ソフィーの選択 [DVD]

監督 : アラン・J・パクラ 
出演 : メリル・ストリープ  ケヴィン・クライン  ピーター・マクニコル  リタ・カリン  スティーヴン・D・ニューマン  ジョシュ・モステル 
  • NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102432409

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  • 主人公のソフィー(メリルストリープ)はユダヤ人ではなく、ポーランド人で、しかも父親はユダヤ人を迫害する側で大学で教えていた人物だった(?)が、強制収容所に送られた過去を持っている。
    九死に一生を得てアメリカで恋人と暮らすが、ユダヤ人の恋人はときどき猛烈な嫉妬に狂い、ソフィーを苦しめる。
    それを若き小説家が間近で見ている。ソフィーに淡い恋心を抱きながらも、二人の親友という立場で。

    題名からして、ソフィーが恋人か小説家、どちらを最終的に‟選択”するのか、という物語なのかなと思いながら観るわけだが、(もちろんそれも含まれているのかもしれないけれど)、最後の最後に、ソフィーが小説家に打ち明ける、かつて自分がしなければいけなかった”選択”が、物語の核心だった。
    あまりにも哀しい、ホロコーストの現実。

    以下ネタバレ注意。

    収容所に向かう途中、ドイツ兵から、連れていた子ども二人のうち、どちらを残し、どちらをガス室に送るのかという選択を迫られるのだ。
    「私には選べない!」と泣き叫ぶ母、ソフィー(当たり前だ)。
    しかしドイツ兵は冷たく言い放つ。選ばなければ、どちらも死ぬ、と。
    二人とも連れて行かれそうになった時、ソフィーは「娘を連れて行って」と叫んでしまう。小さな女の子は、「ママー!」と泣きながら、ドイツ兵に連れて行かれる。

    そのことを彼女は、ずっと胸に秘め、哀しみと共に生きてきたのだ。その哀しみの深さは、誰にも本当には理解できないだろう。だから、どんなに素敵な恋人が目の前に現れ、あなたを幸せにしようと持ち掛けてきたとしても、幸せになどなれはしないのだ。そして悲劇的な終末を迎える。

    なんて、なんて哀しい物語だろう。

  • 【ストーリー】
    ニューヨークへやってきた駆け出しの作家、スティンゴはソフィーとネイサンに出会う。ソフィーはナチの強制収容所から逃げ延びた後、アメリカで出会ったネイサンと共に暮らし始めた。やがて三人は親しくなり、幸福な関係を築くかに見えたが…。(Amazonより)

    メリル・ストリープは本作品で1982年アカデミー賞主演女優賞を受賞。

    2時間半という長さにもかかわらず、まったくダレることなく観せてしまう。ストーリー展開が巧い。
    ソフィーとネイサンという、そもそもなんだか怪しいカップルの秘密が、徐々に小出しに明らかにされていくのだが、予測していなかったところに秘密があったり、予測していなかった方向に行っていたりで、驚く。しかも「まだあったのか!」という感じでどんどんたたみかけてくるから、また驚く。そして驚きの度合いが、「ええっ!?」「えええーっ!!?」「ええええーーっ!!!?」という具合にエスカレートして上がってくる。最後の秘密が明かされたところで私なぜか号泣。おそろしいソフィーの選択!!

    メリル・ストリープの演技はたしかに圧巻。私の中では、マルチな役をこなす「迫力系演技派女優」という位置付けで、「美しい」という印象はあまりなかった人なのだけど、いやいやいやいや、引き込まれるような美貌だった。どこか内部が壊れているからゆえの、死の香りが漂う美しさというか…。それを演技で出せるというのが凄い。
    そして何と言っても「訛り」。米国語のネイティヴであるにもかかわらず終始ポーランド訛りの英語を話し、さらにシーンによってはポーランド語、ポーランド訛りのドイツ語も、まったく違和感なく話す。凄い。これぞ女優魂。

    ホロコーストと、精神疾患の問題の扱いについては、微妙。現実的にはあまり整合性がなさそうな展開になっていたりして、そこはやはりエンタテインメント性が先行しているような印象。やはりどうしたって表面的になってしまうでしょう。ただ、なるべく数多くの人々の意識に問題提起をするということが目的であるのなら、この作品がこれらのテーマを扱ったことも評価できるのでは。

  • 我が子を天秤にかけた事実を背負いながら生きるのはどんなに辛かっただろうと思う。あのエンドで、「良かった」と思えてしまうことがまた哀しい。

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