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- / ISBN・EAN: 4910049010662
感想・レビュー・書評
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新連載古川日出男さんの「ミライミライ」第 1 回・150 枚。
とても彼らしい作品で次も読みたい。
内村薫風さんの「鏡」。交錯する3 つの話が不思議な感覚。
古井由吉さんの「ゆらぐ玉の緒」。これ連作?ゆらいでいるなあ。
津村節子さんの「切り取られた世界」。年寄りはコケるとすぐに骨折をする。
絲山秋子さんの「新月とマリンバ」。超短編。
太田靖久さんの「ろんど」。うーん。
第42回川端康成文学賞受賞作、山田詠美さんの「生鮮てるてる坊主」と選評。
村上春樹さんと柴田元幸さんの翻訳で、「アレン・ギンズバーグ、五篇の詩」。
新潮は守備範囲が広いな。
平野啓一郎さんの「アルゲリッチの《夜のガスパール》のために」。
福田和也さんの「食うことと書くこと」。
ここらで半分。
村田喜代子さんの「エリザベスの友達」。朝吹真理子さんの「TIMELESS」。島田雅彦さんの「黎明期の母」。も読んでお腹いっぱい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新連載古川日出男「ミライミライ」今度こそ続けて読めるかな。古川氏の作品はいつも途中で挫折。その他「新月とマリンバ」絲川秋子、タイトルで「食うことと書くこと」福田哲也等読む。文芸誌は基本ざっと読みの姿勢ですが、なんだかんだと気になる作品多数。特に本号は第42回川端康成文学賞受賞作「生鮮てるてる坊主」山田詠美のすばらしさよ。山田氏の繊細な表現力、男と女、そして女と女の関係性の描写にはひきつけられずにはいられません。
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新潮6月号は購入せずに立ち読みです。
どういう風の吹き回しか、この号にはアレン・ギンズバーグの五篇の詩の翻訳が載っています。
深入りした高校生のときに茶目っ気だして私も訳したことがあったか なかったか、もう忘却の彼方でよく覚えていませんが、はたして柴田元幸ならまだしも村上春樹の訳で読まされるはめになろうとは。
私め一応は彼の手になるスコット・フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァー やマーク・ストランドやジョン・アーヴィングや ポール・セローやC・D・B・ブライアンやサム・ハルパートの訳本およそ20冊ばかりは読んできましたが、小説同様どうもです。
ところで久々のギンズバーグですが、そのなかの『吠えるへの脚注』の一節に、私 震撼してしまいましたのでした。
詩の一部分の抜粋に何の意味があろうかと狼狽しながら、紙も筆記用具もないので得意の瞬間暗記術でそらんじてまいりました。
・・・・・・・・・むせび泣き咳こむ車のはらわたと、
錆びついた舌を持ったさびしい空き缶と、
ああ、ほかにどんなものをあげりゃいいんだ、
灰になったちんぽこ葉巻と、
手押し車のおまんこと、
自動車のミルク色のおっぱいと、
椅子の擦り切れたケツと、
発電機の括約筋とーそんな何もかもが あんたのミイラ化した根っこにもつれあってる・・・・・・・・・・
私がとことん心酔/溺愛したギンズバーグって、こんなに野蛮で下品で下ネタでしたっけ、と今日は混乱したことこのうえない日でした。