1973年のピンボール (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • この作品について感想を書くのは難しい。

    文章自体は平易で読みやすいが、あらすじを説明してみろと言われるとなかなか容易ではない。
    それは物語が25の細かい章に分かれていて.時系列はバラバラで「僕」と「鼠」の2人の視点から書かれているからだ。
    簡単な説明をするとピンボールのように繰り返される自問自答の末の決別の話ではあるのだが、実際はこの作品だけを読んで完結する話ではない。

    色々な作品が相互に関わりあってできる重層的な奥深さを感じ、まだ村上春樹を2作品しか読んでいない自分には安易に感想を述べることが出来ない。とにかく早く長編全ての作品(特にノルウェイの森まで)を読みたい。

  • いつもの村上春樹さんの独特なペースがあるけど、ちょっと暗いかんじ?
    ジェイさんは好きなキャラ。
    人のことをよく見ていて、かけるべき言葉をかけているところがいい。
    ゆっくり歩け、そしてたっぷり水を飲め。

  •  この作品は村上春樹のデビュー作である「風の歌を聴け」に続く、三部作のうちの第二弾であり、第一弾に登場した「僕」と「鼠」がこの作品にも登場する。

     この第二弾がタイトルでも分かるとおり、1973年を背景として、「僕」と「鼠」のそれぞれの視点から話が進んでいく。

     学生時代にハマったピンボールは、貴重な時間と引き換えに数字で表されるプライドしか与えてくれない。それでも社会人になった時に思い出されるのはそういうたわいもない時間で、取り戻そうと動いてしまうのもなのか「僕」の行動を見て感じた。
     
     第一弾で本を読むのが嫌いだった「鼠」が小説家として働いているのがなんというかよかった。
     ただ大学生活のことを社会人になってから振り返るということがまだできない年であるからか、前作に比べて感じることが少ないように感じた。
     

  • 前作、風の歌を聴けの続編。同じ雰囲気が心地よい。
    2018.10.15

    双子の存在が雰囲気を幾分ユニークに暖かくする

    2022.3.18

  • 三部作の中で一番地味な印象だけれど、好きな文章がたくさん出てくる。

  • p.2022/12/5

  • ノルウェイの森の直子の種が撒かれていて、ただただすごいなと思った。解釈は別れるところだろうけど、配電盤の葬式や、ピンボール台との再会は、どうしても直子の影を感じてしまう、、
    鼠はどうなったんだろう、羊をめぐる冒険も読まなきゃです。

  • 鼠三部作二作目。一作目の主人公「僕」とその友人「鼠」とで何度も視点が入れ替わり、それぞれの物語が前作同様淡々と展開される。
    「僕」の話が双子との暮らしやピンボール台探しなどふわっとした非現実的なものである一方で、「鼠」の話は彼の孤独や変化のない生活への焦燥を
    感じさせる現実的なエピソードが中心となっている。
    喪失、そして孤独を受け入れている「僕」とそれを受け入れられない「鼠」の対比が上手いと感じた。

  • 寂しさのなかの美しくて儚くて切ない感じが、つらい
    さいご、ビートルズ聴きながら過ごすところ、好き

  • ちょうどよく、きもちわるい。

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著者プロフィール

1949年 京都府生まれ。著述業。
『ねじまき鳥クロニクル』新潮社,1994。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社,1985。『羊をめぐる冒険』講談社,1982。『ノルウェイの森』講談社,1987。ほか海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞、2016年ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞を受賞。

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