怖すぎた・・・あ、ホラーな怖さじゃなくて女性のしたたかさみたいなのがすごい表現されてて。最近たまたま「死の棘」を読んだばかりだったので、妻と愛人の対決に無駄に震撼しました(苦笑)ただこの愛人エピソード自体は原作の時点でものすごく違和感あって共感できなかった最大要素で、これがあるがゆえに、ヒロインが夫と死んだあとまで一緒にいたい心情が全部ウソに思えちゃう。愛人への対抗心だけで「夫は生きて私のもとへ戻ってきました」って言っちゃう妻(でも完全に敗北)の見栄やプライドが、映画の中でも最終的なテーマと乖離していて微妙だった。

    愛人作ってた上に勝手に失踪した夫、たぶん死んでるんだろうけどわからなくてモヤモヤ、その状態から残された妻が、死者との旅を通してすべて吹っ切り立ち直る、という表面的な筋書きだけ追うならそれなりに悪くない映画だと思うけれど、淡い色彩のなかに、ちょいちょいどぎつい色の違和感が紛れ込んでいる気がして、自分はどうも消化不良でした。

  • 死と生、
    主格と客体、
    過去と今との、
    多次元的な境界線がわからなくなる。

    黒沢清監督で、
    始まりからこの冷たさがある色調から、
    あれ?
    夫婦の物語とだけ思っていたのに、
    ホラーなの??
    って、驚いた。
    秘められた細かな意味を汲み取るには、
    何度も鑑賞する必要がありそう。

    あー、それにしても!!
    浅野忠信と深津絵里、
    すんばらしいな。

  • ファンタジーであり不条理であり寓話でありロードムービーでありコメディでありハートウォーミングものでありホラーでもある。

    浅野忠信はもとから魂の抜けているような顔。なのにチャーミングという。
    ばっちりの演技。(空も風も痛いという凄まじい台詞は、そこらへんの役者には言えないだろう。)
    深津絵里は静かに悲しみを持続しているような顔。
    だからこそ笑顔や笑い声が嬉しい。
    怒った手つきで白玉団子を作るとか、いい。
    なにやかやと手仕事をする所作も素敵だ。
    蒼井優の自信たっぷりのしたたか悪女。
    ほか、小松政夫をはじめとして「いいツラ構え」のおっさんたち。

    旅は4つに分割できると思うが、「自分の死に気づかない人」と生者のそれぞれの在り方を見届けることで、自分たち夫婦の在り方も決着をつけようと決意する。
    死者の未練、生者の執着、それぞれがお互いを引き止めたり引っ張ったりする。

    この均衡不均衡は、生者死者だけでなく夫婦の関係性でもあるのだ。
    死後でも「愛の確認」をしなければならないとは。(恨みの幽霊は存在しない。)
    そして普段の生活では自分に見せてくれなかった「別の顔」を見て、理解を深めていく。

    生死の境界や通り道は、黒ではなく白や霧や湯気のイメージ。

    全編仰々しいとともに美しく幸福なオーケストラ。
    これも清節と思えてしまえるくらいには盲目的信者である。
    しかし、ここまで不穏なのに幸せな感動に浸れるのは、もう清でしかありえないのではないか。

  • 夫婦の心の旅――
    いつまでも探してしまう愛の行方

    深津絵里のかわいい奥さんが幸せそうに笑うのが好きで、いつまでもふたりの旅が続けばいいのにと思った

    だんなさんの浅野忠信が宇宙の話をはじめたところで
    あぁ、この旅は「銀河鉄道の夜」なんだなと気づいて、不可思議だった色々がすとんと心におさまって心の準備ができた気がした

  • 不思議なというか、よく分かるようで分からない映画だったかも。映像化するには難しい原作かも。その分、監督の物語に対する捉え方や主観が大いに出た作品かもしれない。

    W主演の深津絵里と浅野忠信。どちらが突出する事もなく、うまくかみ合い溶け込んでいる。この二人だからこそ、映画になった。

    映画を観た後で、原作も読んでみたくなりました。そして、色々と考えたり、思ったりする。原作の方が楽しめるような気がしました。

  • BSプレミアムにて。なんともつかみどころのないファンタジー。現世に未練を残す死人が姿を現すのはまだいいとして、じゃなんでまた浅野忠信が自殺したのかがさっぱりわからず。

    ちなみに、浅野忠信はあまりセリフがうまくないので、実はこういうファンタジー風の作品のほうが合っているのかも。

  • スッキリしません。

    途中、もしかして二人とも幽霊?って思ったけど、そういう訳でもないみたい。

    あやふやさも現実かな。

  • なんだかピンときませんでした。

  • 三年前に失踪した死者の夫が、ある日突然、妻のもとに戻ってくる。そして、二人の旅は始まる。独特な空気感と世界観をもつ映画。

  • 浅野忠信 深津絵里 小松政夫 柄本明 神奈川県山北町 蒼井優 歯科医 ピアノ教師 ビッグバン アインシュタイン 光の粒子 銀河系 138億年 新聞屋 餃子 日野市 風邪をこじらせて死んだ また会おうね 滝 洞窟 18歳の姉と10歳の妹 黒沢清

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