中東から世界が崩れる イランの復活、サウジアラビアの変貌 (NHK出版新書) [Kindle]
- NHK出版 (2016年6月11日発売)
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みんなの感想まとめ
中東情勢の複雑さと歴史的背景を深く理解できる一冊で、特にイランの位置づけや民族主義の重要性が際立っています。著者は、イランがシーア派である理由を過去の王朝の影響とともに、アラブ人との違いを強調する民族...
感想・レビュー・書評
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放送大学で
いくつか
教科を勉強中 -
2016年発売なので今(2022年末)からすると少し古い情報なのだが、全体としては当時と変わらない中東情勢がよく判る。
ペルシャ人であるイランはアラブというくくりには入らないので、西アジアのあの辺りは中東イスラム圏と呼ぶところや、諸々の国家は国としての基礎を持たず、国と言えるのはイラン、トルコ、エジプトの三国だけである、という指摘は、なるほどと納得。 -
少し前の本だが、中東の問題点がよくわかった。
イランがなぜシーア派なのか、については著者の持論は以前の王朝がシーア派の王朝だったからという理解が簡単だと言っているが、やはり、アラブ人と一緒は嫌だという民族主義だと思う。
民族主義というのはいつの時代も変わらないのだから。 -
少々古くなるものの中東情勢・これまでの歴史/経緯が整理されており、よく理解できた。急転直下、この後の中東情勢を自分なりに整理しておきたい。
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読んでると「こんなに甘やかされていいのかしらん」と思うほど平易に書かれているヨ。
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さらっと読めてなんとなく中東の情勢の概略がつかめる。
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前に読んだ『世界はこのままイスラーム化するのか』と同じような題材を取り上げているが、それが宗教家の視点からの分析出会ったのに対し、こちらは完全にジャーナリスト視点で書かれている。
筆者はむしろ、この地域で起きている多くの紛争の原因は宗教ではないとの視点に立っている。シーア派とスンニー派などに別れているため宗派対立の様に見える場合が多いが、それはたまたまであって本質的な原因ではないと考える。
「世界が崩れる」というタイトルは釣りであろうが、中東における国民国家という枠組みは多くの問題があり、国とは呼べない「国もどき」がいくつもあるという見方は説得力がある。そして中東の安定には新しい国の線引が必要という主張にもうなずける。
もちろん、実現は難しいだろう。中東の国境が英仏などヨーロッパ列強の都合で勝手に引かれたものであることは誰もが知っているが、それでも今ある国境を平和的に変更するのは極めて困難だ。しかし筆者が「国もどき」と呼ぶいくつかの国がいずれ崩壊するという予想は当たりそうに思う。
その時、誰がどういう枠組みで新しい国を作ることになるのか。今生きている我々が知ることはできないかもしれないが、ベルリンの壁の様に案外突然その日が来るかもしれない。
日本から見て中東は距離的に遠いが産油国なので無関係ではいられない。本書の最後で語られるよう、この地域で日本が重要なプレゼンスを得ることは十分に可能だ。私自身が行くことは(多分)ないと思うが、関心を持っておきたい。 -
Amazonのセールで拾った本でしたが、掘り出し物でした。
イスラム教国家での紛争を宗派対立という形の解説で落とし込みがちな日本のメディアの見解にメスを入れているのが良いです。
イスラム圏は、精神的なハードルが高いと思いがちな日本人の発想を、突き崩す良書だと思います。
もし、イデオロギー対立であるとしたならば、ソ連と米国も冷戦が終了していたら、対立も終了していたはず。という部分の記述には納得しました。実態は、帝国同志の抗争であると。地政学的な利害対立の方が、ずっと多いし大きいとも書かれていました。
また、イラン革命は何故起きたか。という部分も分かりやすく説明してありました。1979年の革命だけにフォーカスを当てていても理解できないと。1953年まで遡る必要があると触れてあったことも、今迄のTVやメディアの解説の視点とは違っていました。
米国とイランは共に被害者意識を持っている点が特徴であること。また、ペルシアとアラブは古代から現代に至って戦った事がないことから、イスラエルの敵は周辺のアラブ諸国であって、イランではない。という切り口も新鮮でした。こういう言及をしてくれる日本のメディアが無かったなあと思いながら楽しんで読み進めることが出来ました。 -
「イランがペルシア人の国であり、アラブ人の国ではないという事実だ。」
中東諸国に対するイメージが変わる。
自爆テロは1983年のレバノン首都ベイルートで発生した。
自殺を禁じているはずが、いつしか天国への道のりになった。
石器時代が終わったのは石がなくなったからではない。なら、石油の時代が終わるのは石油がなくなるからではない。 -
中東での紛争というと、宗教がらみを連想しがちだ。無論間違いではないのだが、経済という視点も重要である。アメリカとの交流が復活して、アラブの大国となりそうなイランや、産油国であるサウジアラビアの話など、新しい気付きを与えてくれた本である。今度はもう少し専門書的な内容を読みたくなった。
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2016年6月の状況だけど、非常にわかりやすく整理され、改めて中東で何が起きているのか、この先どうなるのか考えさせられた。
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ニュースを見ているだけではわからない歴史や背景を学べる本です。
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面白い。
題名は決して大袈裟ではない。英国の欧州連合離脱も、シリア難民が大量に欧州に入って来たこと、フランスやベルギーでISによる大規模テロが連続して発生したことが大きな一因である。日本の株安も、原油安による中東政府系ファンドの買い控えが大きな役割を果たしている。そして、原油安を作ったのは増産を止めないサウジアラビアだ。
「本書では 、複雑怪奇とされる中東情勢をできるだけ平易に解きほぐし 、国際政治のうねりの中に位置づけなおしたい 。サウジアラビアとイランの国交断絶は 、どのような意味を持つのだろうか ?未だ I Sの支配地域が残るシリアやイラクは 、このまま分裂してしまうのか ?アメリカの一極支配が崩れ去った今 、中東を安定化させるのは誰か ?」。
中東の新聞記事は難しい。これは、イスラム教、特に宗派の複雑さに我々が怖気ついてしまうこともあるかもしれない。例えば、昨年のイランとサウジアラビアの国交断絶について、新聞記事を読むとスンニ派とシーア派の宗派争いが原因のような印象を受ける。ところが、本書は「サウジアラビアは人権問題を宗派問題として言いつくろうことで 、少数派であるシ ーア派の抗議の声を無視し続けようとしている 」と分析する。そして、本書は何故そう言い切れるのか、イスラム教の背景や中東史を紐解きながら明快な説明をしてくれる。
面白いと思ったのは、中東で国といえるのは、イラン、トルコ、エジプトだけで、他の国は「国もどき」であると断言していること。軍事大国と言われているサウジアラビアですら国もどきである。そう考えると、中東は理解しやすくなるし、これから何が起きるかすら予想できる。第一次大戦で英仏が設定した国境が溶けてゆくという表現は、当たっていると思う。
自分の中途半端ば理解が、次々と修正されてゆくのは快感ですらある。お勧めの星5つ。
著者プロフィール
高橋和夫の作品
