- Amazon.co.jp ・本 (44ページ)
感想・レビュー・書評
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ハンセン病について、
ハンセン病を患うということについて、
子供の患者がいたことについて、
初めて知った。
肉体が滅んでいく恐怖。
精神が崩壊していく恐怖。
周囲の偏見。
家族の複雑な愛情。
読んでいて、しんどくなったけど、読んでよかった。
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目を背けたくなる人間の外見描写、でもいつか向き合わねばならない。人間としては死に生命として生きている状態。
死ねると安心すると心臓がドキドキする矛盾に潜むものとは。 -
100分で名著で説明されている最中である。昔読んだような気がしたが忘れてしまったようである。東村山の全生園に北条民雄が入って描写した1日の小説である。テレビでは川端康成が絶賛したと書かれていたが、あとがきでそうしたことが書かれていたかは怯えがない。しかし施設に入ったところでどのように思うのか、についてよくわかる。
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「(…)僕思うんですが、意志の大いさは絶望の大いさに正比する、とね。意志のないものに絶望などあろうはずがないじゃありませんか。生きる意志こそ絶望の源泉だと常に思っているのです。(…)」
ハンセン病文学は読んだことがなかったが、社会的な死の絶望と病気によって外見が変わっていってしまう恐ろしさ、強烈な痛みや臭いまでも伝わってくるのが恐ろしかったし、隔離されていた人々のことを忘れてはいけないとおもった。
一度入ればもう出てこれない、重病者の看病もしつつ死をそこで待つだけという生活がどれだけ苦痛に満ちたものだったのか。
小学生の時に東村山のハンセン病資料館に行ったのを思い出した。感染症だから誰でもなってしまうのに、一度なったら家族とも故郷とも縁を切られていなかった存在になってしまう不条理さ。 -
この「いのち」の描写に触れたことを、うれしく感じています。