お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人 (講談社文庫) [Kindle]
- 講談社 (2007年1月16日発売)


- Amazon.co.jp ・電子書籍 (210ページ)
感想・レビュー・書評
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フランス人にとって、お金よりも愛、コミュニケーションが優先されるということがよく分かりました。風土、文化が違うけれど、精神的に豊かな暮らしが垣間見えます。
日本はお金やモノ、時間に縛られている人が多いのかもしれないと感じました。
お金の使いどころを心得ていて、何となく買い物は絶対せず、そこには一本芯が通っているようです。
会話がスパイスって素敵です。日本人はシャイな人種と言われて久しいので難しいかも知れませんが、憧れます。
後半に出てくるフランス独特の?Le viager(ル・ヴィアジェ)というシステムには驚きました!投資なのか賭けなのか?日本ではみられない面白いシステムだと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分も1年ほど世界一周して世界の各地を渡り歩いた経験があるので本書の内容はすごく納得した。
本当に日本ほど物で溢れていて、過剰なほど親切丁寧な国はないなと思う。24時間のコンビニ、自動販売機、丁寧な店員、綺麗な陳列、綺麗な店内…
なので金さえあれば常に飲食に困ることはないし、客というだけで偉くなった気分にもなれる。
でも、本当にそれでいいのか?本書が指摘するように創意工夫を奪っているのでは?また、我慢する、対等な人間性という当たり前の精神を忘れているのでは?と思ってしまう。
確かに言われてみれば、日本ではマルシェ(市場)をほぼ見かけないし、スーパーには出来合いのものやパッケージされたものが目立つ。それに比べてヨーロッパやヨーロッパの植民地だったアフリカや南米では、大体どの町にもマルシェがあり、新鮮な野菜や果物が小売で買えるし、スーパーも肉や野菜、果物などほとんど量り売りだし、肉はその場で切ってくれる。小さな町の店にはほとんど商品が陳列されていないこともしばしばだった。でも誰も文句言わない。店員は愛想が悪いのが基本で海外で「いらっしゃいませ」的な台詞を聞いたことがない。こちらから声をかけないと仕事しないのが普通。それに対して怒っている客を見たこともない。とにかく日本人は至れり尽くせりで甘やかされ過ぎているのではないか?そのせいでちょっとしたことですぐ不安になり、クレームつける体質になっているのではないか?
なければないで諦める。あるもので楽しむ。本当に必要か考える。何が一番大切なのかを見極める。そうしたフランス人の合理的かつ堅実な考え方、生き方は大いに参考になった。本当にどんどん貧しくなっている今の日本人にこそ必要なマインドだと思う。
ただ、全体的に前置き的な話が長いのが嫌い。もっと淡々と書いて欲しかった。 -
最近はあまり聞かなくなった質素倹約という言葉
日本人の美徳ともいえる意識ですが、質素倹約=ケチ=貧乏くさい?というイメージが連想されます(個人的にイメージ先行ですみません)
この本を読むまで知らなかったが、フランス人は「しまり屋」が多いらしい。祖父母の時代に比べると、物が溢れる現代。物質に依存せず、自分なりの物差しで【良いモノコト】を勘定し取捨選択できる姿勢が素晴らしい。
世界がSDGsを謳うずっと以前よりフランス人は、自分の限りある資源で自分の幸せを見つけるのがとても上手なんだと感じた。
自身もこの勘定思考で豊かに生きていきたいと思える、ライフスタイルの参考書です。
著者プロフィール
吉村葉子の作品





