資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか [Kindle]

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  • 資本主義経済体制の世界史 秀逸!訳文も☆☆☆ 
    産業革命を機に未曾有の経済発展を実現
    その成功ゆえに「地球環境の制約」という新たな本質的課題に直面している
    加えて「コロナ禍」が加わり、経済体制の見直し・改革論が噴出してきている
    マルクス資本論ブームはその象徴である
    著者は軽々に資本主義経済体制の終焉論には与しない
    代わり得る体制が明らか出ないこと、資本主義はまだまだ使える体制と評価
    しかし新自由主義の行き過ぎは是正しなければならない
    ケインズ的な「マクロ管理」の強化を主張する
    地球という視点で、社会インフラ・ネットワークの再構築を行うと言うことである
    短期的効率主義により、電力・鉄道・通信・道路・教育・医療といった
    「社会共通資本」は社会的公正からは乖離してきた
    これを民主主義により改革していくことが現下の課題
    バイデン米国大統領の施政方針と重なるものがある
    民主主義の信頼・信認を取り戻さなければ人類に未来はない
    ①世界のバセンスシートの拡大には警鐘 「スーパーバブル」ははじける
    ②世界史では「中国一強」かほとんど 1840年から植民地化が異例
     習近平は世界史の流れを元に戻す 回帰させ正すという考えではないか
    0.資本主義
    資本の増殖 指数関数的な成長 ←等価物の交換から生まれる
    スーパーバブル(ソロス) 10年で3つの金融危機
     ①ITバブル②サブプライム③ユーロ危機
     ドイツの海外損失は6,000億Euro!
    産業革命は英国から 最も賃金の高い国⇒生産性の向上は機械化
     資本主義は実質賃金が上がる限り、安定して発展する
     「おカネ」ではなく「資本」が鍵

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著者プロフィール

ドイツの経済ジャーナリスト。1964年生まれ。銀行勤務を経て、ベルリン自由大学で歴史学と哲学を専攻。2006年より日刊紙『taz』で経済部門を担当。著書にHurra, wir dürfen zahlen - Der Selbstbetrug der Mittelschicht, Frankfurt a.M., 2010(『バンザイ、払ってもいいんだね――中間層の自己欺瞞』)、『資本の世界史』(猪俣和夫訳、太田出版)、『スミス・マルクス・ケインズ――よみがえる危機の処方箋』(鈴木直訳)、Deutschland, ein Wirtschaftsmärchen: Warum es kein Wunder ist, dass wir reich wurden, Frankfurt a.M., 2019(『ドイツ・経済物語――われわれが豊かになったことは、なぜ奇跡ではないのか』)などがある。

「2020年 『スミス・マルクス・ケインズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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