和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人 (角川文庫) [Kindle]
- KADOKAWA (2016年4月23日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (335ページ)
感想・レビュー・書評
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2013年にクーリエで紹介されていた書籍で、10年越しになったがようやく読めた。
安田峰敏さんの本ということで期待値も高かった。
実際に読んでみると、まず文章に青臭さが目立った。安田氏はもう少し警戒で切り口のよい文体のはずだけど、本書はどうにも演出感が目立つ。そしてあまりうまくいってない気がする。
登場人物については、風俗嬢やヤクザは距離のある世界だったので裏側が知れて面白かった。また、ヒロアキさんのような人が存在すること、その存在を通して描かれる農村事情も面白かった。
安田氏の中国に対する眼差し、社会の解説も面白かった。
ただ、知らなかったこともいっぱいあったけど、思ったほどのサプライズでもなかった。中国の価値観は現地でみて、すでに肌感覚があったので、まあそんなもんだよね、という感じで、新しい話や驚きにならなかったのだと思う。ルポについても、もう少しディープな人がたくさん登場するのを期待してはいた。
とはいえ全体におもしろかった。
これが2012年と過渡期以前の本なので、その後についての安田氏の文章も改めて読みたいところ。
■本書に登場した人
・ヒロアキさん(雲南省の村人と結婚して現地で過ごす2ちゃんねらー)
・中国に出稼ぎに行く風俗嬢
・上海の日本人駐在員
・中国で組を立ち上げたヤクザ
・日中友好協会詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
P.2020/2/11
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中国に深く入り込む、あるいは日本より中国との関係に重きを置く人々に取材したルポ。ひとつの法則がある訳ではないが、中国に惹かれる人々の思いを、日中の比較も踏まえながら、丁寧に掘り下げた書である。