- Amazon.co.jp ・電子書籍 (251ページ)
感想・レビュー・書評
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論文のようでもあり、小説のようでもあり飽きさせない文章。5章、6章が理論の肝。原著は2013年とのことで、ChatGPT以降の生成AIの意識についての続編を期待。
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脳において、どの部分がどの様にして意識を獲得するかの問題を、一般向けに解説した書。
大脳には脳梁があるが、小脳には無い。
これの意味するところは、大脳は半球同士が連動して意識を作り出しているのに対し、小脳はそのような機能は無いという。すなわち情報の連携・統合が意識には大きく関連しているということだ。
脳の組織を分割していくと、結局は電気信号を認識する細胞にまで行きつく。
半導体(トランジスタやダイオード)は電気信号により情報を保持する(脳細胞と同等の機能を有する)が、そこに意識は発生するのか。本書ではそれを否定する。
だが、それら個々の半導体が連携・統合されたら意識と呼べるものが発生するのだろうか。その可能性はあるのだろうか。
これに関して本書は言及していない。
意欲的ではあるが、まだまだ仮説の域を出ない理論であるように思う。
結局、細胞などの物質論だけで説明できる問題では無いのであろう。 -
“なぜ1.5kgの物体(脳)が見聞し、感じ取り、夢を見たり、苦しみを覚えたりする主体を宿せるのか”という問いに二人の医師が挑む。物語調で読み物としても面白い。φ理論は意識を解明できるか?
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脳について、ここまでわかったのに、それでも意識が何なのかがわからない。でも2000年以上の歴史を持つ哲学が、ほぼ何の結果も出せていないのに比べると、きわめてすぐれた結果に驚くばかり。 このまま研究が進めば、意識が理解できるのだろうか?それとも、ゲーデルの不完全性定理のような脳定理「人類は、人類の脳を理解できない」が作られて、意識を理解できないことを理解するのだろうか?
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面白い本だった。意識とは何だろう、と改めて意識の不思議さを感じた。
著者は統合情報論を提唱してきた神経科学者。意識の特性をフォトダイオードの機械等と比較して、情報の統合にある、と述べる。このあたり、わかるようなわからないような、今ひとつピンとこなかった。著者の提唱する、意識を表す式は面白いですね。