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- / ISBN・EAN: 4988105071520
感想・レビュー・書評
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いわゆる今風のベタな"珠玉の感動作"を求める人には悪くないかもしれない。
ただ自称"寅さん&山田"ファンから見て、本作は非常に残念な作品。
まず本作は「父と暮らせば」のオマージュ作品だと思うが、戯曲的な雰囲気はない。
またハリウッド的な幽霊(天使)モノとしも、その前フリ(幽霊会のルール、人間との付き合い方など)が全く語られていない。
※たとえ母子であれ、死んだはずの息子が突然現れたら何らかのリアクションはあるはず…
それに、幽霊が足音を立てたり、障子戸を開けたりするシーンはどう考えてもおかしい。
また若い頃の山田監督なら戦争の馬鹿らしさを皮肉とユーモアで表現できたはずだが、本作ではその片鱗も観ることができない。
そしてその極め付けはは、教会の通路を母子で歩く姿と、本作とは全く関係ない市民コーラス団による追悼曲。
コテコテの"お涙頂戴"の演出に、折角こぼれた涙も一気に乾いてしまった。
あと「母べえ」からずっと訴えていたことだが、吉永小百合さんにお母さん役をさせるのは根本的に無理がある(確かにモンペや割烹着が似合う30~40歳女優が品薄なのは確かだが…)。
とにかく、脚本と演出次第では全然良い作品に生まれ変わる要素があるので非常に残念なり…
追伸
もしも私が本作の脚本家なら…
①息子が幽霊であることをギリギリまで明かさない(シックス・センス型)
②息子が幽霊であることを熟知した上で、母が息子の無念を晴らしたり希望を叶える(ゴースト型)
③夢と現実が交錯したもの(鉄道員型)
という妄想…詳細をみるコメント0件をすべて表示