母という病 (ポプラ新書) [Kindle]

  • ポプラ社 (2014年1月7日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 2023/09/17 Kindle

  • 本書を購入したのは、長谷川博一『殺人者はいかに誕生したか』を読んだのがきっかけだ。長谷川氏は「犯罪者はすべて愛着形成に問題を抱えていた」と言い切る。親子の関係はそれほどまでに重要なのだ。
    本書の冒頭に「親に愛されたいという気持ちはどんなものより純粋だ。この世に唯一の純粋なものかもしれない。」とある。子どもにとって、無償の愛を注いでくれる母親は安全地帯である。母親に愛されずに育つと、基本的信頼感や安心感を持つことができない。そして、傷つきやすくネガティブな反応を起こしやすくなり、怒りにとらわれやすくなる。
    さらに母親になったときにも、オキシトシンがうまく分泌されないために子どもを愛せなくなる。オキシトシンは母性の源となるホルモンであり、これがうまく分泌されるかどうかは、幼い頃に愛情深く育てられたかどうかで決まるのだ。
    母親の振る舞いや考え方が子どもの心に刻み込まれていく。物心がつく前から偏りが植え付けられ、その偏りが世界の軸となる。祖母から母へ、母から子へ、子から孫へと連綿と続く偏り。その「偏りの連鎖」は仏教的には業であろうが、それを創造の源泉にした有名人も多い。本書で紹介されているのは、ヘルマン・ヘッセ、ショーペンハウエル、岡本太郎、宮崎駿、曽野綾子、ジェーン・フォンダなどだ。
    いまなぜ「母という病」が増えているのか。その原因について筆者は、社会進出によって女性がゆとりを失ったせいではないかと推測している。そうか、現代社会は女性が男性化したのだ。女性の社会進出とは「男性と同じように働く」ことを意味する。
    長谷川博一も『お母さんはしつけをしないで』の中で、母親が父性化していることを指摘している。

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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