銀河鉄道の夜 [Kindle]

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  • 2016年4月19日発売
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (74ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 気の置けない幼なじみとの二人旅。
    このままずっと何処までも続くと思っていた。

    銀河ステーションで貰える黒曜石でできた地図にお菓子の鷺。
    宮沢賢治の生み出すものは、子供も大人も欲しがるものばかり。

    「ほんとうのさいわいは、いったいなんだろう」
    カムパネルラとジョバンニ、二人で語り合った問いに対する答えは、大人になったジョバンニが自分自身で見つけ出してほしい。
    数多の星で創られた天の川の、何処かにいるはずのカムパネルラに今年もまた逢える。

    小さい頃に映画館で観たアニメ『銀河鉄道の夜』。
    当時は内容も知らずに観たため、映像が綺麗でとても神秘的な印象を持ったものの、訳の分からない内に終わってしまった感じだった。
    こうやって改めて文章で読むととても懐かしい。
    私も死ぬ間際は、カムパネルラのように銀河鉄道に乗りたいな。

  • お母さんの牛乳を取りに行く最中に眠りこみ、銀河鉄道に乗るという不思議な体験をする。銀河鉄道での旅を通じながら、本当の幸せとは何かを探る主人公の少年ジョバンニ。


    様々な出来事を通じて、幸せとは自己犠牲の上に成り立っているのでは、と思うジョバンニであるが、それでも本当の幸せってなんだろう、と自問自答を続ける。


    ****************


    幸せって何だろう。多分遡ること高校生くらいの頃からだろうか、考えるようになったと思う。


    テストでいい点数をとることか、学年で上位何番に入ることか、いい大学に進学することか、彼女がいることか、大手企業に就職することか、好きな人と結婚をすることか、自分の願う部署に就くことか、出世することか、仕事で成果を出すことか、昇進することか、大きな家に住むことか、高級車に乗ることか、高い年収を手にすることか、老いた親を安心させることか。


    年を重ねるに連れ幸せとは何かという問いに対する解答案が変化していく。


     幸せってなんだろう。


    というより今の僕の答えは何だろう。一つに絞るとしたら?


     妻をいつまでも思い、支え、愛し、二人で笑いに満ちた暮らしを続けること。


    これだ。あ、でもこれは結婚のときの誓の言葉と同じだってことに気がついた。まあ、変化しないこともある、ということでいいじゃないかと、変に自分に言い聞かせて、銀河鉄道の夜を読み終えました。

  • 小学生の頃アニメで観て、カムパネルラがいなくなるシーンが悲しすぎてトラウマで、これまで何度も本を読もう読もうと思いはしたけれども、その悲しさの印象が強すぎてなかなか読めなかった笑 けど、ついに。そして、やっぱ死ぬほど悲しい気持ちになった。。賢治はほんとに繊細な心を書くのが上手。車内で起きてることをイメージするのは難しい。話は結構難解。宗教性が強くて驚いた。ほんとうのしあわせのためにがんばろう。

  • 河合隼雄の「人生読本」を読み進めるうちに、先生が紹介される本に自分でも読んでみたいと思った本が多数あったのだが、その中でまずこの本を読んでみることにした。

    日本人なら誰もが知っているこの本、未読だけれども今さら読む意味があるのかという気持ちのまま今日まできたが、河合先生のオススメに背中を押され、夏休みの少しの夜更かしを利用して読むことにした。青空文庫に感謝。

    主人公ジョパンニとその友人カムパネルラの銀河鉄道の旅の物語。いや、主人公ジョパンニの夢の中の物語か。
    単なるファンタジーではなく、様々なとらえ方ができる小説だと思う。著者はハッキリとした結論めいたことで小説を締めてはいない。

    以下、ネタバレとなります。後日、何かの発見があるかもしれないので、自分なりの大まかな粗筋をメモっておくこととします。

    ***

    「午後の授業」では、理科の授業で、ジョパンニやカムパネルラが銀河についての授業を受けるシーン。

    「活版所」ではジョパンニが放課後、活版所でアルバイトをするシーン。

    「家」では、ジョパンニと病床に伏せる母親との貧しい暮らしのシーン。父親は出稼ぎで戻らない。友人のカンパネルラの家には、アルコールランプで走る汽車がある。

    「ケンタウル祭の夜」では、ジョパンニは祭りのために飾られた街で、「星座早見」を見つけ、その図に見入る。学校での授業も思い出しながら。しかし、祭の賑わいを通り越して、母のための牛乳を求めに行く。

    「天気輪の柱」 ジョパンニは、牧場のうらの丘の頂上に寝っ転がると、夜空に星がまばたき、そこへいつのまにか野原から汽車の音か聞こえてくる。

    「銀河ステーション」 いつのまにかジョパンニは列車に乗っていて、その列車にはカムパネルラも同乗していた。窓の外の幻想的な景色が流れる。

    「北十字とプリオシン海岸」 白鳥の停車場で20分の停車時間に銀河の川の水に触れたり、プリオシン海岸で考古学者が遺跡を採掘しているかのような不思議な現場に出くわす。

