金色機械 (文春文庫) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 10
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感想・レビュー・書評

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  • 金色様の格好良さにハマった。シリーズ化してほしいくらい。

  • これは面白い。
    冒頭からしばらくは話に入りこむまで時間がかかったけど、途中から引き込まれて一気に読んでしまった。

    全体に無常感と言うか物悲しい感じがあるのだが、それが逆に良くて、読んだあとなんとも言えない気持ちになった。

    それぞれに絡み合うストーリーも良かったし、金色さまの憎めない感じもいいアクセントになっていたと思う。

    1つだけ、表紙がイマイチなのはもう少し何とかならなかったのだろうか。全然中身と合ってないし、なんかもったいない気がする。

  •  所詮「善」も「悪」もない。みんながみんな大切な人を守りぬくために大切だと思うことをしただけ。ただそれだけ。 

     恒川光太郎さんは好きだけど作品は短編が多く、こちらは長編とあって早速読みました。いやーーーーーー面白かった!2023年に読んだ1位になるかもしれないです。
    特に良かったと思うのは、各エピソードについて、それそれを違う角度からとらえた章があり「なるほど、そうだったんだ」と驚くやら納得やら。そしてその整合性もちゃんとあったところでしょうか。あとで何回か読み返して確認しました笑。
     遥香の能力、熊吾朗の能力に関しては、私に受け入れられる範囲です。そもそもがファンタジーであるし。その能力自体で全てを解決できるわけじゃなし。一方で金色様の存在に違和感を感じなくもなく。金色様が強すぎて誰でも殺してしまえるから、物語が順調に進んでいるような感じもなくもなかったです。でもその部分は些細なもので物語のスケールの大きさ、金色様以外の人物のエピソード、各人の抱えた思い、人情と現実と神様が自然に融合して、素晴らしい小説だと思いました。文章が上品。難しい昔の言葉はググる。
     それと、遥香の母を殺したのが、コジュウでなかったことがわかって救われました。美雪も気の毒でしたが定吉を殺してしまったしなあ・・・。と無理矢理納得することにします。また鬼御殿が焼失したあとの30年後の章もありますが、30年何をしていたんでしょう?金色様のあの調子を思い出すとちょっと笑ってしまいます。金色様はヒトではないのに、遥香は金色様を死なせることができたというのも、正直「ん?」と思いましたが、それはファンタジーということで許したいと思います。私の理想は遥香と金色様とで実家に帰り、金色様と余生を過ごして欲しかったです。自分の意志で幕引きできない金色様ですが、最後は機械の故障で幕引きでも私はアリだったのかと思います。
     恒川さん、(といっても恒川さんはこのレビューを読まないでしょうが)楽しい時間をありがとうございました。人にお勧めしたい一冊です。

  • この方の本はだいたい読んじゃったんで、この本は買ってたんだけど、もったいないから読まずに持っておきました。
    しかし、現実生活でストレスがたまったとき、つい自分に甘くなっちゃいました。
    チビっとだけ、と思い読んだら、もう止まらない!
    恒川光太郎さん、いつだって最高‼
    超ありがとう。読んでる間ずっと楽しかった♡

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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