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感想・レビュー・書評
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直木賞を受賞した『流』が絶賛されていたので、読んでみたいと思っていた、東山彰良さん。福岡在住の映画評論家で、美人のおばさんがいっぱいいる主人公が、ハリウッドのラブコメの法則にのっとって恋をする、みたいなあらすじにひかれて、これを読んでみた。結果、最初から『流』にしとけばよかったかな、とちょっぴり後悔。
ふーん、こういう文体なんだあ、とわかったし、軽快なストーリーでさくさく読めたけど、舞城さんや町田先生の饒舌体を読みなれている身には、ちょっと物足りない?(これは好みの問題)
セリフはすべて方言で、町もいきいきと描かれていて、福岡には行ったことがない私にも、東京ではない地方の大都市に生きる感覚、みたいなのがじんわり伝わってきて、そこは面白かった。あと、日本人にはズバリと書きづらい表現も辞さない、というか、するっと軽く書いちゃうところが、この人の強みかな、とも思った。
で、これは蛇足だけど、「エレファントカシマシが聞こえてきそうなチャラーッとしたエロ映画」って比喩は、「ない」と思いました。他のバンドと間違えてるのか、なんとなく字面だけで選んだのか。固有名詞がいっぱい出てきて、大きな魅力の一つとなっているこの手の作品は、一つの比喩もおろそかにしないでほしかったけどな。もちろん、作者が「チャラーッ」と感じたんなら、それはウソではないのだけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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