車輪の下(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 天才児だった少年ハンスが、栄光と挫折を味わうヘッセの自伝的小説。子どもらしい遊びを二の次にして、周囲の期待に応えるため勉強に勤しむ主人公。そんなハンスは環境の変化や心の成長とともに、大切な何かを取り戻すべく、情熱を燃やしつづけた学問の世界に対して執着が薄れていく。しかし、功名心や優越感などをいったん脱ぎ捨てると、紙切れ一枚のような自分がいて、ひとりでしっかり立つこともできない。何者にもなれずもがき苦しむハンスの姿に、共感できる部分は非常に多かった。自分を懐古するような心に残る作品である。

  • あまり内容が入ってこなかったけど、
    文章がキレイだった

  • 学生時代に読んだはずだけど全然覚えてなかったな、最近もいい学校の子が爆発しちゃう事件多いし苦しいね、、
    人生の中で選ばなかった選択肢、取りこぼしてきた経験、もう戻らない日々のことを思うと気絶しそうになる

  • 有能さが生かされなかった青年の話。

  • 教育ママは読みましょう

  • 自然描写が生き生きとしていて昔のドイツの風景に思いを馳せる一方、ハンスの心理描写はあまりにもリアルで読むのがつらかった。
    ヘッセの実体験だからこそのリアルさ…可哀想に。

    推薦図書で実家の本棚にあったけど、当時の自分が読んでもナンノコッチャ状態だったろうな。

    ドイツ生まれな作家なだけに、出てくる土地のイメージができたのは良かった◎

  • とっつきづらくて手に取らなかった古い名作を試しに一回読んでみようとチャレンジしたのですが、時代も国も違ってなかなか没入できずに読み進めるのに時間がかかってしまいました。
    ドイツか他国かにかかわらずですが大戦を描いている映画のシーンのつぎはぎで情景を思い浮かべながら、特に酒場のシーンはあんな感じかなぁと思いながら読みました。

    魚の名前がわからないものが多くて、もし知ってたらもっとハンスの気分に近づけたかなと思いました。
    でも試験が終わった時は川も魚も野イチゴも全部が輝いて見えたんだろうなぁ。

    アラフォーなのでもし自分が父親だったら…と親目線で感じることも多かったです。
    合格した時の誇らしさ、送り出す時の心配や寂しさ、戻って来た時の落胆と心配と接し方の難しさなど色々な感情が湧いてきました。
    でも、やっぱり最後は何でもいいからとにかく生きていてほしかったと辛くなりました。

    自分の息子は今ドイツ語の授業をとっていて、タイトルの「UNTERM RAD」も色々な地名も話のきっかけになって楽しかったです。
    今までドイツのこと全然知らなかったけれど、これからもっと知りたいなと思えて良かったです。

  • 解説を読んで納得

  • 苦しみ、心を病んでしまっているのに、なんの理解もない周囲の人間(大人たち)。
    少年の辛い心境に共感せずにはいられなかった。
    最後は自殺だったのではないか…。

  • 名作。
    優秀と言われて育った少年の葛藤など、心理描写が巧みすぎました。
    表題の「車輪の下」が、周囲の期待に押しつぶされる主人公のことであると理解したときの鳥肌が凄かった

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著者プロフィール

ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

「2022年 『無伴奏男声合唱組曲 蒼穹の星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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