- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988102432409
感想・レビュー・書評
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【ストーリー】
ニューヨークへやってきた駆け出しの作家、スティンゴはソフィーとネイサンに出会う。ソフィーはナチの強制収容所から逃げ延びた後、アメリカで出会ったネイサンと共に暮らし始めた。やがて三人は親しくなり、幸福な関係を築くかに見えたが…。(Amazonより)
メリル・ストリープは本作品で1982年アカデミー賞主演女優賞を受賞。
2時間半という長さにもかかわらず、まったくダレることなく観せてしまう。ストーリー展開が巧い。
ソフィーとネイサンという、そもそもなんだか怪しいカップルの秘密が、徐々に小出しに明らかにされていくのだが、予測していなかったところに秘密があったり、予測していなかった方向に行っていたりで、驚く。しかも「まだあったのか!」という感じでどんどんたたみかけてくるから、また驚く。そして驚きの度合いが、「ええっ!?」「えええーっ!!?」「ええええーーっ!!!?」という具合にエスカレートして上がってくる。最後の秘密が明かされたところで私なぜか号泣。おそろしいソフィーの選択!!
メリル・ストリープの演技はたしかに圧巻。私の中では、マルチな役をこなす「迫力系演技派女優」という位置付けで、「美しい」という印象はあまりなかった人なのだけど、いやいやいやいや、引き込まれるような美貌だった。どこか内部が壊れているからゆえの、死の香りが漂う美しさというか…。それを演技で出せるというのが凄い。
そして何と言っても「訛り」。米国語のネイティヴであるにもかかわらず終始ポーランド訛りの英語を話し、さらにシーンによってはポーランド語、ポーランド訛りのドイツ語も、まったく違和感なく話す。凄い。これぞ女優魂。
ホロコーストと、精神疾患の問題の扱いについては、微妙。現実的にはあまり整合性がなさそうな展開になっていたりして、そこはやはりエンタテインメント性が先行しているような印象。やはりどうしたって表面的になってしまうでしょう。ただ、なるべく数多くの人々の意識に問題提起をするということが目的であるのなら、この作品がこれらのテーマを扱ったことも評価できるのでは。