確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 (角川書店単行本) [Kindle]
- KADOKAWA (2016年6月2日発売)


- Amazon.co.jp ・電子書籍 (319ページ)
感想・レビュー・書評
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ちょっと古いな。と、経歴自慢に読める部分が多い。確率思考という概念をビジネス戦略に持ち込む、という意味では斬新であり、参考になるが、その意味の記載は少なく、派生の話題が多いのが気になった。
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戦略編と市場調査編に分かれている。
今まで経営やマーケティングに関する書籍は読んできたものの、戦略によることが多かったので、市場調査の知識に触れることは新鮮で興味深かった。
市場調査編で触れられていた未来予測の方法については、自分の実業務にもいかせている点でポジティブだった(例:より多角的・独立的な方法で試算することで、正確な値に近づいていく)。
数学的理論に関する記述は理解しきれない部分が多く、再度読み返したい。
戦略編の学び:
売上の伸ばし方は、①自社ブランドへのプレファレンスを高めること / ②認知を高めること / ③配荷を高めること
市場調査編の学び:
未来の予測はなるべく広い観点のフレームワークを利用して質的データからシナリオを考えるのが良い
より多角的・独立的な方法で試算することで、正確な値に近づいていく
シェアを予測する方が絶対額を予測するよりも簡単である -
「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」著者 森岡氏(元P&G)の一冊。
相変わらずめちゃくちゃおもしろいマーケ本だけど、正直森岡さんの本はどれか1冊マスターできればそれで神レベルなので多読不要な気もする。
要点は
・勝てる領域で戦うこと
・勝つ確率はある程度計算してコントロールできる
・市場にとって最強の存在は最終購買者(消費者)。戦略は最終購買者に従わざるを得ない
・Preferenceをどれだけ獲得できるかどうか。大元であるPreferenceをどれだけ獲得できるかに経営資源を投下
・ブランドエクイティか製品パフォーマンスという2軸からPreferenceを計算
個人的には数字や英語が難しすぎて、途中でさじを投げた。「Preference」「Evoked Set」という言葉から頭がパニックした。
本物のマーケターであれば当書籍はおすすめ、そうでなければ西口氏の「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」のほうがおすすめです。
※ブランドエクイティ
競合との相対で決定される。購買意思決定を左右する判断軸がどこで、そのうち自社がOwnしているエクイティがなんなのか。競合との強み弱みのマッピング。
競合がすでに強固に所有しているエクイティについて奪取は困難。一人目の恋人は忘れれらなくても2、3人目は簡単に忘れられるもの。だからこその差別化。
※製品パフォーマンス
ブランドプリファレンスに占める割合はカテゴリーごとまちまち。
家電や自動車、薬などは製品パフォーマンスが大きい、ミネラルウォーターなどならほとんどない。 -
USJをV字回復した森岡さんの著書。
自分がこの本を選んだ理由は、端的に現状への不満があるからで、
●ただただ訪問件数面談件数を上げなさいと。なぜその件数が大事なのか。管理するのがめんどくさいだけなのではなかろうか。
●思いつきではなく、何かのエビデンス、つまり本質的な何か固い理由があるからこそ、ターゲットが絞られ、それが戦術になるのではなかろうか。
ほぼほぼ経験値にもとづく直感と思いつき、そういうのをいい加減脱却したい。
●個人のモティベーションと活動量は差があるし考え方も違う。やはり恒久的に戦える組織づくりと、仕組み化された仕事のやり方が個人を支え、会社を支えることになるのではなかろうか。
●組織に属しているのに孤独な戦いをしている矛盾。
こういう想いと普段のモヤモヤが重なった為です。
以下備忘録。
市場競争とは、一人一人の購入意思決定の奪い合いであり、その核心はプレファレンスである。
プレファレンスとは、簡単に言えば好みであり、主にブランドエクイティ、価格、製品パフォーマンスに三つによって決定されている。
勝てる戦を探す。市場構造にはコントロールすべきものと、コントロールしにくいものがある。
伸び代がある要素を伸ばす(Mを増やす)。
戦略家は、自分自身の能力をどこに集中して使えば戦果が最大化するか。自分以外の人々をどこにどう集中させて使えば戦果が最大化するか、この二つを冷静に考える。
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一人一人の意思決定の奪い合いが市場構造。
これを前提に、数字で語る。
そのために必要な数学や統計の話をしているが、実際の対象は物を売る視点だが、さまざまな角度で参考になる。
ーケティングをアートからサイエンスに変える意気込みを感じる。
結局は数字。その上で、熱をどこに持つのか精神的な判断を準備としたい。 -
かつての大苦境を脱し、V字回復を果たしたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)。同社を率いたマーケターとアナリストが、数々の新規プロジェクトをヒットさせた手法を明かす。
ビジネス戦略の成否は“確率”で決まっている。そしてその確率は、ある程度まで操作できる。
「市場構造」の本質がわかれば、その市場で勝つための戦略を、どこに集中すべきかが明瞭に見えるようになる。
・市場構造とは「ある商品カテゴリーにおける、人々の意思と利害と行動が積み上がった全体としての業界の仕組み」のことである。
・市場構造の本質は、「プレファレンス」(消費者のブランドに対する好み)だ。これを上げると、売上が直線的に伸びる。
経営資源の配分先は、「プレファレンス」「認知」「配荷」の3つに集約される。この中で、プレファレンスはそのブランドの最大ポテンシャルを決定するため、最も重要である。
プレファレンスを伸ばす上で着眼すべきは、自社ブランドが「選ばれる確率」(M)だ。これは、自社ブランドを全ての消費者が選択した延べ回数を、消費者の頭数で割ったものである。
プレファレンスを伸ばす戦略には、次の2つの選択肢がある。
・水平拡大:新規顧客の数を増やしていく戦略。
・垂直拡大:既存顧客に、より好かれるようにする戦略。
水平拡大により、市場全体のプレファレンスを多く獲得する方が、成功する場合が多い。
戦略を組む際は、まず目的を設定する。次に、目的達成時と現在のギャップを定量化し、目的に到達するために獲得すべき「M」の数量を明らかにする。そして、ターゲットにする消費者、プレファレンスが増加するためにすべきことを考える。 -
確率を基底にしたビジネスの重要性が理解出来る。経営戦略においても確率思考が基礎だと思う。そのうえでフィロソフィーなんだろう。
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★本を知ったきっかけ / なぜ読んだのか
→著者の森岡さんのほかの本を読んでより具体的に知りたいと思ったから
→マーケに関する数値的な面での解釈を知りたいと思ったため
★誰におすすめか
→マーケを極めたい人
★あなたはどう変わったか(気づき / 学び / わかったこと)
→ちょっとまだ早かったなと読んで思った。数値の具体的な話と数学の話が複雑に絡んでいるので、じっくり読み込んで実践も交えてやっていかないと理解は出来なさそう。
★この本を端的にいうと(一言)
→本格的な数学をつかったマーケ分析の難しい本
★読了時間
→じっくり読む -
プレファレンスと認知と配荷。勉強になった。
いかに消費者のエボークト・セットに入っていくか。
数式の解説部分は半分くらいしか分からなかったけれど。
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