    「鳥を捕る人」でも不思議な光景。白鳥区で列車の中で鳥を捕る人と出会う。彼が鳥を捕ると平べったくして保管し、時おりそれを食べるとお菓子ようにうまい。

    「ジョパンニの切符」では、車掌が切符の拝見にくる。鳥捕りも、なんとカンパネルラも切符を持っていたが、ジョパンニは切符の意識がない。苦し紛れに上着のポケットに入っていた紙切れを出すと、それはどこまでも乗車できる切符だった。

    その後列車の中で、船が難破したという姉弟と同行の青年と出会う。彼らとの旅が始まる。様々な会話や体験があり、ジョパンニの感情は変化するがやっと仲良くなれたころ、サウザンクロスで姉弟と同行の青年は下車し別れる。彼らは天上の世界へ行ったのか。

    再びカンパネルラとの二人旅となったジョパンニは「本当の幸いをさがしに、どこまでも行こう」と決意をする。が、カンパネルラの姿はいつしか見えなくなってしまう。

    一人になったジョパンニは、自分のために、母のために、カムパネルラのために、みんなのために本当の幸福を探す決意をする。

    そうして、ジョパンニは丘の草の中で眠っていた自分を発見する。ちょうど夢を見ていた頃、友人のカムパネルラが水に溺れた友を助けるかわりに自らの命を失っていたことを知る。

    同時に、出かけたままの自分の父が、帰ってくるという元気な便りを数日前に送っていたことを知る。

    様々な思いを胸にいっぱいにし、牛乳を持って、父のことを知らせようと、病床の母のもとへ駆け出すシーンで幕は降りる。

  • 子供に読み聞かせていたのだが、途中から面白くなって一人で読み終わる。しかし、スラスラと黙読していくと、朗読していたときほど面白くない。細部の書き込みが素晴しく、ゆっくり朗読するくらいのペースで読まないと本当の素晴しさが読み取れないみたい。

  • 初めてちゃんと読んだ。
    らっこの上着くるかな?

  • とりあえず他の感想をいろいろ読む前に自分の印象を残しておく。

    人はみなカンパネルラ。
    自分の人生という汽車をどこに向けることもできる。どこへでもどこまでも行くことができる。でもこの汽車にはさまざまな人たちが乗ってくる。女の子、老人、宗教の違う人、お菓子(?)を売る人…
    それぞれわかり合うことはできないし、乗った人は降りてゆく。
    完璧に最後まで添い遂げることなんてできないけど、ただほんとうのしあわせはなんだろうか、どうしたらほんとうのしあわせの一助になれるだろうか。考え合いながら人生は交差する。
    カンパネルラ、そんな関係性を築けたらいいな。

  • 原稿切れも起こしてもおりますが、他のどの文庫よりも描写が美しくジョバンニの心情も事細かに描かれている。きらめきと心情を激しく揺さぶられた。タダで原作を読める幸せを感じる。

  • 読んだ気になっていたけど、読み始めたら全然知らなくて、あっという間に物語の世界に引き込まれていった。
    夏の夜空を駆ける鉄道で、2人の少年が出会う景色と人々。どこに向かっているのか、カムパネルラは分かっていたんだろうなあ。みんなの「さいわい」のために、その命を投げ出したカムパネルラの心の中には、ジョバンニの「さいわい」を守れなかった落ち目があったと思う。どの人もカムパネルラで、ジョバンニと何べんもリンゴを食べたりした、という文章が心に残った。

  • いまだにジョバンニとカムパネルラが猫に見えてしまうのは、映像が持つ怖さだなーと思いつつ、それもありかな...と寛大な気持ちで読み進めました。情景を感じるままにイメージして、まずは自分勝手な解釈をして楽しむのが良いです。きっと映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」に出てきた黄泉行の江ノ電も本作がヒントになってますね。
     
    一方でかなりのイマジネーション能力や語彙力が問われます。状況を完璧にイメージしようと頑張り過ぎるとストレスを感じます。いや、語彙力だけでなく化学の知識も少々必要...。ストーリー的にも解釈を絞らせない作品のようで、しかも初期稿と最終稿で多少違いがあります。今回読んだのは初期稿のようでブルカニロ博士が出てきました(最終稿には出て来ません)。
     
    ジョバンニは内向き(利己的)で悶々としていたのが、様々な体験(サソリとか)を通して「みんなのしあわせ」を意識するようになり、外向き(利他的)に変わりました。それはカムパネルラが亡くなったのとは反対に、今まで精神が死んでいたジョバンニが生まれ変わったとも言えます。きっとカムパネルラが亡くなるのは避けられないことで、カムパネルラはザネリを助けただけでなくジョバンニも助けたんですね。

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著者プロフィール

宮沢賢治(みやざわ・けんじ、1986~1933)
岩手県花巻市出身の詩人、童話作家。幼少より鉱物採集や山歩きを好み、盛岡高等農林学校(現在の岩手大学農学部)卒業後は、教員として岩手県立花巻農学校で地学や農学を教えた。その後も近在の農家に肥料相談や稲作指導を行ったり、東北砕石工場で技師として働いたりしていたが、37歳の若さで病没。仕事のかたわら、生涯を通じて数多くの詩や童話、短歌などの文学作品を残した。

「2020年 『宮沢賢治の地学読本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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