- Amazon.co.jp ・電子書籍 (263ページ)
感想・レビュー・書評
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純粋な日本史の本です。教養を高めたい人にオススメです。
概要ならばWikipediaで拾える範囲で十分だと思います。詳細を学びたい人にはオススメです。 -
大本営発表とは政府が発表する虚偽の情報というようなニュアンスの言葉となっているが、そもそもどういう発表をしていたのかについての説明をしている。日中戦争ではあまり虚偽の発表をしておらず、太平洋戦争のうちミッドウェー海戦から虚偽の報道をしたということである。虚偽の発表では米国の戦艦・空母をどんどん撃沈したとのことで、全部を足し合わせると何十隻にもなるとのことである。海軍は集計していておかしいと思わなかったのか、このような一時しのぎの思考がまだ我が国の官僚にもあるとしたら恐ろしい(と言うかフクシマ関連で現在進行中のような気がする)。
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太平洋戦争において、その近況を伝えるための権威である大本営発表。それは戦況が芳しくなくなるにつれて迷走し、国民からも信頼を失うほど収集がつかなくなっていきます。本書は、その大本営発表の誕生期から終戦と共に終わるまでを書かれています。それにより、政治とマスコミの癒着がどのような結果をもたらすのかということ、現代の事例にも(福島の原発事故や安倍政権など)同様の兆候が見えることからの、私たちへの警鐘を鳴らすという内容になっています。
権威というものの扱い、そのために反論が封じられること。そしてそれを利用するもの。あの戦争のように、落ちるところまで落ちる様子が非常によく分かりやすく書かれているとおもいます。
嘘をつくと、それを繕うために、さらに嘘を重ねていく。その様子がよく分かる内容でした。 -
一旦買っておいたものの、いつのまにか消えてしまった本。それをもう一度買ってまで読もうと思ったのは、この覧でもレビューを書いた『通州事件』の著者、広中一声さんとのトークショーをやったと聞いたからである。これもこの春の城崎温泉で読了した。大本営発表というのはウソの代名詞のようになっているが、本書はそれを一つ一つ事実と発表とを照らし合わせて検討したものである。なぜ、そんなことが起きたかは、現在でも通じるメディアと政府との問題で、早くニュースが欲しいメディアと、それをうまく利用したい政府の思惑が一致したからである。では、なぜウソのニュースが堂々と報じられたのかと言うと、それは現地の報告を一々下方訂正していては現地の士気が落ちるという心配、現地からの抗議があったからだと言う。これもわからなくはない。一方で、比較的正しい情報を伝えていたベテランパイロットたちを大勢失っていったことも原因であった。たしかに、敵も成果を大きく損害を小さく報道しはいるが、日本のやり方は日中戦争期や太平洋戦争初期はともかく、それ以後は異常で、天皇から空母○○は4度も沈んだのかと下問されるほどであった。こんなでたらめな情報に基づいて次の作戦をたてたら碌なことはない。フィリピンでの戦いがまさにそうで、そのため無駄な死を多くもたらしたのである。
辻田さんはこの問題が3.11以後の日本にも当てはまると警鐘を鳴らしている。 -
初めてKindleで読んだ本。
私は紙の本のほうがいいな。
海外にいるのだから文句は言えないのだけど。
いい本だっただけに、紙で読んだらもっとよかったなと思った。
あ、「仁義なきキリスト教史」が初Kindleだった。
まあいいや。 -
【「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
貞許礼子 先生の推薦図書です。
<推薦理由>
メディアや広報のあり方を考え、メディアリテラシーを高めるきっかけにしてください。
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いわゆる大本営発表は戦時下の報道体制を象徴する言葉として使われているだけではなく、今日でも事実を包み隠して報道される一連の原発事故報道でも使われた言葉である。それがいつから始まったのかその歴史を振り返っているが、意外にも最初は戦後末期に見られるようなウソで塗り固められたものではなかった。その転機を見ることでこの手の報告がだんだんとウソで塗り固められていく様子がよくわかる。