僕らのごはんは明日で待ってる (幻冬舎文庫) [Kindle]

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  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • ちょっと疲れ気味なので、読みやすいものを読みたくって、なんとなく手に取った本。

    それぞれの過去にはいろいろなことがある。
    性格が全然違うように見える高校生2人が大人になっていく。

    ほのぼのとしたいいお話。


    だけど、えみりさんがかわいそうすぎる。

    「亮太、上村さんのことを話す時、俺たちは って言ってたの」

    そちらに感情がいってしまうのは、きっとモテない自分だからかな??

  • 兄の死後、人と関わるより本を読んで過ごしていた亮太に気軽に声をかけ、亮太が大学進学を決めるきっかけにもなった小春。
    彼女は常にあっけらかんとマイペースだが、両親不在で祖父母に育てられていた。
    そんな二人が大人になり、紆余曲折はあったものの、当然のように結婚する。そして、自分たちの家族を作ろうと思っていた頃、小春の子宮に肉腫が見つかる。

    いろんな試練があっても、その人がいるだけで、ほっとしたり、生きていたいと思えるようなパートナーがいることは、何て素敵なんだろう。

  • 一人でだって、生きてはいける。でも、あなたとだったらもっと楽しい。

    本当にこの言葉の通りな作品で、ほのぼのしてるけど悩みながらも前向きに生きていく姿が印象的だった。

  • 瀬尾まいこは本当に上手い。会話に無駄がない。人物に嘘がない。悲しいこと、ままならないこと、不条理なこと。マイナスなことを描いてこれほど暖かく前向きで、なおかつ おしつけがましさや、説教くささが全くないというのは奇跡のようなことである。

    ちょっと面倒くさいけど、とても真摯なふたり。
    家族というのはこうありたいものです。

  • 大好きだった兄を亡くしてから、人と関わり合うことを避けるように人の死を扱う本ばかり読んでいた亮太。高校3年の体育祭、小春と一緒の競技に出ることになって、少しずつ小春に心を開いていくようになる。高校、大学、そして社会人と2人の時間を過ごしていく2人だが、小春の体に不調が見つかり…。

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    瀬尾さんのお話はいつも温かい。へんに泣かせにかかることなく、どちらかというと淡々としてシンプルな言葉づかいなのに、すごく温度を感じる。その魅力は、いつもサバサバしていて、振られても「あっ、そう」とあっさり去っていく小春の姿に凝縮されているように思った。亮太にやさしい言葉なんてかけてくれないけれど、それでも大切に想っていることがわかる。

    べたべたするわけでも、愛を語るわけでもないけれど、気づくと2人でいる。ケンタッキーやガストで他愛ないおしゃべりを重ねる。こういう2人でありたいな、と素直に思える物語だった。

  • 思い描いてた未来になれなくても、
    愛してる人と一緒にすごすこと自体、
    幸せだよね、
    って話。

  • 家族の死という経験から自らを閉ざしてしまっている学生男子と無意識かつ純粋な心でそれを開かせようとする学生女子のやり取りが耳に心地よくて何度も思わず。ラストはまさに’雨降って地固まる’?それとも’地’は初めからしっかり固まってた?

  • 読感文用に読んだけどう〜ん。ごはんの話出てこない

  • 瀬尾さんの作品はとっても優しい。登場人物を取り巻く環境は結構ハードなものがあったりするが,みんなそれをなんとか乗り越えて,優しさの境地に達している。それがとても心地良い。

    一人きりの兄を病気で失って,その悲しみから,一人の殻に閉じこもるようになってしまった高校生の葉山亮太。高校に入ってからも極力他人との交流を持たずに過ごしてきた。三年の秋の体育祭の参加種目を決めるクラスの話し合いも殆ど聞いていなかったら,「コメブクロジャンプ」というエキセントリックな種目にエントリーされてしまっていた。二人一組でする競技だが誰も葉山と組もうとする人がいなかったせいで,体育委員の上村小春という女子と一緒に組むことになった。本番に向けて仕方なく練習している内に本気になってきて,本番ではごぼう抜きでチームの1位に貢献する。すると,上村から突然告白され困惑してちゃんと返事ができなかった。その後なんとなくクラスのメンバーとも馴染めるようになって,自分が変わったことに気づく。そしてそれがすべて上村と関わったことから始まったことに気付き,意識するようになる。高校は進学校だったが,葉山は進学するつもりがなかった。しかし上村を意識するようになり,上村と同じ大学を受けようと思い立つが,上村の志望大は女子短大であった。しかたないので,上村の行く短大に最も近い大学に行くことを決める。そんなこんなで2人は付き合うようになり,進学後もお互いの大学の近辺で頻繁にデートするようになる。しかしちょっと変わり者の2人だけに何事もなく関係を深めていくというわけにはいかない。そんな2人の一風変わった心温まる物語。

  • 高校時代の体育祭で米袋ジャンプのペアになった二人。映画を見たので、主演女優のイメージが離れなかったが、読後感は、映画とは微妙に違った。葉山と小春の信頼関係が揺るぎない、ハッピーな物語である。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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