僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫JA) [Kindle]

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  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 単なる青春恋愛ものかと思っていたが、なんとも深い。
    数年前、実は並行世界が存在するんじゃないのかと考えた事があったので、この世界をすんなり受け入れて読めた。並行世界間を移動する「パラレル・シフト」と言い、その各々の世界で自分が存在している。

    これを読み終わり今「君を愛したひとりの僕へ」を読んでいますが、違う世界の僕が登場し、いろいろな面であーそう言うことかと分かる部分もあるので、楽しい。

  • 表紙だけ見て、単なる恋愛ものかと思っていたのですが、意外にも複雑なストーリーだった。

  • 並行世界の説明が意外と説得力があってよかった。並行世界という構造を用いた謎解きトリックもよかった。
    しんどいのは、恋愛が物語の中核的なテーマに絡むのに、著者の恋愛観が非リア充童貞のそれであること。女は向こうから近づいてくるし、恋愛感はガリ勉中二病のひとのものだし、一生のうちでセックスをするのは運命の相手である結婚相手だけだし、などなど。
    幼稚なプラトニックラブ信仰がどうにも生温くて気恥ずかしい。
    自分は小説という芸術を心から愛しているのだけれど、小説の書き手が非リア充の気持ち悪い人たちばかりになってしまってきている現状には心から嫌悪感を持つ。
    太宰や檀一雄や安吾を見てみろ馬鹿野郎。
    とはいえ面白かったので並行して出ているもう一作も読むずら。

  • 並行世界があって、それがわかったとき世の中がどう変わり、どういう弊害が起こるのか、他の自分はどう生きているのかなど、とても読んでいてわくわくします。
    最後の方は弊害と向き合う主人公たちが真摯に受け止めるさまに、自分はこうなれるだろうかと身につまされ、考えさせられました。

  • 並行世界、パラレルワールド、発想がユニークで楽しめた。本当にあるかもしれない、並行世界の交差。なんだかとっても楽しそう。可能性を丸ごと引き受けるとはよく言ったもんだ。ちょっとした気持ちのすれ違いは、並行世界の交差によって起きているなんて。

  • パラレルシフト、並行世界。ほんとにあるかも。もうひとつの「君を愛した…」と合わせて読了。

  • 面白い。パラレルワールドがこんなにわかりやすい形で綴られてるストーリーは初めてで読み終わったら題名の奥深さにも唸った。
    最後の賞は明らかに他の作品への伏線が貼られていて、これは、君を愛した1人の僕へを読まずにはいられない。

  • パラレルワールドのラブストーリー
    物事を選択する度に並行世界が作られていく。
    IPを人につけて、どこの並行世界から来た人か把握できるシステム。
    そのうち、システムが改正され
    並行世界の行き来をロックできる事も可能になる。
    今回の主人公は
    優等生の同級生と結婚する。子供もでき、孫もできる話。
    途中、殺人鬼に出会して
    主人公が子供を守れた話、守れなかった話と並行世界が出来てしまうが、最終的には落ち着く。

  • 並行世界があることが前提となった世界における、一人の男が一生のおはなし。自身の幸せを改めて噛み締めることのできる素敵な小説だった。もうひとつの作品「君を愛したひとりの僕へ」はこれから読む。この話ともう絡んでくるのかいまから楽しみ。

  • (2022/332)妻の蔵書から。量子論的な並行世界の存在が確認され、並行世界間での人格(精神?)の行き来が起こっているというSFファンタジー✖️純愛モノ。選ばれなかった選択肢で分かれていった並行世界に生きる自分あるいは愛する人たちは、果たして今自分が生きる世界の自分あるいは愛する人たちと同じ人物なのだろうか?大きなテーマに悩んだ主人公の決意がタイトルに現れている。ワンテーマでテンポ良くまとまっていて読み易いし分かり易い。一気読みだった。対になる『君を愛したひとりの僕へ』も読もう。

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著者プロフィール

1981年大分県生まれ。2012年、第18回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『ミニッツ ~一分間の絶対時間~』(電撃文庫)でデビュー。初の一般文芸作品『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(ともにハヤカワ文庫JA)を同時刊行して、大きなヒット作となる。ほかに『ラテラル ~水平思考推理の天使~』(電撃文庫)、『正解するマド』(ハヤカワ文庫JA)など、トリッキーなアイデアを武器とした作品を得意とする。

「2021年 『アイの歌声を聴かせて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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