- Amazon.co.jp ・電子書籍 (342ページ)
感想・レビュー・書評
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国家の情報機関。
小説や映画の影響を受けてきたせいか、これまでは「秘密裏に動く謎めいた組織」という漠然とした印象しか、持っていませんでした。
この本は、世界の中でも情報機関のトップと言えるCIA(中央情報局)に30年間勤務し、副長官(長官代行)にまで上り詰めた著者による、回顧録。
CIAという組織がどのような活動を行っているのか?
特にこの著者が重責を担った期間に起きた出来事に興味があり、読んでみることにしました。
著者の職歴を時系列で追う形で、主に以下の出来事について、書かれています。
・2001年9月11日同時多発テロ
・イラク戦争
・ビンラディン襲撃作戦
同時多発テロ発生時、著者は毎朝行われる大統領へのブリーフィング担当として、ブッシュ(ジュニア)大統領とほぼ一日中、行動を共にしています。
そして結果的に大量破壊兵器が見つからなかった、イラク戦争。
10年の歳月をかけたビンラディンの探索の、襲撃計画の立案と実行。
有事発生の前にどのような情報があったのか、そして発生の際に国家の要人、中枢機関がどのように考え、行動に移したのか。
当事者による描写なだけに、今までフィクションの世界でしか触れていなかったこれらのことをリアルに、感じ取ることができました。
またブッシュ、オバマと二代の大統領を支えた著者による「大統領の素顔」についても、興味深く読ませてもらいました(この本を読んで、ブッシュ大統領の印象がだいぶ、変わりました)。
もちろん、著者本人の主観による内容の偏りはあるかと思いますが、読み物として、そして現実に起こった出来事を理解する上で、読み応えのある一冊でした。
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