- Amazon.co.jp ・電子書籍 (180ページ)
感想・レビュー・書評
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デジタルネイティブであるこれからの世代と、その親世代。両者の中間を生きる著者が、その橋渡しをするために書いた本。従来の価値観においてはホワイトカラーが良しとされてきたが、デジタルネイチャーの時代に求められるのはクリエイティブクラスであると説く。人間とコンピュータの境目が無くなる中で、使われる側に立つのを避けるにはモチベーションを持つしかないと。
一種の哲学のような、自分とは違う価値観、世界観が体験できる面白い本だった。
●「魔法をかける人」になるか、「魔法をかけられる人」になるか
映像の世紀から魔法の世紀へ。裏側のハードウェアを意識させずユーザー体験を提供する魔法、デジタル社会のブラックボックス化としての魔法。映像によりマス向けに画一的な方向を向かせていた時代から個人の時代へ。ガッツはレッドオーシャン。モチベーションの有無によってコンピュータを使うのか使われるのかが変わる。
●人はやがてロボットとして生きる?
クラウドソーシングというコンピュータ。オリジナル以外は淘汰される。ヒューマン・コンピュテーション、インタフェースとしての人間。暗黙知や専門知識というリソース。唯一無二であるクリエイティブ・クラス。ホワイトカラー向けの教養リベラルアーツ、手を動かす人間向けのメカニカルアーツ。
●いまを戦うために知るべき「時代性」
脱魔術化(=原理の解明)を経ての再魔術化(=ブラックボックス化)。オリジナリティの必要性。時代が進むことによって解決可能になるものは変わる。革新的な発明やサービスのプラットフォーム化。形式知を暗黙知にする思考体力。語学力ではなくロジックが大事。幸福と成功は違う。ワークライフバランスではなくワークアズライフ。
●「天才」ではない、「変態」だ
秀才のようなジェネラリストでもなく、天才のような狭い専門分野でもなく、広いレンジで専門性を持つ変態。既成概念を取り払い、素人のように考えて玄人のように実行する。
●エジソンはメディアアーティストだと思う
プラットフォームを生み出し文化的な変革をもたらした。人間とコンピュータが一体のデジタルネイチャー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難しいけどためになった。
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自己啓発
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きちんと物事を考え、研究してきた人による、これからの世界の方向性を踏まえた生き方の指南書
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・IT世界が進む中、自分の専門性を磨くことが重要(ジェネラリストよりスペシャリスト)
・PCに使われる人間ではなく、協業をできるスペースを探すこと。(常に思考し続ける習慣こそが大事)
・Uberのようなマネジメント管理(中間管理職)をITが代替していく時代が到来するので、その仕組みを作れる側に回ること。PCに踊らされる人材にならないこと。 -
コンピュータ、インターネットが普及し、更にAI技術が発達した先にどのような社会が待ち受け、人間はこれに対してどう生き抜くか、といったことが書かれています。今までホワイトカラーがしていた仕事は自動化され、多くはコンピュータの下請け的な働き方になるだろうと、著者は予測しています。また、そういった時代にこれまで以上の価値が認められるのは誰にもシェアされていない暗黙知だと書かれています。従来はホワイトカラー、ブルーカラーの二極が存在していたが、次のパラダイムではホワイトカラーの役割が縮小し、代わりに暗黙知を持つクリエイティブ・クラスという第三極が時代を先導するとしています。理路整然とした説明で読みやすく、また自分の今後の身の振り方の参考になる良書です。
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刺激的。自分が「魔法をかけられる側」「コンピュータいとってかわられるホワイトカラー」のままでいるのか、「魔法をかける側」「クリエイティブ・クラス」「コピーできない暗黙知をためる人」になっていけるのか。自分お「市場価値」はいつが最大なのか。。
わくわくする気持ちと、危機感とがないまぜになった心持ちがしている。
もう5年、10年、と時間がある程度経過する都度、答え合わせをするかのように読みそうな本。