ラブコメの法則 (集英社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 直木賞を受賞した『流』が絶賛されていたので、読んでみたいと思っていた、東山彰良さん。福岡在住の映画評論家で、美人のおばさんがいっぱいいる主人公が、ハリウッドのラブコメの法則にのっとって恋をする、みたいなあらすじにひかれて、これを読んでみた。結果、最初から『流』にしとけばよかったかな、とちょっぴり後悔。
    ふーん、こういう文体なんだあ、とわかったし、軽快なストーリーでさくさく読めたけど、舞城さんや町田先生の饒舌体を読みなれている身には、ちょっと物足りない?(これは好みの問題)
    セリフはすべて方言で、町もいきいきと描かれていて、福岡には行ったことがない私にも、東京ではない地方の大都市に生きる感覚、みたいなのがじんわり伝わってきて、そこは面白かった。あと、日本人にはズバリと書きづらい表現も辞さない、というか、するっと軽く書いちゃうところが、この人の強みかな、とも思った。
    で、これは蛇足だけど、「エレファントカシマシが聞こえてきそうなチャラーッとしたエロ映画」って比喩は、「ない」と思いました。他のバンドと間違えてるのか、なんとなく字面だけで選んだのか。固有名詞がいっぱい出てきて、大きな魅力の一つとなっているこの手の作品は、一つの比喩もおろそかにしないでほしかったけどな。もちろん、作者が「チャラーッ」と感じたんなら、それはウソではないのだけど。

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著者プロフィール

1968年台湾台北市生まれ。9歳の時に家族で福岡県に移住。 2003年第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞受賞の長編を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』で、作家としてデビュー。 09年『路傍』で第11回大藪春彦賞を、15年『流』で第153回直木賞を、16年『罪の終わり』で中央公論文芸賞を受賞。 17年から18年にかけて『僕が殺した人と僕を殺した人』で第34回織田作之助賞、第69回読売文学賞、第3回渡辺淳一文学賞を受賞する。『Turn! Turn! Turn!』『夜汐』『越境』『小さな場所』『どの口が愛を語るんだ』『怪物』など著書多数。訳書に、『ブラック・デトロイト』(ドナルド・ゴインズ著)がある。

「2023年 『わたしはわたしで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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