これからのエリック・ホッファーのために 在野研究者の生と心得 [Kindle]

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  • 東京書籍
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感想・レビュー・書評

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  • これから何度も読み返す。

  • p.2020/8/7

  • Kindleのセールで見つけて面白そうだったので。

  • ○読み、書き、調べ、考え、まとめ、発表する一連のプロセス。
    ○まだ踏まれたことのない幾千の小径がある。
    ○資料はできるだけ事前に内容を確かめてから購入すべし。
    ○地位を過剰に意識するな。
    ○成果はきちんと形に残せ。
    ○様々な人とのコネをつくっておくべし。
    ○助成金制度を活用しよう。
    ○仕事場で研究の話をするのは厳禁。
    ○平易な表現や文体に努めるべし。
    ○コミュニティをつくったら定期的に飲み会も開くべし。
    ○知の翻訳を心がける。
    ○労働に対して生半可にやりがいなど求めず、研究(やりたいこと)と生活(やらなければならないこと)をきっちり分けて、それぞれを独立させようとする
    ○話し手書き手の一般的な認識の上に立たぬものは言語ではない。
    ○図書館で中身を確かめてから購入するかどうか決めることで、無駄な出費を抑える。
    ○1にならずとも、0.5や0.6を積み重ねていく小数点的な営みこそが、両立の努力の本質である。
    ○たえず先へ先へ進むのが独学者の精神ですから、社会的評価というのは、独学者にとってはある意味で邪魔でもあるわけです。ほんとうの独学者というのは、それを無視できるわけで。
    ○地位を過剰に意識するな。
    ○何もなくても夢や勇気があれば、それで最強だ!
    ○高群36歳のときから始まる門外不出、面会お断り、一日平均10時間勉学の〈森の家〉研究生活はなんとその後、33年間にも及んだ。
    ○たとえ十分な研究時間が確保されずとも、牛歩のペースであれ持続的に前進することが充実した研究を残す秘訣となる。
    ○学問や芸術は常に平民的、在野的でなければならない。官僚的であつてはならない。その力は実質的、内容的でなければならない。形式的、地位的であつてはならない。
    ○民衆、市民、常民、ありゃなんじゃ。どこにも実体のない、われわれの共同幻想。
    ○シンポジウムの語源が〈饗宴〉であったことを忘れなければそれでいい。
    ○羞恥心は研究者の天敵である。
    ○機構を変えることよりも、下からの力の積上げで盛り上がる力を一歩一歩積み上げていく、むしろそっちの努力の方に興味がある。
    ○専門家同士が連帯するのではなく、ひとりで全てこなす
    ○簡単に自分で自分の限界を設けないこと。

    さあ、勉強しようと思うために読んだ。

  • いいですね〜。煽りが。読みたい。

    <blockquote>本書では何度か〈あがき〉という言葉が出てくる。たぶん、これは象徴的な言葉だ。

    著者は「あとがき」の中で次のように書く。

    いうまでもなく在野研究者のほとんどは無視されるし、実際の能力として正規の研究者にしばしば劣り、反応されたとしてもトンデモだと呼ばれ、労働とのバランスも多くの場合に崩れがちになるだろう。私もまたそのような無名に埋没する無数の研究者の一人である。

    自嘲的ではないが、現実的だし悲観も伴う。でも、著者は続ける。

    しかし、それならば研究などやらず済ませることができるのだろうか。無論、済ませたとて悪いことではない。けれども、もし自分のなかにそれで済まない志を感じるのならば、たとえ不細工に終わるのだとしても、やってみることに価値がないとは思わない。

    これは希望の言葉だろう。少なくとも、私にはそのように感じられる</blockquote>

  • 『本当に学ぶ事が出来る人は、大学の外にいる人々である。』 施設・設備・学閥不要で、現場学習が有効な民俗学などが、在野研究向けジャンルの様だ。 道標たる四十からなる『心得』も描かれているが、南方熊楠ほか取り上げられた16名の破天荒な評伝を読む限り、この道を躊躇するのが妥当であろう。 が、そこを乗り越えた処に生き場所があるのだろうな。

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著者プロフィール

1987年東京生まれ。在野研究者(専門は有島武郎)。明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了。2015年、第59回群像新人評論優秀賞を受賞。著書に『これからのエリック・ホッファーのために――在野研究者の生と心得』(東京書籍)ほか、『貧しい出版者』(フィルムアート社)、『仮説的偶然文学論』(月曜社)、『無責任の新体系』(晶文社)など。

「2019年 『在野研究ビギナーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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