さて「水族館ガール」第三巻。
梶の出向が突然長期化し、アクアパークの由香はいきなり多忙と
なる。それにはしっかりワケがあって・・・という感じの内容。
由香の水族館業務はさらにバリエーションが増し、内容も専門度
が高くなっていくのが興味深い。これまで真の主役であった筈の
イルカたちはすっかり出番が減り、代わりにサンゴ・ラッコ・マ
ンボウという連中が幅を効かせてくる。マンボウやサンゴはまだ
想像出来る内容なのだが、ラッコがやたら飼育が難しい動物だ、
というのが衝撃。僕にとってラッコは見るモノであり、決して飼
うモノでは無い。そういう考えてみれば当たり前の事実が、イヤ
に重くのしかかってくる感じが非常に切ない。
前二作で問題にしたラブコメ部分だが、今回はわりと鼻に付かな
いレベル。木宮条太郎、今作でようやく分配の適度さに気付いた
らしい(^^;)。おかげで特殊業務小説としてのまとまりは格段に
上がっており、シリーズ3作の中ではいちばん読み応えがあった。
巻を重ねる毎に精度が上がるのは非常に良いこと。おそらくこの
後もシリーズは続きそうな気配が濃厚なので、次作のリリースを
楽しみにしておきます。
・・・できればニッコリーの出番をちょっと多めで♪