ほめると子どもはダメになる(新潮新書) [Kindle]

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  • 教育者や親になる人は読むべき本。褒められて育った子は、素直で良い子に育つ。しかし、相手が求めていることを考えてそれに応えようとする。そこからはみ出さない。チャレンジしない。また、初めて叱られたり挫折を味わった時、フリーズしてしまう。若いうちに経験すれば乗り越え方を覚えられるが、大人になってから経験すると立ち直れなくなる。褒められて育つことにはマイナス面もたくさんある。

  • 第二子誕生の前後に読んだ。
    長女は現在3歳である。
    すでに自我が芽生え、最近は何でも自分でやりたがる。妹の世話さえもやりたがっている。
    それは良いのだが、さてこれからどう育てるべきか。
    また、昨今の大学生をどう育てるべきか。
    その参考になればと思い、読んだ。
    Amazonの書評では賛否両論があったが、私にはうなづけるところが多々あった。
    子供は生まれながらに社会的な存在ではない。教育によって社会的な存在になるのである。では、その教育は誰が行うべきか。
    昔は子供組や若者組といった地域組織がその役割を担っていた。学校でも教師が子供をしつけた。
    しかし、その両者ともが期待できない今は、親がその役割を担うしかない。
    ということは、子を持つ親一人ひとりの責任ということになるが、個人主義の今、そうなるのは当然であろう。
    家庭教育の目的は、子供の自立である。子供が激動の時代を生き抜くのはタフでなければならない。
    そのためには、褒めるだけの子育てではダメだ。
    いまの大学生は、徹底的に褒められて育っている。大学も学生をお客様扱いし、厳しくしない。
    ぬるま湯にしか使っていない大学生は、人生の勝負時でも勝負ができない。空虚な目をし、主体的になれない。
    自分の力で困難を乗り越えること。なんども壁にぶつかり、その壁を乗り越えることでしか、自信はつかない。
    親は壁となり、子を育てるのだ。
    そのためには、親が価値観を確立することが必要だ。

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著者プロフィール

榎本 博明(えのもと・ひろあき):1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、 カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師。著書に『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「対人不安」って何だろう?』『「さみしさ」の力』(ちくまプリマ―新書)など。

「2023年 『勉強ができる子は何が違うのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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